シド“男女別ツアー”幕張で終幕「君たちなしでは生きていけない」
マオ(Vo)(撮影:今元秀明)
昨日9月26日、シドが千葉・幕張メッセイベントホールにて女性限定全国ツアー「シド 女限定ツアー2015“乙魂 -otodama-”」のファイナル公演を開催した。
彼らは8月より、このツアーと男性限定ツアー「シド 男限定ツアー2015“男魂 -otodama-”」の2本のツアーを並行して開催。会場にはタイトルどおり女性ファンのみが集結し、ライブの開演を待ち構えた。
メンバー4人がステージに登場し、中央のお立ち台に立ったマオ(Vo)が「行こうか!」と叫んで始まった1曲目は「モノクロのキス」。マオはステージ左右の端まで歩き、会場の隅々までその声を届ける。客席から激しく拳が上がった「コナゴナ」、華々しいサウンドで盛り上げた「V.I.P」と、序盤から強力なナンバーが連発される。
マオは最初のMCで「今日は女の子限定ライブファイナルということで、ようこそ! シドは4人とも男なんで、今日をすごく楽しみにしていました(笑)。全員撫でてあげたいくらいです」と話し、客席から黄色い悲鳴を浴びる。その後もオーディエンスがマオの煽りに応えて一斉にタオルを振り回した「サマラバ」、ゆうや(Dr)の刻む裏打ちのリズムが会場を揺らした「smile」などが披露されていく。
一瞬静まり返ったステージで、マオが「聴いてください、新曲です」と紹介すると場内からは大歓声が起こった。そして披露されたのは、アーバンな雰囲気を漂わせる新曲。Shinji(G)、明希(B)、ゆうやの奏でる緻密な音が楽曲の世界を彩り、マオは時にクールに、時に熱く歌声を響かせる。オーディエンスたちは彼らの生み出した新たな音楽にうっとりと聴き入っていた。曲が終わるとマオは「CDになる前にライブで発表するのは、俺たちが昔やっていたやり方で、すごく懐かしいね。緊張したし怖かったけど(笑)」と語り、作曲を務めたShinjiも「シャレオツな曲でしょ? でも、俺もマオくんと一緒で心臓がバクバクだった」と心中を明かした。
ライブの後半では、ステージ上に炎がゆらめく中でインディーズ時代からの楽曲「刺と猫」を披露し、会場の空気を変えていく。続く「sleep」ではマオが切なくも激しいボーカルでファンを圧倒し、Shinjiは間奏でエモーショナルなソロを聴かせた。最後のMCでマオは「ボーカリストをやってると調子のいい日も悪い日もいろいろあるんだけど、どんなときでも楽しく歌えるようになったのが今年一番の成長だと思います」とツアーを振り返った。
そしてライブはいよいよ終盤戦へ。「行けるか!」と鬼気迫る表情に一変したマオが叫んで始まった「ENAMEL」、各メンバーの渾身のプレイで会場の熱気を上昇させた高速チューン「MUSIC」、客席からの大合唱で一体感を高めた「Dear Tokyo」とアッパーな楽曲が続々と披露された。本編ラストを飾ったのは「one way」。マオとShinji、明希は客席ギリギリまで駆け寄り、最後のナンバーをファンとともに楽しんでいた。
アンコールの声に応えてメンバーは再びステージへ登場。ライブでは久々の披露となった「お別れの唄」や「妄想日記」「循環」など、インディーズ時代からの名曲を中心に展開する。「プロポーズ」ではマオが巻き舌を交えながら激しく歌い上げ、Shinjiもそれに応えるようにエッジーなギターフレーズを響かせた。ラストナンバー「眩暈」では4人それぞれがアグレッシブなプレイを展開。会場のテンションを最高潮まで高めた。
演奏が終わると4人はファンに向かってそれぞれ挨拶する。明希は「愛してるよ! また会おうね!」と再会を誓い、Shinjiは「シドファンってすげえなと思ったよ」と盛り上がりに感謝を述べる。ゆうやは「なかなか異端なツアーだったでしょ? 今日はいい締めくくりになった気がします」と、男女別ツアーという異色の企画を振り返った。最後に残ったマオは「君たちもそうであるように、俺も君たちなしでは生きていけません。よろしく頼むよ、今後もね!」とファンへの愛を語り、マイクを通さずに「愛してます!」と笑顔で叫んでステージを降りていった。
シド 女限定ツアー2015“乙魂 -otodama-”
2015年9月26日 幕張メッセイベントホール セットリスト
01. モノクロのキス
02. コナゴナ
03. V.I.P
04. ANNIVERSARY
05. サマラバ
06. smile
07. 新曲
08. 嘘
09. 刺と猫
10. sleep
11. ENAMEL
12. MUSIC
13. Dear Tokyo
14. one way
<アンコール>
15. お別れの唄
16. dog run
17. 妄想日記
18. 循環
19. プロポーズ
20. 眩暈