ラグビーW杯の前哨戦か!? 強豪オーストラリア代表を迎え撃つ「リポビタンDチャレンジカップ2017」
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ラグビー『リポビタンDチャレンジカップ2017』が11月4日(土)に開催
現在、世界ランキング3位のオーストラリア代表を迎え、日本代表がどれだけのパフォーマンスを発揮できるかが注目されるラグビー『リポビタンDチャレンジカップ2017』が11月4日(土)、日産スタジアムで開催される。2日にラグビーワールドカップ2019(日本大会)の日程と会場が発表され、いよいよワールドカップモードに突入。地元開催まであと2年。リーチ・マイケル(東芝)も約2年ぶりに代表キャプテンに復帰したばかり。ジェイミー・ジョセフ監督のラグビーがどこまで世界に通用するか、その試金石となる重要な一戦の笛が鳴る。
ラグビーファンならだれでも知っている、ニュージーランドとオーストラリアの2国間で行われるラグビーの代表戦「ブレディスローカップ」。1932年から始まった伝統あるゲームで、今までの対戦成績はオールブラックス(ニュージーランド代表の愛称)が45勝(12敗)と、ワラビーズ(オーストラリア代表の愛称)を圧倒している。今年のブレディスローカップはすでにニュージーランドが(オーストラリアに)2勝をあげて戴冠を決めていたが、最終戦が先月21日にオーストラリアのブリスベン・サンコープスタジアムで行われ、ワラビーズが23-18でオールブラックスを撃破。最近調子の上がらないオールブラックスとはいえ、世界No.1の同国に勝利したことはワラビーズに大きな自信を与えた。現在世界ランキング3位のワラビーズがより強さを増している状況で、それを迎え撃つ日本代表にとって、世界を感じられる絶好の機会となる。
日本代表は10月19日に34人の日本代表メンバーを発表した。今回、メンバー最多の代表キャップ(61回)を誇るのはSH(スクラムハーフ)の田中史朗(パナソニック)だ。166cmと小柄ながら連携プレーが上手く、日本人として初めて南半球最高峰リーグの「スーパーラグビー」でプレー(2013年)。今回のオーストラリア戦では当時プレーしたハイランダーズ(ニュージーランド)での優勝経験を生かしたいところだ。
この田中と時を同じくしてスーパーラグビー(レベルズ、オーストラリア)に参戦したのが堀江翔太(パナソニック)だ。堀江も代表キャップ52を数え、日本代表にはなくてはならないHO(フッカー)となった。攻守のバランスが良く、パスだけでなく自身でゲインもできるマルチな才能は彼ならでは。このパナソニックコンビの連携に期待をかけたいところだ。
前回の2015年大会で南アフリカを破った時の立役者の一人がアマナキ・レレイ・マフィ(NTTコミュニケーションズ)。格上の南アフリカのタックラーをハンドオフで蹴散らしたあの光景は、瞼の裏に焼きついて離れない。オーストラリアのフォワード陣へも、得意の突破力で切り込んで欲しい。
注目の代表初キャップは姫野和樹(トヨタ)だ。帝京大学からトヨタに入り、22歳にしていきなりキャプテンとなった逸材。187cm、108kgの体躯は世界が相手でも引けを取らない。今回はフランカーとして日本代表に貢献し、あこがれる元トヨタ(現キヤノン)のNo.8、菊谷崇に少しでも近づきたいと思っていることだろう。ヘッドコーチのジェイミー・ジョセフも「タイトファイブ(プロップ、フッカー、ロック)は、常に日本代表で一番の課題になる部分。ロックでは2枠、ルースフォワードもできる選手を選びました。それが姫野とファンデルヴァルトです」と姫野を初選出した理由を述べた。「若くて経験が不足していますが、大きな可能性を秘めている。ロック、フランカー、No.8をすべてこなせる」とそのマルチな才能に期待を寄せる。
現役大学生で唯一選ばれているのが東海大学の野口竜司だ。五郎丸と同じポジションのNo.15だが、WTBの福岡に負けず劣らずのボディバランスを持っており、空中戦でも安定したプレーを発揮できるのが特徴。相手に掴まれながらも前に突進できる推進力もあり、2年後のワールドカップに期待が持てる22歳だ。
先週の世界選抜戦で久しぶりの代表キャプテンとなったリーチ・マイケルは、「キャプテンに選ばれ、光栄かつ責任も感じる。(日本開催の)ワールドカップ2019はあと2年後。我々の目標を達成するためには、すべきことがまだまだたくさんある」と現状にはもちろん満足していない。リーチ・マイケルのキャプテンシーは、日本代表へのカンフル剤となるのは間違いない。
今大会はワラビーズのキャプテン、マイケル・フーパーをどう抑えるかがカギとなりそう。182cm、101kgと日本人と変わらない小柄な体形ながら、ボールへの執念が凄く、日本選手も大いに参考にすべき選手だ。オーストラリアのプレースタイルはいたってオーソドックスで、バックスを走らせフィールドを広く使うのは、日本とあまり変わらない。ひとり一人のちょっとした差が勝敗を分ける勝負になる。現在、世界ランキングで11位と、正直その差はかなりあるが、ワラビーズが日本相手と思って油断すれば、勝機は必ず訪れる。
「勝利にこだわりたい。トップリーグの下位チームを見ても、ディフェンスが最大の課題だと分かる。日本はトライを取れる。ただディフェンスはやっていかないといけない」と、とにかく結果を残すこととバックス強化を口にしたジェイミー・ジョセフヘッドコーチ。勝負にこだわるジェイミージャパンが、前回のワールドカップのように世界を驚かすのか。必見のブレイブ・ブロッサムズ(日本代表の愛称) vs ワラビーズは、今週末の日産スタジアムでホイッスルが鳴る。