インディーズゲームのススメ第7回 オッサン魔王がアパート経営で世界征服する「メゾン・ド・魔王」
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2012-2015 © プチデポット
モンスター達のご機嫌を伺うタワーディフェンスゲーム
インディーズゲームのススメ第7回目となる今回は、製作者が家賃滞納されたりといったマンション経営の実体験を元に制作されたゲーム「メゾン・ド・魔王」を紹介します。
「メゾン・ド・魔王」とは、プチデポット制作のアパート経営型シミュレーションゲームです。プレイヤーは冴えないオッサン魔王となって、自分の経営するアパートにモンスターを住まわせ、そのモンスターを使ってアパートを防衛するタワーディフェンス系ゲームです。本作は2012年9月25日にXBOXLIVEインディーズゲームで、2013年2月15日にPLAYISMでPC版が配信されました。その可愛いイラストと世界観、独特なゲーム性で人気を博し、現在ではニンテンドー3DSとPS4にも配布されています。
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モンスターと魔王は持ちつ持たれつの関係
本作の基本はアパートにモンスターを住ませ、そのモンスターの住環境をこちらでいい具合に整えることで、モンスターが住みやすい環境を整えることです。そうすることで住人満足度を上げられます。住人満足度を上げると能力に補正が入ったり、多少家賃を上げても文句を言われなくなったりといいことづくめです。その住人満足度の上げ方は、住人が要求する家具をお金を払ってこちらで用意してあげることです。普通住んだ後の部屋の家具って用意するもんなのか? とか、家賃の何十倍もする家具をこっちで用意していたら生計が成り立たないなどというツッコミどころはありますが、そこは深く気にしてはいけません。お金は後述するクエストで主に入手し、アパート経営で入手するお金は全て住人に還元するくらいの気持ちでいるとよいです。
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アパートに住むモンスターは全部で7種族で、その種族にはそれぞれ種族好感度というものが設定されており、その種族好感度が高いとその種族の上位モンスターが登場するようになります。種族好感度の上げ方は住民満足度を上げる事や、部屋に特定の家具を置くことなど種族ごとに違い、中には住民が死亡することで種族好感度が上がる変わり種も存在します。また、各種族にはお互いの種族を嫌っている組み合わせが存在し、その組み合わせは片方の種族好感度を上げてしまうともう片方の種族好感度が下がってしまうため、共存しにくいです。なので、なるべくどちらかを優先して使っていきましょう。このように、計画的にアパートを経営して、敵の襲来に備えるのがこの経営パートの目的になります。
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このゲームの面白いところは、住人にはそれぞれ自分の生活があり、アパートを守るのは魔王のためではなくあくまで自分の住処を守るためだということです。住人は自分の生活が第一なため、仕事に出掛けていたりなど外出していることもあり、常にアパートに常駐しているわけではありません。なので、敵が襲来しているタイミングでフルで戦力がいることは少ないため、それらを考慮して常に多めにモンスターを確保しておきましょう。限られた戦力でいかにアパートを守るかといった駆け引きが、より戦闘に緊張感を生み出します。なお、無職の住人は外に出ることこそ少ないものの、その分経済力がなく、家賃を滞納されやすかったりなど別の意味で問題を抱えています。
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各住人の部屋にカーソルを合わせるとその住人の生活を覗き見ることが出来ます。例えば接骨医なら骨を矯正していますなどのメッセージ見れたり、時折職業がランクアップして、より経済状態が良くなったりするなど、住人が見えないところで色々自分たちの生活を送っているさまが垣間見えます。なので、時間が余った時などにそれぞれの住民が生活しているさまを眺めるのも一興です。
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その他、アパートの住人は最初は1人ですが、たまに恋人を作って同居することがあります。また、その場合は愛を育んでこどもが生まれることもあり、その場合一部屋で3人まで戦力を期待できます。なので、家族持ちは出来る限り手厚くもてなしてあげましょう。
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襲来する敵をすべて倒し目指すは世界征服!!
アパートには魔王の部屋にあるお金を奪いにさまざまな敵が襲来します。ですが、魔王自身には何の力もなく、部屋に入られてしまうと無条件でお金を奪われてしまうので、住人に頼んで迎撃してもらうというのが本作の戦闘の基本です。住人は出かけている者をのぞいて、敵がいる間はこちらが指示を出さないかぎり部屋に隠れているので、敵が部屋に近づいてきたタイミングを見計らって指示を出し、攻撃を仕掛けるのが戦闘の流れとなります。モンスターはクリックすると戦闘モードと逃亡モードに切り替えることができるので、うまく体力を調整しましょう。体力がなくなった住人はそのまま消滅してしまうため、頃合いを見て逃すのが重要になります。基本的に魔王のところに攻めこまれてもお金を失うだけなので、満足度が高く、能力補正の高めのモンスターなどは生存を優先させるといいです。なお、住民が死亡すると種族好感度が上がる魔族を使っている時などはアパートの戦力が壊滅しない程度に特攻させるのもありです。管理人としては少々心が痛みますが、種族好感度を上げるためなので致し方なしです。
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モンスターや敵にはそれぞれ近距離型、遠距離型というように得意距離があります。なので、敵の進路上の前方に近距離型、その後ろに遠距離型の部屋と言った風に、位置の割り振りなどを事前に考えて部屋割りを行いましょう。ただ、どの部屋にはいるかは住人が決めるため、こちらの好きに部屋の配置を行うために、部屋の引っ越しを活用するといいです。ただ、部屋の引っ越しはいつでも簡単に行えますが、部屋の家具が移動したりはしないので、無駄を避けるために引っ越しはなるべく入居した直後に行ってしまいたいですね。
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これら敵の襲来は時間経過で来るランダムタイプと、掲示板でクエストを受けると発生するクエストタイプがあります。ランダム襲来は敵が弱い代わりに少量の金額報酬と大したメリットは少なめですが、クエストタイプは敵が強い代わりに大量の金額報酬や家具の追加、種族追加などメリットが多いので、なるべく受けていきたいです。また、赤で表示されたメインクエストをクリアすることでストーリーが先に進み、全てのメインクエストをクリアすることでエンディングを迎えるので、メインクエストは避けては通れません。また、このメインクエストをクリアし、一定のお金を支払うことでアパートの階層を増やすことが可能です。
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手頃なプレイ感と間口の広さ、高い熱中度が魅力
本作は操作性も手頃で、いつでもセーブが出来ることからいつでも短い時間にお手軽に出来る点が嬉しいです。ですが、その手軽さとは裏腹に、時間の経過を忘れてしまうほどの熱中度をもった作品です。私がこの記事を書くために1年ぶりくらいにこのゲームをプレイしたのですが、気づいたら4時間位ぶっ続けでプレイし、一気に3階建ての大型アパートにまで進化させてしまっていました。本作がこのように熱中度が高くなっている理由としましては、その計画性が求められるアパート経営にあると思います。その計画がどのように実を結ぶか確認したくなり、ついついあと少しだけ、あと少しだけとなってしまうから、時間経過を忘れてしまうのだと思います。私も朝の日差しがなければクリアまで突っ走っていた可能性があります。
そのかわいいイラストとお手軽さで間口の広い「メゾン・ド・魔王」。本作はタワーディフェンス系ゲームが好きな方はもちろん、幅広いユーザー層にオススメできるゲームです。
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