頂点を獲るのは誰か? ー DOBERMAN INFINITYが見据えるHIP HOPの将来
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DOBERMAN INFINITY 撮影=森好弘
4MC+1VOCALの5人組ヒップホップグループとして、DOBERMAN INFINITYが始動してから3年。シングル、アルバムとリリースを重ねながら、あらゆるジャンルを巻き込み独自のスタイルで届ける「ALL ROUND HIP HOP」を体現してきた。今年は生バンドを伴ったライブツアーや、3周年特別記念公演、グループ主催のフェスなどを成功させ、9月から11月にかけては3か月連続リリースが実現。AK-69とのコラボレーションシングル、ライブ映像作品のリリースを経て、最後に放たれた第3弾はグループ史上初のラブバラード「あの日のキミと今の僕に」である。今回のインタビューでは、このシングルの制作過程はもちろん、2017年にメンバーが聴いていた音楽や、昨今の日本におけるラップブームについても掘り下げていく。ヒップホップの将来に、彼らが思うこととは?
ーー「ALL ROUND HIP HOP」をテーマに掲げ、ポップなものからドープなものまでさまざまなサウンドを発信するDOBERMAN INFINITYですが、初めてのラブバラードが「男性が別れた恋人をクリスマスに思い出す」という切ない内容なのは意外でした。
KAZUKI : デビューした頃から「いつバラードをやろうか?」と話していたんですが、3周年を経てもう1枚殻を破りたかったし、3か月連続リリースのラストを飾る大きな武器としても、今やるべきなんじゃないかと。歌詞のシナリオについては、メンバー全員で話し合っていろんな案が出たんですけど、「やるなら振り切ろう!」ということで、ハッピーエンドじゃないものになりました。ただ、「切なさ」と「悲しさ」って別だと思っていて、悲しいだけで終わる曲にはしたくなかったんですが、「強がってでも前に進もう」という男心から切なさが感じられる、いいバランスの曲ができたと思います。
ーー 歌詞の元となるシナリオを全員で練る作業は難しかったですか?
P-CHO : シナリオは意外とすぐにできたんですよ。そのシナリオを歌詞に変えるときに苦労しました。
KUBO-C : この曲は、作り上げたシナリオを読みながら全員の歌詞を全員で考えたので、男5人で恋愛トークをしているような感じでしたね。
SWAY : 「俺、(失恋を)そんなに引きずらないっすね〜」とか言って。
KAZUKI : 「いや、それは心から好きじゃなかったんじゃないすか?」って(笑)。 価値観のぶつけ合いですよね。
DOBERMAN INFINITY 撮影=森好弘
ーー バラードにラップやボーカルを乗せる上で、アッパーな楽曲とは違った工夫はありましたか?
SWAY : 今回はMCとしてラップするというより、物語を運ぶストーリーテラー的な立ち位置なので、聴いてもらったときにストーリーが入りやすいように、MCそれぞれの個性をあえて消した部分があるんです。
P-CHO : DOBERMAN INFINITYは個性を出す良さももちろんあるんですけど、それをひとつにまとめ上げて整理できる良さもある。今回はストーリーテラーとして「リスナーにストーリーを伝えたい」というラップのアプローチが、1曲を通してうまく整理整頓されていると思います。
GS : いつもは自分のキャラクターで歌うんですけど、今回はシナリオの中の「僕」と「キミ」という2人のストーリーを伝える曲なので、主人公の「僕」になりきって歌いました。1番の歌詞はまだ彼女と別れる前の楽しい時間を描いているので、レコーディングのときにボーカルブースの外から「ここは笑いながら歌ってくださーい!」と指示がきたり。KAZUKIはボーカルを録るときに、歌詞を見なかったんだっけ?
KAZUKI : この曲は時間をかけて歌詞を書いたので頭の中に入っていて、今回はあまり見なかったですね。録るときは自分が歌うパートの4小節前くらいから曲が流れるんですけど、直前まで主人公の気持ちになりきってからバンって歌い出すという感じです。レコーディンング中、魂を込めすぎて2番のサビのあとのブリッジを歌いながら、目に涙が浮かんできたんですけど、そこから良いテイクが録れました。
DOBERMAN INFINITY 撮影=森好弘
ーー 初のラブバラードということで、ライブで披露する時、今までになかったような雰囲気になりそうですが、お客さんの前ではどんなふうに届けたいですか?
P-CHO : 自分たちがこの曲を歌うのは5分弱ですが、その間に普段感じられないことを感じてほしいですね。過去に大切に思っていた人を思い出したり、恋人や家族に対する愛に気づいたり。聴き終わったあとに「私には大切なひとがいっぱいいるんだな」と思ってもらえれば嬉しいです。
ーー カップリングに収録されている「Your Santa Claus」もクリスマスソングですが、「あの日のキミと今の僕に」とは打って変わって、ラフなパーティーチューンですね。
GS : 過去に「GA GA SUMMER」という夏の曲を作ってくれたSUNNY BOYくんがプロデュースしてくれました。1回目のスタジオセッションである程度トラックが出来て、普通は2回目のセッションに歌詞を用意して行くんですけど、この曲は用意して行かずにスタジオに行ってから「じゃあ書きましょうか」と言ってそれぞれに分かれて書いて。みんなでイメージを共有できていたからスピーディーに作れましたね。
ーー この曲にはニュー・ジャック・スウィングという、80年代後半〜90年代に流行したサウンドが取り入れられています。歌詞にも「ニュージャックのリズムのステップ」とありますが、みなさんにとってニュー・ジャック・スウィングの名曲といえば何ですか?
P-CHO : 僕はTroopの「Spread My Wings」を思い出しました。ビルの屋上で厚着して踊ってるプロモーションビデオの曲です。曲の頭で、ドラムのタムが高い音から低い音へ降りていくところが冬にめっちゃ合うんです。
KAZUKI : ニュージャックといえば、Bobby Brownとか……。
GS : そうやね。Guyとかも。あとはEXILE HIROさんが出てきたな。あの年代の方が大好きなサウンドなので、「Your Santa Claus」で踊ってもらえるんじゃないかなと思います。
ーー ちなみに、DOBERMAN INFINITYのみなさんは例年、クリスマスはイベントやお仕事があることも多いと思いますが、もしもクリスマスに一切予定がなかったらどんなふうに過ごしますか?
P-CHO : 俺はクリスマスの雰囲気に浸りたいですね。ひとりでも、イルミネーションとか観に行きたいです。
KAZUKI : 俺もばっちり浸りたいですね〜。
SWAY : 俺は正月のほうが楽しみなんで……、クリスマスはスルーしちゃいますね。チキンくらいは買うかな。
KUBO-C : チキンとケーキぐらいは! 俺はスルーまではいかないけど、「こなす程度」のクリスマスです(笑)。
GS : 俺は『明石家サンタ』を観るかな。誰かのクリスマスの不幸話を聞いて、あったかい気持ちになるっていう(笑)。 でもさ、クリスマスが終わった瞬間にすぐ正月の空気になるの寂しいよなぁ。
KUBO-C : わかる! めちゃくちゃ盛り上がってたのに、終わった瞬間バスンッとなくなる(笑)。 まぁ、俺は365日全部好きですけどね(変顔をしながら)。
KAZUKI : 顔は伝わらないっすよ(笑)。
DOBERMAN INFINITY 撮影=森好弘
ーー 年末のお話も出たところで……、2017年もいろんなアーティストが世界の音楽シーンを賑わせていましたが、DOBERMAN INFINITYのみなさんが今年、個人的によく聴いたというアーティストを、それぞれ教えて下さい。
P-CHO : 僕は今年、Travis Scottが絡んでいる曲はたくさん聴きました。彼は自分の良さを残したまま、関わるプロデューサーによってスタイルを変えるんですよね。Calvin Harrisの曲に参加するとトップラインがすごくキャッチーになったり、メジャーシーンへのアプローチの仕方がすごくうまくて勉強になります。最近はTravisみたいにラッパーがシンガーに近い乗せかたをしたり、逆にシンガーがラップに近い歌いかたをしたり、ラッパーとシンガーがお互いに垣根を壊してますよね。
DOBERMAN INFINITY 撮影=森好弘
SWAY : 確かに。俺はPharrell Williamsでしたね。Calvin Harrisの「Feels (feat. Pharrell Williams, Katy Perry, Big Sean)」を聴いて、Pharrellがやるだけで全部がかっこよくキャッチーになるというか、聴けばPharrellだってわかるあのサウンドと存在感がブランドだなと思いました。それがあってから N.E.R.D.の『Lemon (feat. Rihanna)』がリリースされて、「うわ、こういうのも出すんだ」っていう。
DOBERMAN INFINITY 撮影=森好弘
KAZUKI : 僕は基本的にオールド・スクールな曲を聴くんですけど、最近だったらChris Brownのニューアルバム『Heartbreak On A Full Moon』が全曲良くて、その中でも俺は「Juicy Booty (feat. Jhene Aiko, R. Kelly)」が好きでした。R. Kellyが満を持して曲の最後に歌うんですけど、彼のボーカルと最新のトラックが意外に合うんですよね。「R. Kelly、やべぇな!」と思いました。
DOBERMAN INFINITY 撮影=森好弘
GS : 僕はWyclef Jeanのアルバム『Carnival III: The Fall and Rise of a Refugee』にハマりました。自分たちは「ALL ROUND HIP HOP」というテーマでやっているんですけど、Wyclefのアルバムにもいろんなジャンルの楽曲があって。中でも「Double Dutch (feat. Eric Nimmer, D.L. Hughley)」という曲はビートがすごくカッコ良いんです。自分がヒップホップを好きになった90年代〜2000年代初頭くらいの感覚を思い出して、何度も繰り返し聴きました。ジムでもまずこれをかけてからトレーニングに入るっていう、自分にとっての気合の曲にもなってましたね。
DOBERMAN INFINITY 撮影=森好弘
KUBO-C : 俺は最近、ラジオの仕事で「コーヒーを飲みながら聴きたい曲」を探していて、いろいろ聴いていたんですけど、結局Kanye Westにたどり着いたんですよ。久しぶりに「Gold Digger (feat. Jamie Foxx)」を聴きながら、昔、チョウちゃん(P-CHO)と一緒にノっていたのを思い出して、ちょっとテンションが上がりました。
DOBERMAN INFINITY 撮影=森好弘
ーー ありがとうございます。みなさんは海外の新しいヒップホップをつねにインプットされていると思いますが、近年、日本でもテレビCMにどんどんラップが取り入れられたり、大きなヒップホップブームが来ていると感じます。
P-CHO : ニュース番組の効果音とかもヒップホップっぽくなってない?
GS : 今年の横浜DeNAベイスターズの公式応援歌をOZROSAURUSがやっていたりね。
KAZUKI : ドラマ『世にも奇妙な物語』でもフリースタイル(即興ラップ)バトルをやっていたし。
KUBO-C : ドラマで中山美穂さんがラップしちゃってたもんね! ラップが「お茶の間のもの」になりましたよね。
GS : ヒップホップというか、フリースタイルブームなんですよね。 「ラップで表現すること」自体にブームが来ているなと感じますね。昔はラップは男性がやるものだというイメージが強かったけど、今は子どもから大人まで、男女問わずって感じですよね。女の子だと、ちゃんみなちゃんとかも最近有名になってきているし、未来があるジャンルだなぁと思います。
ーー 日本のヒップホップブームがこの先、どういうふうになってほしいという思いはありますか?
GS : 昔はアンダーグラウンドな文化だったヒップホップだけど、近年はメジャーレーベルで活躍する人がどんどん出てきましたよね。でも、今のようなブームなら過去にもあったと思うんですよ。じゃあ次はヒップホップシーンだけではなく音楽シーン全体の頂点を、ヒップホップを使って獲れるのは誰か? という次元に来ている気がします。SWAYのソロデビューシングルがオリコンウィークリーランキング5位に入っていましたが、ラップ1本でオリコン上位に入れるのは、「今だからこそ」だと思います。これから、トップ3をラッパーが占めるような時代が来るんじゃないかという希望を感じています。
ーー なるほど。最後に、2018年に向けてDOBERMAN INFINITYが企んでいることはありますか?
P-CHO : 今言えることは何があるんだろう(笑)。 いろいろ準備はしていますよ。シングル出したりとかね。
SWAY : 自分たちでやるフェスも、グレードアップできたらいいですよね。
GS : ツアーをやったり、アルバムを出したり、DOBERMAN INFINITYが常に動いている年にしたいですね。メンバーそれぞれが個々で狙っている目標もあるので、それを具体化していく2018年になるんじゃないかなと思います。今年を上回る忙しさで進みたいです!
KUBO-C : まだ言ったらあかんこと言ってないかな!?
P-CHO : 一応、書いてもらった記事を公開前にチェックさせてもらえたら安心かな(笑)。
全員 : ははは(笑)。
ーー かしこまりました(笑)。 動き続けるDOBERMAN INFINITYから来年も目が離せませんね! 本日はありがとうございました。
DOBERMAN INFINITY 撮影=森好弘
インタビュー・文=Natsumi. K 撮影=森好弘
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収録内容
M1.あの日のキミと今の僕に
M2 .Your Santa Claus
DOBERMAN INFINITY Xmas Party
第1部 開場14:00/開演15:00(終演予定16:00)
第2部 開場18:30 /開演19:30(終演予定20:30)
東京 12月26日(火)Zepp Divercity
第1部 開場14:00/開演15:00(終演予定16:00)
第2部 開場18:30 /開演19:30(終演予定20:30)