50代と20代が織りなす最高のステップ! THE CONVOY SHOW『asiapan』稽古場レポート

2017.12.11
レポート
舞台

『asiapan(アジァパン)』に出演するTHE CONVOY SHOWのメンバーら

画像を全て表示(10件)

結成から30年以上走り続けているTHE CONVOY SHOW(ザ・コンボイショウ)。全員50代を超えたメンバーに、オーディションで選ばれた20代キャストが加わって、コンボイショウのさらなる可能性を追求した舞台『asiapan(アジァパン)』が2017年12月13日からTBS赤坂ACTシアターで開幕する。開幕直前の稽古場の様子を写真とともにお届けする。

『asiapan(アジァパン)』の稽古風景

『asiapan(アジァパン)』の稽古風景

全員が踊るオープニング。最初から圧巻だった。テンポはかなり早いが、20代も50代も年齢関係なく踊りまくる。いくら再演とはいえ(初演は今年の2、3月)、相当踊り込んだのだろうと想像する。オープニングで個人的に好きなのは、20代キャスト4人によるダンスを、作・演出・構成・出演の今村ねずみがそっと見守るような構図が一瞬盛り込まれていることだ。以前、今村はSPICEのインタビューで「お前のDNAを誰かに伝えたほうがいい」とスタッフに言われたことを告白していたが、その眼差しには若手への愛や期待が見て取れたような気がした。

『asiapan(アジァパン)』の稽古風景

『asiapan(アジァパン)』の稽古風景

舞台は遺跡群に囲まれた街のゲストハウス「sweet home SAKURA」。日本からやってきた男たちが偶然居合わせることから物語は始まる。コンボイショウは全員が主役で全員が脇役。きっと感情移入する役も観客によって異なるにちがいない。

『asiapan(アジァパン)』の稽古風景

公開稽古の終盤、メンバー全員によるタップを見せてもらった。キマグレンの「LIFE」に合わせたタップダンスだが、これまた格好良い。そこには20代vs50代という構図はなく、本当に一体となって、楽しそうにステップを刻んでいた。

『asiapan(アジァパン)』の稽古風景

稽古終了後、今村ねずみにインタビューすることができた。

――稽古は順調ですか?

順調といえば順調だが、逆に前回やり終えて、もっともっとっていう感じになっている。追い込みをかけているので、時間が足りない気もする。

――初演から演出は変えないのでしょうか?

極端な演出は変えていないが、役者たちと作品を深めている。一つ一つのシーンだったり、セリフであったり、もっともっと意味のあることとして捉え、こだわってやっている。

初演と再演と言っても、今年やったものなので、僕の中ではつながっている感じ。『asiapan』に関しては初演と再演という区切りはない。秋に『星屑バンプ』という作品を間に挟んでいるが、『asiapan』はつながっている。初演よりも深くなっている「初演」という感じだろうか。

『asiapan(アジァパン)』の稽古風景

――特に今村さんと同世代の人に見て欲しい作品だと感じた。

僕もそう思う。中年男の旅の話ですから。時間がそんなにないけれど違う景色をみたい、旅に行きたい、と思っている人には是非『asiapan』を見てほしい。ちょっとだけ自分もこの世界に身を置いて旅した気分になって楽しんで帰ってもらえたら。特に自分の世代の方、男性の方。絶対共通項がいっぱいあると思うし、感じてもらえることがたくさんあると思うので。

――コンボイショウとして、20代とのコラボレーションは3回目。

若いメンバーははっきり言って、成長が著しい。早い。吸収力がいい。今年の頭から一緒に過ごしているけれど、出会った頃の彼らと今、全然違いますよ。本当に本当に違いますよ。いい意味でだんだんコンボイショウになってきたし、いち役者としても力をつけてきたし、頼もしくなってきた。若いというのは、すごい特権だなと思った。自分たちの忘れたあの頃を思い出させてくれる。

彼らははっきり言って伸びました。もし初演で彼らを見た方たちは今回驚くと思う。かと言っておじさんたちが伸びていないわけじゃないですよ(笑)。じわ〜っと伸びていますから。じっくり、気づけば伸びている。自分たちもまだ伸び代があると思ってやっているわけですから。

『asiapan(アジァパン)』の稽古風景

――20代が存在感を増しているわけですね。

存在感は増しましたよ。人ってこんなに変わるんだって思わせてくれる。彼らとやって自分たちもいい刺激を受けています。コンボイショウに関しては、舞台の上に立つ時、若いのも年取っているのも関係ない。全員が主役で全員が脇役。アンサンブルというように扱わず、いち役者として、いちキャラクターとして、自分たちと同等に舞台を作っている。

彼らもそれなりのプライドを持ってやっている。たいしたもんだなと素直に思うし、やり続けているおじさんたちもたいしたもんだなと思う。それに、この年になってみんなのことを褒められるようになった俺も大したもんだなって思います(笑)。

――最後に一言お願いします!

コンボイショウをまだ一度もご覧になっていない方にこれだけは言いたい。自分たちのオリジナルスタイルを持ってして一応30年間ぐらいやっているんですけど...本当にまだ一回も見ていないあなた! 一度もコンボイショウを体感していないあなた! 本当に騙されたと思って来てください!

今回のショーに関しては50代と20代のコラボレーションになっていますけど、このメンツでやるコンボイショウをまたいつできるか分からないですし、自分の中では今回が最後の気持ちでやっています。旧メンバーもいい年になってきたので、動ける自分たちの姿を、ぜひ見てない方に目に焼き付けていただければ。劇場で皆さんとお会いできるのをスタッフメンバー一同、首を長くしてお待ちしています!


【関連記事】
今村ねずみロングインタビュー「どこかゴールに向かっている」THE CONVOY SHOW『asiapan(アジァパン)』再演への想い

公演情報
THE CONVOY SHOW vol.34「asiapan(アジァパン)」

会場:TBS 赤坂ACTシアター
日程:2017年12月13日(水)~12月17日(日)【全7回】

作・構成・演出:今村ねずみ
<出演> 
瀬下尚人 石坂 勇 舘形比呂一 黒須洋壬 トクナガクニハル /
荒田至法 後藤健流 佐久間雄生 本田礼生 /
今村ねずみ

主催:TBS / 博報堂DYメディアパートナーズ / ディスクガレージ
協賛:イースタン・リアル・エステイト / 島半
制作:コンボイハウス / S-SIZE

一般発売:10月28日(土)10:00~ 
代:全席指定9800円(税込)*未就学児入場不可
オフィシャルHP: http://www.theconvoyshow.com/


 
  • イープラス
  • THE CONVOY
  • 50代と20代が織りなす最高のステップ! THE CONVOY SHOW『asiapan』稽古場レポート