92歳の作曲家が『題名のない音楽会』に登場! 「アニメ特撮音楽の巨匠・渡辺宙明&俊幸の音楽会」
司会の石丸と歓談する、宙明(中央)と俊幸
御年92歳の作曲家・渡辺宙明と息子で作曲家の渡辺俊幸が、12月16日放送のテレ朝『題名のない音楽会』でテレビ初共演!
宙明は、テレビアニメや特撮ヒーロー音楽のパイオニア。『マジンガーZ』『人造人間キカイダー』『秘密戦隊ゴレンジャー』などの音楽で知られる。俊幸の作品は、NHK大河ドラマ『利家とまつ』、朝ドラ『おひさま』、映画『解夏』、アニメ『宇宙兄弟』など幅広く、来年1月公開のアニメ映画『劇場版マジンガーZ /INFINITY』では、45年間愛唱されてきた宙明の主題歌を編曲した。アニキの愛称でおなじみアニメソングの帝王・水木一郎が、新たに熱く歌い上げて、話題を呼んでいる。
トークも熱い、水木アニキ(中央)
俊幸は「父は世界的にみても、現役で活動している作曲家として最長老ではないでしょうか? 今年も、NHKーFMラジオ『アニソン・アカデミー』という番組の校歌を作曲しました。TVアニメ『マジンガーZ』が45年ぶりにアニメ映画『劇場版マジンガーZ/ INFINITY』となり、来年1月13日に公開されるわけですが、父の代表作であるその音楽を受け継ぐような形で私が編曲できたことも含め、今回の番組出演は親子としての記念碑的なものになり、とても幸せに思っています」。
番組では、宙明作品の魅力を、本人の証言とともに深掘りする。
「宙明サウンド」と呼ばれる独特の作風は、「ラ・ド・レ・ミ・ソ・ラ」のマイナーペンタトニックを生かした手法による。この音階は、日本音楽はもとよりアフリカの民俗音楽やアメリカのロックなどでもよく使われるが、豪快なヒーロー音楽に日本人の琴線に響く音階を取り入れたワケや用例などが明らかに。
さらに、スキャットを生かしたテーマソングにも触れる。
中高年なら、「バンバラバンバンバン・・・」で始まる『秘密戦隊ゴレンジャー』の歌を覚えている人も多いはずだ。ノリのいいスキャットを、なぜこのエンディングテーマに用いたのか。また、女性初のプロ野球選手・水原勇気が活躍するアニメ『野球狂の詩』で、「チュ」「ル」「ラ」を駆使したスキャットを生かした理由も明かされる。
必聴の歌唱シーンも満載。水木アニキが『劇場版マジンガーZ/ INFINITY』の主題歌や『鋼鉄ジーグのうた』を、アニソンの女王・堀江美都子が『野球狂の詩』をソロで歌う。かつて、ささきいさおが歌った『秘密戦隊ゴレンジャー』は、オープニングテーマの『進め!ゴレンジャー』とメドレーで、石丸幹二がメインヴォーカルを務める。
フリもピッタリ! 堀江(左)と一緒に歌う石丸
これらを指揮した俊幸は「ゴレンジャーのメドレーは、石丸さんならではの魅力あふれた歌唱で、水木さんの合いの手入りというのも豪華でした! 水木さんは実にエネルギッシュな方で、私の編曲による主題歌『マジンガーZ』の新録音も素晴らしい仕上がりとなりました。これをご縁に何か別の作品でもご一緒できるとうれしいですね」。
ゴレンジャー・メドレーで、石丸と熱唱する水木(右)
そしてシメは、俊幸の作編曲作品であるアニメ『宇宙兄弟』から、『宇宙兄弟のテーマ』と『ロケットロード』を含む『We are 宇宙兄弟』を横浜シンフォニエッタの演奏で。
収録をふり返りながら俊幸は「92歳という高齢の父と2代にわたる作曲家としてテレビで共演できたことは、実にありがたく幸せなことであったと感じています」。
ギネス認定のクラシック長寿番組に、最長老であろう作曲家が親子で登場というメモリアルな収録となった。今後の記録更新を願ってやまない。
堀江(中央)とも、和やかに語らう
文=原納暢子
※地域によって、放送日時が異なります。
http://www.tv-asahi.co.jp/daimei_2017/schedule/
♪1:『劇場版 マジンガーZ / INFINITY』より「マジンガーZ」
作曲:渡辺宙明 作詞:東文彦 編曲:渡辺俊幸
歌:水木一郎
♪2:「鋼鉄ジーグのうた」
作曲:渡辺宙明 作詞:林春生 編曲:山下康介
歌:水木一郎
♪3:「秘密戦隊ゴレンジャー」メドレー
(1)「進め!ゴレンジャー」
作曲:渡辺宙明 作詞:石ノ森章太郎 編曲:三宅一徳
(2)「秘密戦隊ゴレンジャー」
作曲:渡辺宙明 作詞:八手三郎 編曲:三宅一徳
歌:石丸幹二/堀江美都子/水木一郎
♪4:「野球狂の詩」
作曲:渡辺宙明 編曲:山下康介
歌:堀江美都子
♪5:「We are宇宙兄弟」
(1)「宇宙兄弟のテーマ」
(2)「ロケットロード」
作曲・編曲:渡辺俊幸
トランペット:西村浩二 ギター:小堀浩
ドラム:則竹裕之 キーボード:紺野紗衣、大迫杏子
パーカッション:萱谷亮一、大場章裕、野崎めぐみ