後世に残したい名作ゲーム第9回 現代に続く大人気シリーズの基礎となったレースゲーム「スーパーマリオカート」
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©1992 Nintendo
任天堂が誇る看板レーシングゲームシリーズ「マリオカート」
マリオカートシリーズとはマリオシリーズに登場するキャラクターが敵味方ともに集結し、カートに乗ってレースをする大人気レースゲームです。このシリーズではマリオが今まで冒険してきた世界や、世界観を模した多彩なコースに、ステージそれぞれにギミックが配置されており、走ることはもちろん、見ているだけでもとてもにぎやかで楽しいのが特徴です。また、コース中には触れるとランダムでアイテムが手に入るアイテムパネルやBOXが設置されており、それらを使うことで順位を一気に上げることができるなど逆転要素が豊富です。そのような要素からマリオカーオはワイワイ盛り上がれるパーティゲームの代表格として任天堂の看板タイトルとなっているシリーズです。
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今回紹介するのはそんな大人気シリーズの1作目「スーパーマリオカート」です。本作はSFC用ソフトとして1992年に発売されました。最新作の8と比べると、強力なアイテムが少なめで逆転要素が少し弱め、また機体制御が難しくステージの幅も狭いため、コースアウトしやすくやや難しめなどの違いはありますが、この1作目からシリーズの基本は確立されています。今回のコラムではこの1作目「スーパーマリオカート」を振り返りつつ、今後のマリオカートシリーズの可能性について取り上げていきたいと思います。
ドリフトでコースのライン取りをする気持ちよさ
マリオカートを語るうえで欠かせない要素としてドリフトがあります。本作におけるドリフトとは、ジャンプしてから曲がることにより後輪を滑らせて円を描くように曲がることをいいますが、このドリフトでのカーブのラインギリギリに走るのがとても気持ちいいです。ただし、1作目の本作は、後世の作品に比べてコースの範囲が狭めで、スピード感がある仕様となっていますので、他のシリーズに比べてドリフト中の制御が難しいですが、その分ドリフト成功時の気持ちよさも際立っています。いかにしてドリフトを決めるかが速く走る上でも楽しく遊ぶ上でもとても重要な要素になっています。
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その他に、アイテムの存在により逆転要素が強いのが本作の特徴です。アイテムは順位が後ろであればあるほど全員を小さくしてスピードダウンさせる「サンダー」や、自分が無敵となって速度を上げる「スター」といった強力なアイテムが出やすくなるため、よほど大差をつけられないかぎり最後までだれずにレースが出来るのが嬉しいポイントです。まあ、スターに関しては自身がスピードアップしすぎてコースアウトしてしまうといった悲しい事例が発生しがちですが、それも本作を遊ぶ上でのご愛敬でしょう。また、本作は後世の作品と違い、CPUはアイテムが固定なため、一度抜いてしまえばこちらは上記のような致命的なアイテムを使われないのも嬉しいポイントです。
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また、本作にはレース以外のモードとして「バトルモード」という、各プレイヤーにつけられた風船を割り合うモードがあります。これは通常のレースと違い、360度好きなところに走れるため、自由度が高くて楽しいです。ただ、最終的に相手を攻撃するアイテムを入手できないと厳しいのが残念ではありますが、レースにつかれた時などに友人と気楽に戦いたい時なんかにおすすめです。
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自分の影との戦い
本作のタイムアタックモードは、タイムを縮めるという行為を効率化しかつ楽しめるようにするとても画期的な試みがなされています。それは、かつて自分が走った軌跡と一緒に走ることができるゴーストという仕組みです。そのゴーストよりも早くゴールできれば自然と過去の自分のタイムを抜いたことになります。自分というライバルを目に見える形で見せてくれることで目標が明確になり、記録を更新しやすくなるのと同時にタイムを短縮することに疑似対戦としての楽しさを見出せるようになったのが大きなポイントです。
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ゴーストは自分のタイム短縮だけでなく、間接的に人と競争することも可能です。例えば、自分のゴーストを友人に挑ませたり、またはその逆の場面もあります。実際に私が子供の頃にはこれを使って兄弟間での戦いが行われていました。まあ、残念ながら兄の方が上手でしたので、私はめったに記録を塗り替えられることはなかったのですが。注意しておきたいことは、この1作目ではゴーストの保存ができず、電源を切ると消えてしまうことです。なお、この問題は次回作の64で解決されました。
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このように、記録を視認化することによって、タイムアタックという自分一人の孤独な闘いを人との競争に昇華させたのが、本作の画期的なポイントです。
ネットにより広がるマリオカートの大きな可能性
こうして競争ゲームとして人気を博したマリオカートシリーズは、現代のゲーム業界のネット技術の発展によって遊び方の自由さを獲得した。最新作であるwiiU「マリオカート8」では、いつでもネットを介して対戦相手とマッチングでき、またはタイムアタックのリプレイ、ゴーストをダウンロードすることで、全国のライバルたちの記録に挑戦することが出来るようになった。これが非常に便利で、社会人となってなかなか友人同士で集まれなくなってしまっている自分としてはいつでも対戦相手を見つけられるのは嬉しく、自分もよく利用している。
こうして競争げーむとして人気を博したマリオカートシリーズは、現代のネット技術の発展によってさらなる便利な遊び方のスタイルを獲得しました。wiiの「マリオカート7」やWiiU「マリオカート8」などでは、いつでもネットを介して対戦相手とマッチングでき、タイムアタックでは他のユーザーがアップしたリプレイやゴーストをダウンロード
できるようになっています。このおかげで、全国のまだ見ぬライバルと手軽に戦えるようになりました。これが非常に便利で、社会人になって気軽に友人たちと遊べなくなった大人たちでも本シリーズの魅力を存分に楽しむことができるうれしい仕様です。
その他の可能性として、自作コースの配布があげられます。現在wiiUにて横スクロールアクションのマリオのコースを作ったり、他のユーザーが作ったコースが遊べる「スーパーマリオメーカー」というものが2015年9月に販売され、人気を博していますが、これと同じ要領で、自作のコースを配布できるマリオカート版「マリオメーカー」なんてものがあっても面白いのではないかと思います。
こんな感じで、元々楽しく対戦することに特化したレースゲームであった「スーパーマリオカート」は、ネット環境を得ることによって大きな可能性を得ました。今後も恐らく任天堂の看板タイトルとして君臨し続けるであろう「マリオカート」が今後どのように進化し続けるのか楽しみでなりません。
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