DRUM TAOが導くタイムトラベル~2017年新作舞台『ドラムロック 疾風』の疾走感あふれるパフォーマンスに熱狂
2017.12.25
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DRUM TAO
世界24ヵ国500都市、観客動員総数700万人の実績を今なお更新し続けるDRUM TAOが、新作舞台で現在全国ツアーを実施している。現在「A組」「K組」「G組」の3班体制で年間400公演を行なうTAOだが、フルメンバーで回るツアー3日目、12月7日の熊本公演(熊本県立劇場)には、老若幅広い層の人々が詰めかけ、フロアは開演前から熱気に満ち溢れていた。
幕が上がるや、考える隙もないめまぐるしい展開の速さで、気づけば古代から未来までを縦横無尽に旅していた、そんな気分にさせられる。今注目を集めている映像クリエイティブ集団「ZERO-TEN」による調和のとれたプロジェクションマッピングを背景に、床や座面まで揺るがす音圧に抱き上げられ、躍動する美しい肉体美の水先案内人に連れられて、幸福なタイムトラベルは続く。
DRUM TAO
一糸乱れぬ演技に緊張感が張りつめたかと思えば、百花乱れ飛ぶ華やかなパフォーマンスに思わず溜息が漏れる。やがてオーディエンスは自然に手足を鳴らして演奏に参加してゆく。時には悲鳴に近い歓声が上がる。大興奮のひととき。感動の余韻は数日残った。
ドラムロック。それはTAOが独自の精神性をもって、伝統音楽や大和魂の中にもとより存在していたロック&ロールを引き出した、旧来であり新境地でもある世界観の発露ではないだろうか。和太鼓で聴かせる激しいドラミング、ロックベースのスラップ奏法よろしく、激しく叩き鳴らす三味線。数々の和楽器を駆使し、ロックワールドを展開するものの、それは決して“ロック音楽風の和楽器演奏”に留まらない、邦楽の新時代を切り拓く気概を感じさせる圧巻のパフォーマンスであった。
DRUM TAO
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