BUCK-TICK、全国ツアー『THE DAY IN QUESTION 2017』日本武道館ファイナル公演ライブレポートが到着
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BUCK-TICK(撮影:田中聖太郎写真事務所)
BUCK-TICKが、全国ツアー『THE DAY IN QUESTION 2017』のファイナル・日本武道館公演を開催した。
ツアーファイナルとなる日本武道館公演の
早速、到着したばかりの公式ライブレポートをお届けする。
『THE DAY IN QUESTION 2017』
2017年12月29日 @日本武道館
BUCK-TICKが、12月29日に東京・日本武道館で全国ツアー“THE DAY IN QUESTION 2017”のファイナル公演を行なった。
〈もう30数年前からパレードは始まっていました。みんな大人になりましたけど、ここ(心臓を指して)は子供のまんまです。みんなおいで。今井さんもいるし、ヒデもいる。ユータだっているよ。アニイは今日も座っている。さあ、おいで〉。
本編の中盤、「LOVE PARADE」の前に櫻井敦司(vo)はそう語りかけた。30年間、唯一無二であり、孤高の存在であったBUCK-TICKの入口は、もしかしたら狭く見えていたかもしれないけれど、今の彼らは〈さあ、おいで〉と手を大きく広げる。30年前からのファンも、昨日ファンになったばかりの人も、すべてを受け入れる愛に満ちた深い包容力で、武道館に集まった1万人のファンを温かく包み込んでいた。
BUCK-TICK(撮影:田中聖太郎写真事務所)
今年9月にデビュー30周年を記念したスペシャルライヴ「“THE PARADE”〜30th anniversary〜」を開催した彼らは、30年の軌跡を網羅したその2日間のメニューを、より凝縮した形でツアーをスタートさせた。
毎回趣向を凝らしたオープニングも話題になる“THE DAY IN QUESTION”だが、今回はステージセンターに設置された巨大な白いセットに、過去のミュージックビデオを編集した映像が映し出された。やがて、そのセットが縦に8つに分かれ、隙間からスタンバイしているメンバーの姿が見えるというレアなシチュエーションに会場は大興奮。歓声がより大きくなったと思うと、今井寿(G)がフライングで下手花道に飛び出していた。一曲目を華々しく飾るダンスナンバー「独壇場 Beauty –R.I.P.-」でステージの全貌が露わになると、メンバーが花道へと繰り出し、会場のテンションを一気に引き上げる。続いて、定番のインダストリアルナンバー「ICONOCLASM」で、早くも一体感を生んだ。
BUCK-TICK(撮影:田中聖太郎写真事務所)
BUCK-TICK(撮影:田中聖太郎写真事務所)
30年を網羅した新旧織り交ぜたナンバーで構成されたステージは、随所にわたってトピックが満載。歌詞の世界を全身を使って表現する櫻井のパフォーマンスは絶品で、観客は「ANGELIC CONVERSATION」では天使たちが会話する様子を、「THE SEASIDE STORY」では情熱的な人魚姫の恋の行方を見守ることになる。「ORIENTAL LOVE STORY」「スピード」「LOVE PARADE」では、9月に開催した野外ライヴのステージを彷彿させた。
中盤は、ベスト盤リリース時に行われたファン投票で1位を獲得したレア曲「ノクターン –Rain Song–」と「サファイア」の2曲を披露。印象的だったのは、高い位置に設置されていたスクリーンに映し出される映像の美しさ。青や紫の照明がそぼ降る雨を表現していた「ノクターン –Rain Song–」がセピア色に加工されていたり、「サファイア」では映像を重ねていたりと、ステージ上で展開される世界観とはまた違うストーリーを、画面の中で生み出していた。そして、本編一番のハイライトは、ツアー中の11月にリリースされた新曲「BABEL」だ。ヤガミ・トール(D)、樋口豊(B)の地を打つような重厚なリズムと、今井、星野英彦(G)のツインギターが奏でる荘厳なメロディ、天を仰ぎながら低音を響かせる櫻井のヴォーカル。曲が進むにつれ、内から沸々と感情が沸き上がり、歌い終わりのクライマックスで爆発する。その衝撃は、バベルさながら雷に打たれたようだ。新曲ながらその存在感は圧倒的だった。終盤は、欲望をさらけ出した「BOY septem peccata mortalia」、アコースティックナンバーの「Coyote」など、多彩なナンバーを畳み掛け、本編ラストは〈ここにいる子供たちへ〉と「COSMOS」を熱唱。エンディングの大合唱に〈今夜も素敵な歌をどうもありがとう〉と笑顔を見せ、ステージを後にした。
BUCK-TICK(撮影:田中聖太郎写真事務所)
アンコールの大歓声に応え、再びステージに登場したメンバー。疾走感あふれる「MACHINE –Remodel-」の後、「聞こえますか? パパ、ママ」と囁く櫻井の声が、一気にBUCK-TICKの深遠の世界へと引き込んだ。「無題」では、床に這いつくばり、内なる声を絞り出す櫻井と、ギターを弾きながらその周りを回る今井の対照的なパフォーマンスが悲痛さをより増幅させていたし、時折天を仰ぎながら歌った「愛の葬列」では、ステージに立ちこめるスモークのように、今にも消えてなくなりそうな儚さを感じた。そして二度目のアンコールでは30年前にリリースした1stアルバムの中から思い入れ深い「ILLUSION」「MY EYES & YOUR EYES」などを披露。その後のメンバー紹介では、一人一人に向けられた大歓声に〈幸せですね。ありがとう〉と照れた表情を見せる場面も。そして明日の“キミの世界”が光り輝くようにと、「NEW WORLD –beginning–」を力強く歌い、ステージを締め括った。そこに広がる充実感と多幸感は間違いなくすべてを包み込んでいて、普段あまり言葉を発しない今井が〈最高でした。ありがとう。バイバイ!〉と感情を少し表に出したほど。その思いがけない言葉に、会場は再び感動に包まれた。
BUCK-TICK(撮影:田中聖太郎写真事務所)
BUCK-TICK(撮影:田中聖太郎写真事務所)
BUCK-TICK(撮影:田中聖太郎写真事務所)
終演後、スクリーンにツアーのライヴ映像が流れた後、2018年2月21日(水)ニューシングル「Moon さよならを教えて」、3月14日(水)ニューアルバム『No.0』のリリースと、3月31日(土)神奈川・よこすか芸術劇場を皮切りに約4カ月にわたる全国ツアー、そして12月29日(土)日本武道館公演の開催が発表された。いよいよ新章に向かって加速するBUCK-TICKに今後も目が離せない。
最後に映し出されたメンバーからのメッセージで2017年を締め括ろう。〈桜の咲く頃 またお会いしましょう おやすみなさい 良いお年を ワン!〉
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