デ杯WG初進出時の思いを福井烈が語る イタリアを迎えての1回戦が2月盛岡で開催
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2月2日から盛岡タカヤアリーナで開催される『デビスカップ by BNPパリバ 2018・ワールドグループ』の1回戦(日本対イタリア)
『デビスカップ by BNPパリバ 2018』のワールドグループ(以下WG)で2月2日より、日本は初戦をイタリアと戦う。会場は盛岡タカヤアリーナ。
デビスカップは世界の男子トップテニスプレーヤーたちが国のために戦う大会。個人競技と思われがちなテニスだが、デビスカップは世界のトップ選手たちが自国の威信のために戦うことでも有名だ。
一昨年のWG1回戦のイギリス対日本戦では、アンディ・マレーと錦織圭というエース対決がフルセットに持ち込まれて、約5時間にも及ぶ大接戦となった。最終的には3-2でマレーが勝利し、イギリスが2回戦進出となったが、この一戦を見ても大会の熱がどれほどのものか分かろうというもの。昨年はその錦織圭を故障のため欠き、WG初戦でフランスに1-4で敗戦。日本チームは今年こそと、念願の優勝へと気持ちを新たにしている。
この世界トップ16か国が争う現行のWG制が始まったのは、今から37年前の1981年。今回でWG参戦8度目となる日本だが、初めて挑んだ81年に主力選手として出場した福井烈氏(現日本テニス協会専務理事)に、当時の思い出を聞いてみた。
――1981年にWG制に変わる前は、日本は東洋ゾーンで戦っていた
それまでは打倒インド・オーストラリアという目標で東洋ゾーンを戦っていて、そこを抜けてインターゾーン(当時)に進むことしか考えていなかった。それがシステムが変わり、日本は前年の東洋ゾーン・ベスト4だったため、ワールドグループに入れてもらえることになった。「デ杯がどんなシステムになるのだろう」という思いと、「世界の強豪と戦うチャンスがくる」というワクワク感があった。
――抽選の結果、1回戦の相手はスウェーデンになった
ビョルン・ボルグ(※下記注)がいるスウェーデン。日本開催になったので「これはすごいことになった」と思った。結局ボルグは来なかったが、それは試合直前になって分かったこと。すごい強敵なので大変だというのが半分で、「ボルグとデ杯で戦える」「世界ってどんなものなのだろう」という気持ちも半分あった。
――シングルスは福井、神和住純、ダブルスは神和住、平井健一のペアで臨んだ
ボルグは来なかったので、決して日本にチャンスが無かったということではないと思うが、スウェーデン(の各選手の)プレーは安定していた。「2番手、3番手の選手が来ても強い」、「世界はすごい」というのを感じた。会場(横浜文化体育館)にはたくさんの人に応援に来てもらったと思う。第1セットが惜しかった(第1試合でヨハンソンと対戦して、同セットを5-5から失ってストレート負け)。もし取っていれば、勝ったかどうかは分からないが、流れは変わっていたかなと。ここで勝ちきれないのが、まだまだだなと思った(結局、日本は3連敗して準々決勝進出を逃した。最終結果は0-5でスウェーデンから1勝もできなかった)。
――デ杯は普段の大会と違う雰囲気がある
テニスは通常、個人戦だがデ杯は団体戦なのでホームの応援の盛り上がりがすごい。デ杯ではホーム・チームの勝率が圧倒的にいいが、それは応援に後押しされているのが大きい。2月の日本対イタリア戦も、世界ランクを見るとイタリアは強い選手がたくさんいるが、皆さんの応援が日本チームの追い風になる。皆さんにチーム戦の一体感を味わってほしい
福井専務理事は今回、ホームタウンの日本開催は大きな追い風と話している。オリンピックやサッカーワールドカップと同様、地元の多くの声援は選手に大きな力を授けるのは間違いない。最終日の2月4日は奇しくも立春。現在、イタリアが9位で日本は16位とデ杯のランキングでは不利の状況だが、日本チームに春を呼ぶのは観客の大声援。多くの声援を背に受ければ、イタリア撃破も夢ではないはずだ。
※ビョルン・ボルグ(スウェーデン)
両手打ちバックハンドの元祖とも言われ、トップスピンのストロークを武器に、ジミー・コナーズ(米国)、ジョン・マッケンロー(米国)らと競って、全仏で6回、ウィンブルドンで5回の優勝を果たした。四大大会の出場は81年全米の準優勝が最後となり、26歳となる82年に引退した。1956年生まれ、61歳。
※デ杯のレギュレーションにより、出場選手は対戦初日の10日前(1月23日予定)に発表。
※上記インタビュー記事は、日本テニス協会公式メールマガジン「テニスファン」より転載。
【日本選手の世界ランキング(1月8日)】
■男子シングルス
24位(▼2) 錦織圭(日清食品)
41位(▼1) 杉田祐一(三菱電機)
98位(△1) ダニエル太郎(エイブル)
152位(▼2) 添田豪(GODAI)
156位(▼3) 伊藤竜馬(北日本物産)
169位(▼3) 西岡良仁(ミキハウス)
235位(▼14) 内山靖崇(北日本物産)
281位(△1) 高橋悠介(三菱電機)
■男子ダブルス
74位(▼1) マクラクラン・ベン
124位(---) 内山靖崇(北日本物産)
149位(▼7) 松井俊英(ASIA PARTNERSHIP FUND)