『Songful days』開催記念特別連載 「アナタの泣けるアニソンセレクション」Vol.5 タカハシヒョウリ

2018.2.8
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SPICEが3月3日に両国国技館で開催する『Songful days』を記念して、短期集中連載がスタート。各界の人々にそれぞれ”アナタの泣けるアニソン”を聞いていく本コラムインタビューの第五弾は、ロックバンド『オワリカラ』のタカハシヒョウリ。SPICEでの連載企画『オワリカラ・タカハシヒョウリのサブカル風来坊!!』も好評のタカハシの”泣けるアニソン”は?

――あなたと「アニメ」の関わり方について教えてください。いつごろからアニメが好きになったとか、どの作品が印象に残っている、など。

子供の頃に最初に夢中になったアニメは『魔法陣グルグル』と『機動武闘伝Gガンダム』だと思う。作品に出てくるキャラクターたちが本当に生きているように愛おしく感じたのを覚えています。ククリ好きだったなぁ。そのあと『新世紀エヴァンゲリオン』がはじまり、当時小学校高学年だった僕はあまりの衝撃にうちのめされました。「エヴァに影響を与えた」といわれる作品は片っ端から見まくり、そこから過去のアニメに好きな作品が増えて、あっというまにアニメにハマりました。それ以降、あれほどのアニメ体験はまだありません。

――あなたにとっての「泣けるアニソン」を2~3曲教えて下さい。
(アニメ主題歌に限らず、キャラソング・アニソンアーティストのノンタイアップ曲でも構いません)

・「Wind Climbing ~風にあそばれて~」  奥井亜紀​
(魔法陣グルグル EDテーマ )

まず選んでみて、奥井亜紀さんの曲が2曲に偏ってしまったのが自分でも驚きだけど、どう考えてもこの2曲はどちらも入れたい。奥井亜紀さんは、数こそ多くはないもののアニソン界における超大切な方だと思ってます。

「Wind Climbing ~風にあそばれて~」は『魔法陣グルグル』の1クール目のエンディングです。第1期グルグルは、OPもEDもすべてがめちゃ素晴らしいけれど、その中でも「風にあそばれて」はとびきりの名曲。大人になって聴いてあらためて感動が。いや、時がたつほどに感動が色濃くなっていく。子供向けアニメにしてはビターで現実的な歌詞の曲が、ニケとククリの冒険の様子と合わさると、アニメと現実を繋がるような不思議な感覚にしてくれる。実はアニメでかかるのは2番で、「誕生日をむかえるたび、何を祝うのかがずっとナゾだった」から始まる1番がかからない。この部分が大人になるにつれてどんどん意味を持っていく気がします。昨年の新アニメ版グルグルの最終回で、ご本人によるセルフカバーが流れたのも記憶に新しい。


・「月の繭」奥井亜紀
(∀ガンダム 後期エンディングテーマ曲)

もう一曲、『∀ガンダム』後期のエンディング「月の繭」。ガンダムシリーズの産みの親でもある富野由悠季監督が「井荻麟」名義で作詞を務め、菅野ようこさんが作曲を担当、奥井亜紀さんが歌う、という黄金の布陣で作られました。(そもそも第一話でも流れる菅野ようこさんの作ったメロディに富野御大が歌詞を付けたものと思われる。) 非常に抽象的でありながら、アニメの世界観を強く広げるこの曲は、「物語」と「音楽」のもっとも幸運な出会いの一つだと思います。この曲で歌われるのは、終わる命、始まる命、それが繰り返す生命の輝き。それは『∀ガンダム』作中の”ある人物”の歌のようでもありながら、それだけでなく、富野氏によるアニメシリーズすべてを内包するようなイメージに満ち満ちている。月の丸い夜は、これを聴きましょう。​

(同じく 、富野監督が自身の作品のために作詞した『聖戦士ダンバイン』ED「みえるだろうバイストンウェル」も、作品の世界を直接的でなく歌で広げている稀有な例として記憶されます。)​

・「誰がために」成田賢 with こおろぎ'73
(サイボーグ009(TVシリーズ第二作) オープニングテーマ曲)

※動画は2012年verのものです

最後の曲は「誰がために」。何度もアニメ化されている『サイボーグ009』の2度目のアニメ化の際にオープニングとして流れました。原作者である石ノ森章太郎先生自身の作詞です。誰からも認められず、それでも影で戦い続ける悲哀に満ちたサイボーグ戦士たちを「だが我々は愛のため 戦い忘れた人のため 涙でわたる血の大河 夢見て走る死の荒野」と、たったの一語の無駄も無い、原作者ならではのサイボーグ戦士たちへの愛に溢れた詩で表現しています。僕の中のヒーロー像は『サイボーグ009』に集約されていて、この歌を聴くと無条件で泣けます。

――最後にさまざまな音楽がある中で「アニソン」というジャンルについてコメントを頂ければ。

ちょっと誤解のある言い方かもしれないけど、あえて僕は「アニソン」は「アニメ作品の付属品であってほしい」と思っています。キャラクターや物語と結びつき、作品のイメージを広げることができるアニソンが、僕にとって「愛すべきアニソン」なんです。歌を聴いてアニメを思い出し、アニメを見て歌を思いだす。そうやって記憶の中に生き続けることができる。そんな幸福な関係の作品がこれからもたくさん作られることを願ってます。​

タカハシヒョウリ​

一度聴いたらクセになる、変則サウンドとメロディ、ポップとアヴァンが融合したロックバンド「オワリカラ」のボーカルギター。

2016年、徳間ジャパンよりメジャーデビュー。音楽に限らず、漫画、特撮、映画、アナログゲーム、とその趣味は必要以上に深く広く、自身のブログに書き殴り続けていた各種の記事が各方面に話題を呼び、執筆やトークイベントへの出演も増加中。

 

 

イベント情報
SPICE (powered by e+) presents Songful days —次元ヲ紡グ歌ノ記憶—​
 

 


【日程】2018年3月3日(土)
【時間】OPEN16:00 / START17:00
【会場】両国国技館
【出演】Kalafina / 茅原実里 / May’n (五十音順)
 
▶イベントURL:http://eplus.jp/songfuldays/

【料金】
アリーナ指定席:12,960円(お土産付き)ーSOLD OUTー
枡指定席:8,640円
スタンド指定席(A):8,100円
スタンド指定席(B):7,020円
※料金は税込価格です。
※枡席は2名掛けを予定しており、ゆったりご覧いただけます。

【主催・企画】SPICE/e+(イープラス)
【制作】SPICE/ユニオンマスターエンターテインメント
【協力】キョードー東京 
スケジュール】
▽海外旅行者向けインバウンド受付中:http://eplus.jp/ib-songfuldays/
▽一般発売:受付中