ピース又吉直樹の小説『火花』が観月ありさ主演で舞台化 出演者にはNON STYLE石田明も
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又吉直樹の初純文学作品『火花』が2016年のドラマ化、2017年の映画化に続き舞台化する。原作である小説『火花』は、単行本・文庫本の売上げが累計部数300万部超え、「第153回芥川賞」を芸人として初めて受賞するという快挙を達成し、社会現象をも巻き起こした話題作である。
注目の舞台版キャストには、『ナースのお仕事』『斉藤さん』などの人気ドラマシリーズ、舞台『GS 近松商店』、歌手、CM、モデルなどマルチに活躍する観月ありさ、『弱虫ペダル』や『おそ松さん on STAGE』などの話題作に年間 10本以上出演する若手俳優・植田圭輔、本格的な舞台にも多数出演し、演技に定評のあるNON STYLEの石田明。そして、近年はドラマ、映画出演、ニュースキャスターなど様々なフィールドで多彩に活動し、『火花』の原作者である又吉直樹が作家本人として出演することが決定している。
演劇への出演は極めて少ない又吉が、「冒頭を読んで出演を決めた」という脚本を執筆・舞台を演出するのは共同テレビプロデューサーであり演出家の小松純也。劇作家としての出自を持ちながら、『ダウンタウンのごっつええ感じ』『笑う犬の生活』『HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタルシリーズ』など数多くの人気バラエティ番組制作に携わっている。
日本のお笑いシーンを牽引してきた立役者である小松によって『火花』がどのように進化をとげるのか。舞台というライブエンターテインメントならではの世界で魅せる、全く新しい『火花』に期待しよう。
ステージに立ち、語り始めた「火花」の原作者又吉。そこに女優観月ありさが現れ又吉を抱き締める。又吉を愛しているという観月はその愛と引き換えに「火花」を私に下さいと言う。「作者」観月によって語られる火花の物語は小説の世界をなぞりつつ、歪めつつ、又吉の原作世界の核心をあぶり出してゆく。スパークス徳永は祭りの営業で出会った神谷に心酔し、弟子入りを志願する。行動を共にする中で、神谷が転がり込んでいる家で一人の女性・真樹に出会う。真樹は女優が演じている。自分こそが真樹であり、これは自分が見届けた一部始終なのだと女優はいう。交流を深めるにつれ、徳永の神谷に対する憧れや嫉妬が渦巻いていく。好調だったスパークスも解散。やがて破綻を迎える。同時に破綻する観月の物語世界。観月は又吉に問う「なぜこの小説を書いたのか?」物語にはまだ続きがあった。小説の世界と「作者」の世界は交錯し、同時にクライマックスを迎える。
出演者コメント
――今回舞台「火花」にご出演されますが、小説『火花』を読んでのご感想は?
観月:又吉さんの実話なのかな?と思いました。あまり売れていない時代の話などはした事がなかったので、いろいろな思いをしながら頑張ってこられたんだなと。芸人を辞めてしまった方や頑張って続けている方、いろんな方の思いが又吉さんに火花を書かせたのかなぁと感慨深く読ませて頂きました。
――「火花」作品にご出演することへのご感想は?
植田:最初に聞いたときは「嘘でしょ?」と思いました(笑)。小説から始まりドラマ、映画とそれぞれたくさんの方々が愛情を込めて作りあげてきたこの物語を、今度は自分が舞台で表現できるなんて本当に幸せで、そして責任重大だと感じてます。
石田:同期の又吉に迷惑かけないようがんばります。
――観月さんは親交のある又吉さんとのご共演ですが、普段の又吉さんはどんな人でしょうか?また、舞台では初共演となりますが、役者又吉さんのどのような点に期待されますか?
観月:普段もテレビで見ている様子と変わる事無く、落ち着いた様子で飄々とした方です。でも、やはり作家さんならではの独特な物の見方や主観は面白いなぁと思いながら話させて貰ってます。義理人情に厚く優しい又吉さん自身の良さが役者さんとしても活かされると思います。
――植田さんは芸人の役を演じられます。役者の植田さんから見るお笑い芸人という職業はどのように映りますか?
植田:どんな職業でもそうですが、芸人さんは特に「プロの厳しさ」を感じます。力が無い人は残れない、必要とされない世界。その中で戦っている人は「尊敬」でしかありません。
――先輩の神谷役を演じる NON STYLE石田明さんとは既にお会いしましたか? ご期待される点などあれば教えてください。
植田:スタジオで写真撮影の際に初対面でご挨拶させて頂きました。僕がずっと好きだった「NON STYLE の石田さん」であり、僕が演じる徳永が心から憧れる「神谷さん」なんだな、と素直に感じました。石田さんの「神谷」がどんな感じなんだろう、と楽しみで仕方ありません。
――石田さんから見る「神谷」の印象は?芸人である石田さんが芸人役を演じるという面で共感できる点などあれば。
石田:僕とは違う芸人像やからこそ稽古を通じて共通点を見つけたいです。又吉が描きたかった奥深いところに手が届くようがんばります。
――後輩のスパークス徳永役を演じる植田圭輔さんとは既にお会いしましたか? ご期待される点などあれば教えてください。
石田:ビジュアル撮影の時、入れ替わりで一瞬だけ会いました。期待することは目の保養です。(普段、隣があいつなので)
――又吉さんは作家・又吉直樹ご本人として出演されますが、ご感想は?
又吉:なるほどな、というか。自分が呼ばれた理由がわかりましたね。凄く面白い仕掛けだなと思いました。これを実現するならば、やっぱり僕が居たほうがいい。ややこしくなるやないですか、又吉役でまた別の役者さんが演じてると(笑)。自分が小説で書いたものを、別の形にしてくれる機会もなかなかないですし、その中で全然違うアプローチの仕方がまだ残っていて。そのアプローチを僕自身が観たい気持ちもあります。そのためには、自分が参加しないと、というところですね。
――観月さんは、女優・観月ありさ本人役としてご自身を演じられますが、普段の演技と比べてやり辛さや違いはありますか?
観月:女優さんの役は前からやりたいと思っていたので嬉しいです。でも、観月ありさ本人のようであって本人では無い。女優さんの役という不思議なシチュエーションなので、面白く演じられるように頑張りたいと思います。
――小説『火花』とは違う"舞台『火花』"の魅力は?
又吉:映画やドラマ、マンガなど、いろいろな形にしていただきましたけど、今回の舞台がもしかしたら一番斬新で、『火花』に新しい光を当ててくれるんじゃないか。これから一緒に作っていくんですけど、より『火花』の内面に踏み込めるかも知れないですね。だから原作を読んだ方も、より楽しんでいただけるのではないか と思います。
――最後に意気込みを一言お願い致します。
観月:ドラマや映画版とは違った舞台ならではの面白さも伝えられるように頑張りたいと思います。
植田:“スパークスの徳永”として、「火花」の世界の中を必死に生きたいと思います。日頃から尊敬している「芸人さん」を演じること、これは本当に簡単なことではないと覚悟もしてます。実際にお客さまが観ている目の前で漫才をするわけですし。でも自分にしかできない「徳永」を妥協せず、もがきながら精一杯ぶち当たって行きたいと思います。
又吉:観月さんが出てくださるということももちろんですが、僕自身が作者役として出ることで、すでに場の空間が歪んでいると思うんですよ。原作にあるものをみんなが完全に演じるというワケじゃなく、プラスして書いた側の感覚が混ざってくる。でも僕も芸人なので、登場人物とも重なったりする。あと、石田(明)くんは、漫才でチャンピオンになったことのある男なんです。『火花』の中にはチャンピオンが出てこないので、途中の人間を石田くんが演じることも個人的には面白いなと思っていますね。石田くんにもチャンピオンになる前の人生があるので、そういうことを考えていくといろいろな楽しみ方ができるんじゃないかな。いろいろな見方ができる作品になると思います。
◆ 原作 又吉直樹
会場:紀伊國屋ホール
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