伊東四朗と三宅裕司が8年ぶりのタッグ「魔がさした記念コントライブ『死ぬか生きるか!』」開幕直前レポート
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伊東四朗、三宅裕司
8年ぶりにタッグを組む伊東四朗と三宅裕司のコントライブ、『伊東四朗 魔がさした記念コントライブ「死ぬか生きるか」』が、2月1日より18日まで上演される。開幕前日には会場となる新宿・紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYAにて、ゲネプロ(通し稽古)の模様が公開された。さらに稽古前の取材では、伊東と三宅が公演に向けた意気込みを語った。
今回のコントライブは、三宅からの「伊東さんの80歳の記念に、コントライブか一座公演(「伊東四朗一座」の芝居)を」という声かけにより実現した。誘いを受けた伊東は、80歳でコントは大変だろうと判断したにもかかわらず、いざ三宅へ返事をする際には「コントにしよう」と答えてしまったと笑い、「まさに“魔が差した”んですね」と公演タイトルにちなんだコメントをした。
伊東四朗80歳、三宅裕司66歳
伊東は現在、80歳。脳のトレーニングにと円周率を1000桁覚えてしまう記憶力の持ち主だが、以前に比べれば「台詞が入らなくなった」「あと10日くらい稽古期間がほしい」と伊東は明かすが、三宅は「伊東さんなら大丈夫です!」と自信を見せる。三宅の言葉どおり、会見の場も二人の軽妙な掛け合いは健在だった。
報道陣からの「なにかポーズを」というリクエストに応える伊東四朗と三宅裕司。
今回の公演には、伊東の次男で俳優の伊東孝明も出演する。伊東孝明の役どころを「伊東さんの一生を振り返る役」と三宅が解説すれば、伊東は「一生と言われても、まだ生きているからなあ」とコメント。伊東がこのコントライブを「自分のメモリアルにしたい」と語れば、三宅が「メモリアルという言葉(のチョイス)が若い!」と続くも、伊東は「メモリアルってお墓関係みたいだ」と切り返す。さらに二人は、伊東が60歳の時にも「体が動くうちに」と還暦記念ライブを開催したことを振り返り、「結局80歳でもコントやれるなら還暦記念はいらなかったかもね」「やらなくてもよかったじゃんね」と口をそろえ、一同を爆笑させた。
喜劇人・伊東四朗は、80歳という年齢さえ笑いの武器にしてみせる。
『死ぬか生きるか!』公開稽古
続くゲネプロでは「伊東四朗・80年の人生」というコーナー、法廷を舞台にしたコント「法廷の攻防」、山の奥地を舞台にしたコント「今夜の獲物」が、本番同様の流れで公開された。
※以下、一部に演出のネタバレを含みますのでご注意ください。
「伊東四朗・80年の人生」は、伊東孝明が進行役を務めるスライドショーのようなコーナー。ここで公開される伊東のプライベートショットは、デビュー前にもかかわらず笑いどころ満載。学生時代から喜劇役者の片鱗を感じさせる。
「法廷の攻防」では、伊東が裁判官、三宅が検察官役を演じる。三宅が率いる劇団SETのメンバーも加わった法廷コントだ。台本通りともアドリブともつかない、マイペースな裁判官・伊東に翻弄される。スマートなツッコミだけにとどまらない三宅と、何の嫌味もなくゆるくじわじわとボケ倒す伊東の魅力を満喫できる一幕だ。
幕間に再び伊東孝明が登場した後、「今夜の獲物」が始まる。このコントは、伊東と三宅2人だけが出演する。舞台は山の中。服に血が滲む三宅が苦しそうにしているところに、散歩でもするような雰囲気で登場する伊東。特別なギャグを言ったわけでもなく、奇抜な服装をしているわけでもないのに会場に笑いがおき、記者席からは「ずるいなー(笑)」という声も聞こえた。安定感のある掛け合いの中にもブラックな笑いが満載の、ミステリーコントだった。
90歳記念も、100歳記念も
稽古前の会見で、伊東は、三宅の“耳の良さ”について言及した。
「一座の芝居公演にゲスト出演した女優さんたちは、皆『三宅さんは何を言っても拾ってくれる』『絶対に拾ってくれる安心感がある』と言っていた。私もそう思っている。耳が良いということだと思います」
その安心感がある限り、伊東の90歳ライブにも100歳ライブにも期待してしまう。
軽いのに濃い、独特のテンポ感と空気感が癖になる「伊東四朗 魔がさした記念コントライブ 『死ぬか生きるか!』」は、2月1日より18日までの上演。
取材・文・撮影=塚田史香
■日時:2018年2月1日(木)~2018年2月18日(日)
■会場:紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA
伊東四朗/三宅裕司/伊東孝明
■公式サイト:http://atari.co.jp/2018_contlive.html