アルスマグナ・神生アキラ&泉奏、対照的な2人が「お互いがお互いを楽しんでいる」と語るユニット“me can juke”とは?
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me can juke
アルスマグナの同級生(2年A組)の神生アキラと泉奏によるユニット・me can jukeが、1月31日にデビューミニアルバム『FIRE or ICE』をリリースする。me can jukeは楽曲・ビジュアル・振付ともに“80年代のアイドル”を意識したユニットのため、アルスマグナとはまた違った雰囲気を楽しむことができる。また、本人たちも“A-KIRA” “WIT-ME”としてパフォーマンスすることを「お互いがお互いを楽しんでいる」とインタビューでは話してくれた。そんな対照的な2人がユニットを結成するに至った経緯から今作について、そして今後の展望までたっぷりと語ってくれた。
――A-KIRAさん、WIT-MEさん、本日はよろしくお願いします!
神生アキラ:どうも、神生アキラことA-KIRAです。
泉奏:泉奏ことWIT-MEです。
アキラ:ただ、いつも通りアキラと奏で大丈夫なので、お気遣いなく!(笑)
――ありがとうございます(笑)。これまでアルスマグナの日本武道館公演などでは披露されてきた、キラキラしつつも昭和感、80年代感が漂う正統派アイドルユニット・me can jukeですが、そもそもの結成の経緯は?
アキラ:もともとは、アルスマグナのライブや九瓏ノ主学園の『生徒総会』なんかで、催し物のひとつとして、仲は良くないものの同じ2年A組のクラスメイトでもある俺と泉が一緒に踊ってみようか、っていうところから始まったんですよ。
奏:おれとアキラは正反対ですからね。
アキラ:そうそう、俺が炎なら泉は氷。当初はその関係をわかりやすく見せるために2人で踊っていただけだったんですけど、それをアルスメイト(アルスマグナファンの呼称)さんたちにすごく面白がってもらえて。「アイドルっぽいね」「キラキラしているね」っていう声をもらってもいたから、じゃあ1曲、ダンスじゃなくて歌モノを作ってみようかということで、仮にユニット名を“2A”として「JUST」という曲を作ったんですね。それがすごく評判が良かったから、アルスマグナとして2度目の日本武道館公演(2017年3月開催)をさせていただくにあたって、ちゃんとme can jukeというユニット名をつけて「Red or White」という曲を作ったんです。
――そして、昨年11月にはme can jukeとしての初コンサート『me can juke First Concert~FIRE or ICE~』をZepp NambaとZepp DiverCity Tokyoで行い、アルスマグナのステージとはひと味違う、歌とダンスパフォーマンスに特化したステージで、濃厚なキラキラアイドル感を見せてくれたと。
アキラ:アルスマグナから派生したグループがアルスマグナと同じようなことをしてもしょうがないので、me can jukeのテーマでもある、アイドルらしいキラキラ感……それも、今のアイドルではなく、昭和のバブリー感をまとったいちいちゴージャスでいちいち派手なキラキラ感を前面に押し出したくて。
奏:そうですね。そこでしか見せられない世界観、普段は見ることのできない2人を見せられるのが、me can juke。おれは、まだまだいろいろなエンターテインメントを提示できそうだなという感覚をつかめたりもしました。
A-KIRA
――アルスマグナとしても多彩に楽しませてくれている上で、まだまだ表現欲が尽きないし、新たな扉が開いていくのですね。
アキラ:そうそう。アルスマグナの良いところって、“2.5次元”とカテゴライズされている通り、現実と理想の両方に存在するところで。特に、アルスメイトそれぞれの中にある理想というのは大事にしたいと思っているわけですけど、me can jukeでは理想を裏切ってあげたいっていう気持ちもあるんですよ。普段だったら敬語の泉が、me can jukeでは急にタメ語になったり、優しくなるとか。僕たち自身、アキラがA-KIRAを演じているし、泉がWIT-MEを演じているっていうことを公にした上で、手探りなところがありますからね(笑)。演じているということだけ守れば、あとはなんでもありだなと思うんです。
奏:だから、ステージ上でも度々脱線して(笑)。
アキラ:だね(笑)。でも、そういうズレって僕たちのことをよく知っている人からすれば面白い瞬間だろうし、「本人たちがよくわかってないのか!?」みたいなフワフワ感もありなのが、me can jukeなんです(笑)。
――最高です(笑)。そんなme can jukeは初コンサートのステージ上でCDデビューを発表されたわけですが、お2人としての率直な想いは?
アキラ:ワンマンライブをするにあたってオリジナル楽曲が「JUST」と「red or white」の2曲しかなかったから、急ピッチで曲を増やしていったんですけど……レコード会社の方が、「こんなに曲があるんだったらCDにしようよ」と言ってくれて。もともとCDを出したいと思って始まったユニットではないわけで……
奏:正直、おれは戸惑いました(笑)。でも、俺らを応援してくれているみかんちゃん(me can jukeファンの呼称)たちや、普段僕たちを支えてくれている関係者の方々の声の力っていうのは強いんだな、っていうことはすごく感じましたよね。
アキラ:うんうん。みかんちゃんたちだけでなく、アルスマグナとしてもお世話になっている大人たちが、me can jukeの面白さにも気づいてくれて。それはすごく嬉しかったですよ。
――出来上がった1stミニアルバム『FIRE or ICE』は、昭和の歌謡曲っぽさがあった上で、タイトル通りに情熱的なA-KIRAさんとクールなWIT-MEさんの個性が炸裂しつつ、実に色彩豊かな作品となっていて。
アキラ:そう、80年代とか90年代の歌謡曲っぽさという全体のコンセプトがあって、なおかつ1曲ずつテーマを明確に決めていったんですよ。
――80年代感が特に濃厚な「閃夜一夜」、ファンキーでオシャレポップな「Brain Panic」、ラテンテイスト満載の「ガードレールに口づけて」、オトナな背徳感にドキっとしてしまう「SHA-BA-DA-BA」、A-KIRAさんとWIT-MEさん、me can jukeとファンのみかんちゃんたちの強い結びつきを思わせる「My Precious One」など、曲ごとにガラっと表情が違いますもんね。
アキラ:いろいろな色彩があっても軸がブレちゃいけないのがアルスマグナだと思うんですけど、だからこそ、アルスマグナでできないことがme can jukeではできるんじゃないっていうところで、制限がなかったし……もうひとつの大きなテーマとしては、僕たちのことを知らない人が聴いたときの、引っかかりが欲しかったんですよ。だから、「ガードレールに口づけて」だったら「<my my my>ってなに!?」とか、「SHA-BA-DA-BA」だったら「<SHA-BA-DA-BA-DA>だと思ったら<SHA-BA-DA-BA-DANCE>なの?っていうか<SHA-BA-DA-BA-DANCE>ってなに!?」とか、気になるポイントや情報も盛りだくさんにして。
――だから、聴くたびに新しい発見やワクワク感があるわけですね。なお、それぞれにもっとも思い入れの強い曲を挙げるとしたら?
アキラ:「ガードレールに口づけて」ですね。僕のやりたかったことが全部入っている曲なので、レコーディングがもう面白くて。ラテンで熱そうな中に急にセリフが出てくるし、結局なんだったのかよくわからないし(笑)。
――加えて、80年代っぽさ全開なMVも最高です。
アキラ:70年代後半から80年代の音楽番組って、あんな感じが当たり前だったと思うんですよ。
――今からするとある意味カオスで、誰も回収しない、みたいな(笑)。
アキラ:そうそう(笑)。アーティストそれぞれが“自分はこうなんで”っていう感じで。聞くところによると、それは当時のディレクターさんの指示によるところもあったらしいんですけど、今ではなかなか見られないようなそういう突き抜けたこと、良い意味でバカらしいことをしたいなと思ったんです。マイクスタンドを途中で蹴ったりとか、じゃあ最初から使わなきゃいいじゃん、ってことですからね(笑)。
――真面目にそれをするっていうところが面白いですよね。振付も表情も仕草もまさに80年代な感じですが、相当研究をされたりもしたのではないでしょうか。
奏:研究はしましたね。
アキラ:あと、MVを撮ってくれた方がちょうど80年代の歌謡曲をよく知る方だったから、いろいろアイデアをいただいたりとかして。LED全盛の今からすると当時の照明がちゃちく見えるけど、当時としてはこれが最先端のライティングだったんだろうなとか。
――LEDとは違う電飾輝く中での中森明菜さんのような目線の流し方とか、とても印象的です。
アキラ:そう、あれはやりたかったことで。大きな達成感があります(笑)。
奏:そして、これまで出すタイミングがなかっただけで、僕たちの中に秘めていたものがあったんだろうなということを思いましたね。
――その秘めていたものが、今回見事に開花したと。
奏:だから、2人とも監督さんのいうことをすぐに理解できたし、形にすることができたんじゃないかって。何事もできないと決めつけるのではなく、やってみることが大事だなと、あらためて思ったりもしました。
アキラ:なるほどね。で、泉の選ぶ1曲は?
奏:「トキメキラ」ですね。「JUST」と「Red or White」のあとに生まれていった新曲たちが、あまりにもバラエティに富んでいて。アキラは歌のレコーディングに慣れていますけど、俺が歌うっていうのはアルスマグナを知っている人からしたらレアなことだし、同じような曲調がいくつかあったら学んでいけるところを、毎回毎回新たな教材を持ってこられるような感覚があったときに、「トキメキラ」がきてホっとした自分がいたんですよ。ずっと別荘巡りをしていたけど、ようやく自分の家に帰ってきたみたいな(笑)。そういう安心感も含めて、おれにとって「トキメキラ」は特別感があるし……だから“WIT-ME盤”の1曲目に持ってきたんです。
WIT-ME
――そういうことだったんですね。にしても、ソロ曲も含め9曲に初めてボーカリストとして向き合って、大変なこともあったと思います。どう乗り越え、なにを見つけたのでしょうか。
奏:アルスマグナではダンスで伝えるということはしていましたけど、音源で声だけで伝えるにはどうすればいいか、まずわからなかったですし、責任も大きいですし……いろいろ思い悩んだりもしたんですね。だから、あまり本人の前では言いたくないですけど、あらためてアキラのことを尊敬しました。
アキラ:そうだったのか。
奏:よく移動のときなんかに歌詞の紙にいろいろ書き込んでいるアキラの姿を見て、その熱を勉学に注げばいいのにと思っていたんですけど……。
アキラ:そこはやっぱり、好きか嫌いかの違いが出ちゃうよね(笑)。
奏:そこまで熱中して突き詰める姿勢は見習うべきだし、歌ってみることで自分の引き出しが増えた感覚はあるので。まだ頑張れることがあるんだなっていう、新たな気づきにもなりました。
――歌に開眼してしまったりもして?
奏:それを聴いて喜んでくれる方がいるという事実があると好きになれるというか……歌うにしても踊るにしても、それを楽しんで夢を見てくれる方がいるから好きなんだろうな、ということに気づかされた気もします。
――そんな泉奏さんをアキラさんがボーカリストとして見ると、どんなことを感じたのでしょうか。
アキラ:すごくね、面白かったですよ。ものすごい堅物がキャッチーな歌を歌うギャップが楽しいし……いろんな曲があって、それを歌うセンスがちゃんと泉の中にあるんだなっていうことにも気づいて。彼のソロ曲「ぶっぱな青春Happy!」(“WIT-ME盤”にのみ収録)なんて、めっちゃ遊んでいますからね(笑)。
――確かに。奏さんのクールなイメージからするとびっくりします(笑)。
奏:こっちは歌で遊んで、アキラのソロ曲「流星のリビドー」(“A-KIRA盤”にのみ収録)で彼はパフォーマンスで遊んでいますけどね(笑)。もしかしたら、me can jukeではお互いがお互いを楽しんでいるような気もします。おれはA-KIRAを楽しんで、アキラはWIT-MEを楽しむっていう感じで。
アキラ:それはあるかも。なんていうか、公に嘘ついている瞬間ってめちゃめちゃ楽しいもんね(笑)。me can jukeには普段だったら絶対しないようなことができちゃうっていう面白さがあるし、アルスマグナとのギャップも楽しんでほしいなとも思います。
奏:そして、理想を叶えるというよりは理想の先をいくのがme can jukeなんだろうなという気もしますよね。
アキラ:うん、確かに。
――可能性は無限大ですね。ちなみに、アルスマグナのメンバーは、me can jukeの活動に対してなにかおっしゃっているのでしょうか。
アキラ:ケント先生(九瓏ケント)に言われたのは……パクドル(アルスマグナのライブに度々登場する謎のK-POPスター。朴ウィトに瓜二つ)っているじゃないですか。ウィトは、絶対に「実は僕がパクドルでした」って言わないと思うんですけど……
奏:僕たちにしてもメイトさんたちにしても周知の事実なんですけどね(笑)。
アキラ:そうそう。で、ケント先生に「me can jukeもそういう扱いでいいの? なんか面倒くさいな」って言われたから、「大丈夫、A-KIRAでもアキラでもどっちでもいいよ」って言っておきました(笑)。
奏:判断を委ねられたら逆に困るかもしれないですけどね、僕たち自身、フワっとしているので(笑)。
――今後、ケントさんがどう出るかも楽しみです(笑)。さて、今後に向けては、me can jukeとしてどのような夢を抱いているのでしょうか。
アキラ:日本武道館だね。
奏:そうですね。me can juke単独で、日本武道館のステージに立ちたいです。アルスマグナだけでなく、そこから派生したなんだか楽しそうなユニットも武道館に行くことに対して悔しがる人も出てくると思うんですけど、それってすごく良いことだと思うんですよ。その人たちにとって、刺激になっているということですから。日本武道館に立つだけでなく、ランキングに食い込んでいったり、冠番組を持ったり……この世界の誰もが羨むようなことをやっていけたら、ひとつのエンターテインメントとして新しい在り方が示せるだろうし、先駆けにもなれるんじゃないかなとも思うので。将来的に、「me can jukeみたいになりたい」と言われるようになりたいですね。
アキラ:うんうん。そして、いつでも遊び心は忘れずに、どこかバカにしてバカにされたいなって、僕は思っています。「あいつらがやっているのってアルスの派生でしょ?」って思われてもいいけど、「いやいや、こんな面白いエンターテインメントしているんだぞ」っていう。武道館や映画、舞台っていろいろなことをやらせてもらっているアルスマグナと同じルートをme can jukeが辿っても面白いし……『情熱大陸』みたいな感じの嘘ドキュメントなんかもやりたいよね(笑)。
奏:『アナザースカイ』とか(笑)。
アキラ:そうそう。「おまえらそういうことまでオマージュすんの!?」みたいな。全然関係ないフィンランドとか行っちゃったりしてさ(笑)。僕らにはそういう自由度があるので、今後の活動も楽しみにしていてください!
取材・文=杉江優花 撮影=菊池貴裕
発売日:2018年1月31日
【A-KIRA盤】 CD+DVD ¥3,148+税 ¥3,400(税込)
【WIT-ME盤】CD+DVD ¥3,148+税 ¥3,400(税込)
【通常盤】 CD ¥2,000+税 ¥2,160(税込)
※A-KIRA盤・WIT-ME盤にそれぞれのソロブロマイド封入
・ガードレールに口づけて
・SHA-BA-DA-BA
・Brain Panic
・閃夜一夜
・JUST
・Red or White
・My Precious One
・トキメキラ
・流星のリビドー ※A-KIRA盤のみ収録
・ぶっぱな青春Happy! ※WIT-ME盤のみ収録
・ガードレールに口づけてMusic Video
・ガードレールに口づけてMusic Videoメイキング