エル・キングという女性ロッカーの長い旅

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エル・キングは1989年、ロサンゼルスに生まれた。今26歳の女性ロッカー。ヒットが出るまでに長い旅が待っていた。最近滅多にお目にかからない、長い間の地道な宣伝活動で成功に登り詰める物語。今大ヒットの予感がするデビュー・シングル「Ex's & Oh's」は、1年前の昨年(2014年)の9月23日に発売された。シングルを含デビュー・アルバム「ラヴ・スタッフ(Love Stuff)」は今年(2015年)の2月17日、ソニーミュージック傘下のRCAレコードから発売された。今時楽器を弾く女性ロッカーはいそうでいない。

RCAレコードには数多くの女性アーティストが所属する。ブリトニー・スピアーズ、クリスティーナ・アギレラ、ピンク、ケリー・クラークソンやケシャ、そして若手で最も人気があるのはマイリー・サイラスだ.。みんな女の武器を使う。同じレコード会社内で頭角を表すのは容易じゃ無い。またスタッフや宣伝費や販促費の確保は、これだけの大物女性がいると難しい。しかしRCAレコードのラジオ局担当宣伝マン達は「Ex's & Oh's」の持っている曲の力強さに賭けた。アメリカでは、最終的にラジオ局でヒットしたらレコードは売れる。SNSやYouTubeは後付けでもいい。ラジオ局を「オルタナティブ」と称するフォーマット局に絞り込む。昨年10月にサンプルを送付した。見向きもされなかった。

今年の5月末、アルバムが発売されてから3ヶ月。全米のナンバーワン・オルタナティブ局と呼ばれるロサンゼルスのKROQ局が選曲表に加えた。KROQ局と言えば、全米のオルタナ系ラジオ局に対して、水戸黄門の印籠のような重みがある。9月、エアプレイ調査会社メディアベース社のオルタナティブ系ラジオ局のチャートで3週間1位になった。こうなるとレコード会社はクロスオーバーを狙う。異なったフォーマット局を攻める。そして最終的にはTOP40局。全く相手にしなかったマーケット規模で1位のにニューヨークのWHTZが先週、前週の1回から7回に増やしてかけた。マーケット規模2位のロサンゼルスのKIISは2回から37回に、マーケット規模3位のシカゴのWKSCは1回から10回に増やした。TOP40局でのチャートは19位になった。RCAレコード宣伝マンの長い闘いを評価すべきだろう。

YouTubeやツイッターやフェイスブックに支えられているのではない。しかし音楽情報検索アプリのシャザム(Shazam)の最新チャート(10月5日付)で5位にランクされた。そしてビルボード誌のシングル・チャートは30位から22位に、アルバム・チャートは40位から36位になった。ラジオ業界誌ヒッツは、12月に発表されるグラミー賞最優秀新人賞にノミネートされるかもしれないと記事にした。

日本盤は発売されていない。グラミー賞が発表されてから日本盤を出したメーガン・トレイナーのようなみっともない事だけは避けて欲しい。ちなみに父親は下ネタ俳優として有名なロブ・シュナイダー。離婚した母親の姓を名乗っている。36カ所もの刺青は父親との葛藤を物語っているのかもしれない。

Elle King - Ex's & Oh's PV

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