宮田悟志 BREATHE活動終了を経て自身初となる初のアルバム『RISE』に込められた想い
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宮田悟志 撮影=森好弘
1月10日、元・BREATHEの宮田悟志がソロデビューアルバム『RISE』を発表した。2016年、BREATHE活動終了を経て、ソロボーカリストとして歌い続け、多岐にわたり活動してきたこれまでのアウトプットが『RISE』に込められている。しかも同作は自身のキャリアとして初のアルバムであり、さらにリリース日の1月10日は、2年前にBREATHEのラストライブが行われた日でもある。そんな記念すべき一枚に込められた彼の思い、そして浮かび上がったその姿とは?
――まずは『RISE』のコンセプトから教えてください。
実はどちらかと言うと、収録曲を決めていってその並びを見て、「あ、こういうコンセプトなんだな」っていうのが、あとから乗っかってくるという感じですね。それは、ソロ活動の中でユニット時にはなかった舞台や映画などの経験を多くさせていただいて、そこを通して出来た曲を形(音源)にしたいとずっと思っていたからですね。アルバムはそれらの曲にプラスして、これからの宮田悟志を打ち出せる新曲を入れようって作っていくうちに、どんどんせつない曲が多くなって……。そこで「コンセプトって何だろう?」って考えた時、悲しみやせつなさから脱却する強さだなと感じました。BREATHEを解散してソロになるという自分の体験を含め、「悲しい出来事があってもそれを乗り越えれば強さに変わるんだ!」ということが作っている間に見えてきた。リード曲の「RISE」が今の形になったのもそこからですね。この曲は最初、もうちょっと切ない曲だったんですよ。
――この曲のMVには中学時代からの野球仲間で親友でもある、東京ヤクルトスワローズの雄平選手が出演されていますね。
雄平が怪我をして手術をしてリハビリをしているのを応援できるような曲を作りたいと思ったんです。それで書き直して今の形に。もとはBREATHEへの思いを描いていたんですけど、書き直してすこし体育会系な……Sっ気の強い感じに(笑)。壁が立ちはだかっても「自分の力で切り開いていこうぜ!」みたいな感じになりました。
宮田悟志 撮影=森好弘
――強い言葉が並んでいますよね。
プロ野球選手の彼を応援するのに、「頑張れ!」とか生ぬるいことは言えないなと思って。それは僕も野球をやっていたので分かることなんですけど、自分の壁は自分で乗り越えて行くしかない。だから、辛かったら休んでいいんだよっていうような歌詞はぬるいかなと思って。
――ちなみに変更前はどんな詞でしたか?
ラブソングにも聴こえるような世界観ですね。君がいなくなってしまって俺はどうしたらいいんだ?という感じ。相方が隣からいなくなって、まだちょっとどうしようか迷っているんだよ……という感じでした。
――BREATHE解散でしっかり落ち込んだんですね。
はい。ちゃんと落ち込んで、「どうしようってなって、ソロ活動します!」って言ったものの何をしよう?って……。でも、そんな時に舞台のお話をいただいたんです。
――その舞台の経験は、音楽にも影響がありましたか?
絶対ありますね。そこ(舞台出演)から歌が変わったって言われ始めて……。「なぜなんだろう?」って自分で分析したんですけど、舞台はステージ上で、生で、自分の言葉で演技しなきゃいけない。セリフではあるんですけど心からしゃべらないとウソっぽくなる。そういう経験を経て、前はマイクを向けられたら「頑張って歌おう!伝えよう!」って感じだったのが、マイクを向けられても自然体でいられるようになったというか、構えなくなったというか……。今は、何を伝えるか? ということの方が優先されてきた。うまく歌おう! より、どういう世界観で見せるか? というところにフォーカスが当たって、地に足を付けてその世界観をちゃんと表現できるようになったと思います。
宮田悟志 撮影=森好弘
――以前と曲への向き合い方が変わったんですね。
BREATHEは2人組で、どちらもメインみたいな割と難しいハーモニーが多くて。ソロの場合は自分のタイミングで節回しも自由に変えられて、リズムを多少変えたとしても一人だから成立する。そういう点では自分の間でいけるから落ち着けるというか自然体で歌えるようになったんですよね。ファイティングポーズを取らなくなりました(笑)。昔の音源は今聴くと頑張ってるな~って思います。それくらい気合いが入っていたかも(笑)。
――では割と素の自分が出ていますか?
そうですね。人間っぽさも意識したし、ボーカルアルバムということも意識したんですよね。今は機械でいじったりできるじゃないですか。でも極力、機械で触らないで人間っぽさを!と……。機械が入ると自分が思っているよりも細くなっちゃうというか軽い感じになっちゃう気がするんですよね。
宮田悟志 撮影=森好弘
――収録曲の中でテレビ番組『ザ・ノンフィクション』のエンディング曲「サンサーラ」は多くの方が歌っている名曲です。
番組のナレーションをやらせてもらって自分の活動を通してというところがあったのと、単純に『ザ・ノンフィクション』のファンだったので記念に入れよう! という……。もともとこの曲は、どちらかというとスピリチャルな雰囲気の曲じゃないですか。でも今回は、それよりは男臭さとか生き様とか、そういうものを打ち出す方向性にしたいなと思ったんです。
――ギターとドラムの存在感があります。
プロデューサーさんは新しい「サンサーラ」を作りたいとおっしゃっていたので、このアレンジに共感をしていただけて本当に良かったです。イントロのインパクトはすごく意識しました。
――そして、EXILEのMATSUさんが演出の舞台「かげろう」の主題歌「かげろう」。この曲はMATSUさんから「EXILEとは違うアプローチで……」というリクエストがあったとか?
EXILEと違うというか、昔のEXILEのようなちょっと懐かしいバラードのような感じですね。歌をしっかり聴かせるバラードっぽい曲。舞台で歌った曲ですね。
――言葉がハッキリ聞こえなきゃいけないですね。
そうなんですよ。あんまりガチャガチャしていると……(言葉が聞こえない)っていう。これがヒントになって、さっき話した、語るっていう感覚になったんです。僕は亡くなってしまう役で、天国から降りて大切な人のために「かげろう」歌うというシーンがあったんですよ。だから完全に気持ちが入るし、役になり切って歌えるから、「あ、この感覚!」っていうのがあったんですよね。ここから自然に表現ができるようになって、「僕にもこんなこと(表現)ができるんだ!」って思えたんです。
宮田悟志 撮影=森好弘
――なるほど。あと、BREATHE時代の曲「待ってて」が収められているのも意外でした。
BREATHEで一番人気の曲だったんです。でもBREATHEで音源としてリリースできてない。だから、今回の1作目を逃したらいつ入れられるんだろう? って思って収録しました。BREATHEの最後のライブでも歌ったんですけど、その日から歌ってなくて……。ファンの方から「「待ってて」はどうなるんですか?」っていうメッセージも多く届いていたし、単純にソロでも歌ってみたいとも思ったんですよ。
――一人で歌っても大丈夫って思えたんですね。
そうですね。でも、それには2年かかりましたね。実は昨日、初めてライブで歌ったんですけど、めちゃくちゃ緊張して、途中でオエッってなりました(笑)。そのくらい緊張感がありました。ファンの人も、ついに!って構えていて、その感じもビシビシ伝わって来たし、なんか考えちゃったんですよね、途中で……「もう1回歌える日が来た!」って。そうやっていろいろ考えていたら緊張してきて……。でも、聴き入ってもらえましたね。やっとだな~って思いました。
――今後、「RISE」を携えて日本各地へ赴くことになりそうですか?
はい。昨年のワンマンライブは東京が多かったんで、今年はいろいろなタイミングでいろいろな場所に一つでも多く行けたらなと……。そこで初めて知ってくださる方など、また新しい出会いもあると思うし、ぜひ自分の足で全国を回ってこのアルバムを届けたいと思います。
宮田悟志 撮影=森好弘
取材・文=服田昌子 撮影=森好弘
1月10日(水)発売
¥4,000(税込)
<CD収録曲>
1. Sorry~海になれない~
2. RISE
3. アレコレ
4. Goodbye
5. Dried Flower
6. 僕はコウモリ
7. かげろう
8. サンサーラ
9. Mask
10. 待ってて
11. STORY
Music Video
1. RISE
2. Sorry~海になれない~
3. 僕はコウモリ
4. 待ってて
・EXILE TRIBE STATION (TOKYO、OSAKA)
・EXILE TRIBE STATION ONLINE