ハバネラ サクソフォン・カルテット & ブルーオーロラ サクソフォン・カルテット サクソフォンの新時代を宣言
-
ポスト -
シェア - 送る
サクソフォンの新時代を宣言
次々に若い世代の新しい四重奏団が登場するサクソフォン・シーンだが、そうした中で卓越した演奏テクニックを駆使し、真にクリエイティヴな音楽活動を行っているアンサンブルと言えば「ブルーオーロラ サクソフォン・カルテット」だろう。平野公崇、田中拓也、西本淳、大石将紀という、個々でも活躍する4人が集合してサクソフォン・カルテットに新しい可能性をもたらしたが、そのもっとも新しい成果が『和楽』というCDになってリリースされる。
雅楽や津軽三味線、山田耕筰の愛唱歌などから、ドビュッシーやホルストが作曲した日本がらみの作品、さらにはサクソフォン四重奏の人気作品として注目される坂井貴祐と鈴木歌穂の曲などを収録したこのCD。サクソフォンという楽器でどこまで「和」の精神や情景を表現できるのか? という模索の到達点であり、即興演奏なども含めた多彩なアイディアによって「日本人だからこそできるサクソフォン四重奏」を実現している。
その活動の一端を披露してくれるのが、フィリアホールや神戸文化ホールで行われるコンサート。ブルーオーロラの演奏が聴けるのはもちろん、いくつもの国際コンクールを制して現代サクソフォン四重奏の最高峰に君臨する、フランスの「ハバネラ サクソフォン・カルテット」が来日してジョイント公演を行う。さらに、「ハバネラ」のみの単独公演も開催される。最先端の選曲と演奏で聴き手を圧倒してくれるはず。ピアソラや真島俊夫、平野公崇による作品などが並ぶ中、圧巻なのは2つのグループによるサクソフォン八重奏だろう。予想もつかない響きが生まれ、まさに新時代を宣言するようなコンサートになるはず。この楽器のファンや演奏者であるならスケジュール最優先で駆けつけるべきだ。
文:オヤマダアツシ
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年10月号から)
<ジョイント・コンサート>
10/22(木)19:00 神戸文化ホール(中)問:神戸文化ホールプレイガイド078-351-3349
10/24(土)19:00 フィリアホール 問:フィリアホール
<ハバネラ サクソフォン・カルテット 単独公演>
10/23(金)19:00 フィリアホール 問:フィリアホール