演出・衣裳・振付をすべて一新! 高橋朱里主演ミュージカル『新☆雪のプリンセス』ゲネプロレポート
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ミュージカル『新☆雪のプリンセス』
Zero Projectプロデュース2018 ミュージカル『新☆雪のプリンセス』が東京・新国立劇場にて幕を開けた。初日前には囲み会見とゲネプロが行われ、高橋朱里(AKB48)、米原幸佑、小笠原健、久保田未夢、木根尚登、そして特別出演の一路真輝が登壇した。
高橋朱里
アンデルセンの童話「雪の女王」をモチーフとし、2016年に初演、2017年に再演された本作だが、今回はこれまでの演出・衣裳・振付をすべて一新。加えて、客席が舞台を取り囲むセンターステージでの作品として新しく生まれ変わった。このことについて、前回から続投してプリンセス役を務める高橋は「360度、どの方向からも楽しめる作品になっています。新鮮に見ていただけると思います」と作品をアピール。
さらに「私は今年成人を迎えたのですが、本作が二十歳になって初めての作品なんです。ですので、成長した高橋をお見せして、これからに期待していただけるようにがんばります」と拳を握りしめながら意気込んだ。
一路真輝(特別出演)
この作品に初参加となった雪女フブキ役の一路は「初めて共演する方も多かったのですが、あっという間に仲良くさせていただいて、気持ちも若返ってがんばっております。朱里ちゃん(高橋)とはお稽古場でもずっと隣の席で、楽屋も一緒で、親子のような関係です(笑)」と、カンパニー内の和気あいあいとした雰囲気を伝えた。
米原幸佑
小学生くらいの子役からベテラン俳優まで出演する本作だが、サンタクロースの孫であるクリス役の米原は、そんな舞台上を「子どもたちのまっすぐなお芝居や歌声と、熟練の大人たちの卓越したスキルが混ざりあった感じ」と表現。「そのギャップが本作の見どころなんじゃないかと思っています」と笑顔で語った。
久保田未夢
元気いっぱいの子役たちとの共演シーンが多く、稽古場でも多くの時間を共有してきたコユキ役の久保田は「このお仕事を始めてから、小学生くらいの子と話すことがあまりなかったのですが、今回共演して”まじ卍(まんじ)”のような流行言葉などを教えてもらいました(笑)稽古場はとても楽しかったです」と稽古でのエピソードを明かした。
木根尚登
初演にも出演した冬将軍役の木根。「色々と変わった部分もありますが、変わらないのはストーリーが素晴らしいという点です」と作品の原点について触れ「僕はこの作品の音楽もとても好きなので、そこも注目していただければ」とコメントした。
小笠原健
これで3回連続の参加となったコガラシ隊長役の小笠原は「朱里ちゃんが前回に引き続き、さらにたくましくなって、木根さんは相変わらず優しくて、さらに素晴らしいメンバーも参加して……。演出も衣装も進化し、完全に新しいものということでワクワクしています」と、これまでの全公演を振り返りながら、本作への思いを語った。
ミュージカル『新☆雪のプリンセス』
今回衣装を手掛けたのは、これまでも数々の舞台衣装を制作してきたほか、NHK教育テレビ「にほんごであそぼ」の衣装セットも担当した、ひびのこづえ。無駄を削ぎ落としつつも、それぞれのキャラクターの性格を可視化した衣装は、それだけで一つのアートのようであった。
衣装や演出が変わったのはメインキャストだけではない。これまで男女で構成されてきた親衛隊のアンサンブルメンバーも、全員男性に大幅変更。隊員らしいきりっとした軍服も、今回からは風船のようなボールがついた、個性的な衣装へと進化を遂げた。
ミュージカル『新☆雪のプリンセス』
新しい演出として舞台中央に掲げられたモニュメントは、時にはサボテンに、時にはプリンセスたちの住むスノー・キャッスルの象徴的存在として登場する。ほかにも場面の転換を、すべて子役が行うなど、新しい演出も数多く加わり、これまでのものとは違う、まさに“新”しい『雪のプリンセス』となった。
ミュージカル『新☆雪のプリンセス』
去年とはまた一味違う、威厳のある表情をところどころで見せた高橋だが、2回目のプリンセス役を務めるにあたり、一路に王家の血を引くキャラクターらしい姿勢や、声の出し方などを指導してもらったのだとか。
このほかにも芝居に関する色々なことを一路に聞いていたそうだが、一路もこれまでの経験を惜しみなく高橋に伝授。「私の35年という舞台歴を、この公演の間にお伝えできたら、と思っています」と力強く述べた。
ミュージカル『新☆雪のプリンセス』会見
会見の最後には高橋が「この作品はファンタジーな面もあるのですが、見ている方々が共感できる部分がたくさんあります。日ごろ感じている当たり前のことが、実はすごく大切なんだなってことを伝えられればと思います。稽古もあっという間に過ぎ、初日を迎えましたが一つ一つの公演を大切にやっていきます」と、改めて本作へ熱い思いを語った。
取材・文・撮影=MANA
公演情報
■日時:2018年2月21日(水)~2月25日(日)
■会場:新国立劇場 小劇場
■脚本:高橋知伽江
■総合演出:田尾下哲
■演出:家田淳
■出演:
高橋朱里(AKB48)<プリンセス>
小笠原健 <コガラシ隊長>
久保田未夢<コユキ>