THE BEAT GARDEN 歌の力をまっすぐに伝えるグループへと成長した4人が目指すビジョン
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THE BEAT GARDEN 撮影=西槇太一
約7か月ぶりのリリース、そしてワンマンライブから半年ぶりに会った4人は、意識のレベルを一段上げた、歌の力をまっすぐに伝えるグループへと成長していた。エレクトリック・ダンス・ロックの看板のもと、激しく体を揺らすダンスミュージックと直線的なメッセージをリスナーに投げかけてきた4人が、よりイマジネーションに富んだ物語性の強い歌詞と、個々の歌のスキルに磨きをかけて世に放つ、それがTHE BEAT GARDENの最新シングル「僕がいる未来」だ。メジャーデビューの2016年、アルバム制作とライブに明け暮れた2017年を経て、2018年に目指すビジョンについて、4人の本音を聞いてみよう。
――新しい曲の話をする前に、去年の話を少ししましょうか。1stアルバム『I'm』を出して、精力的に活動してきた2017年は、4人にとってどんな年だったのか。
DJ SATORU:『I'm』を引っ提げて、秋にワンマンライブを2本やったんですけど、ずっとやりたかったようなライブができたなという思いと共に、“もっとこうしたい”というものが増えました。先のことを話すことが多くなりましたよね?
U:そうだね。いいと思ったものも、悪いと思ったものも、あのワンマンライブで4人が同じものを感じられて、あれから特に4人で集まって話すことが多くなったと思います。
MASATO:“こんなことができる”“あんなこともできる”という会話が、最近すごく増えていて、そういう意味でみんな意識が変わってきてるし、すごく貪欲になりました。
U:『I'm』までは、曲で体を揺らしてほしいと言うことがあって、ライブでは3ボーカルで走り回って、みんなが体を揺らしてくれるようになったんですけど。去年のワンマンは楽しかったし、楽しそうだったけれども、でも今は“どうしたらもっと歌が生きてくるか?”というところで4人で話している、それがすごく楽しいんですよね。
――そんな意識の変化を経て、2018年に至ると。
U:そうですね。今4人で話しているのは……当たり前のことなんですけど、“いい曲を作っていいライブをする”ということなんです。
REI:アルバムは、今までの自分たちに新たな要素を加えて、いろんな色が豊富な一枚に仕上がったと思っているので。だからこそ次のシングルは、自分たちの根っこにあるメロディ、歌を届けること、メッセージを届けることにフォーカスして、楽曲制作をしていったという形です。
THE BEAT GARDEN / U 撮影=西槇太一
いい曲を作って、それをライブでちゃんと伝えて、僕ら自身がもっと大きくなって、東京ドームに立てる未来があると信じている。遠い未来かもしれないけど、明日を積み重ねていくことが未来だと信じて。
――そのニューシングル「僕がいる未来」は、どんなふうに作り始めた曲?
REI:3月リリースが決まっていたので、“春”とか“卒業”をテーマにした曲を作りたいねという話から始まって、20曲ぐらい作ったメロディの中から選んだ1曲です。今までのTHE BEAT GARDENの色はちゃんと残しつつ、希望や光みたいなものがトラックのテーマとしてあって、それを音に落とし込んでいきました。メロディを映えさせるためにストリングスの旋律を意識したりとか、そういうところは特に心がけてます。
U:メロディはREIが出してくれたんですけど、その時すでに“より歌を伝えたい”という思いがあったので、ちゃんと歌を届けられるメロディをたくさん作って、結果的にこの曲になりました。歌詞は“春”“卒業”を意識しているので、そういう思いに引っ張られて言葉が出てきましたね。個人的な話をすると、自分に近い存在で、いつも相談に乗ってくれていた人がいたんですけど、その人と離れなきゃいけないという経験が、この制作期間であったんですよ。
――ああ、そんなことが。
U:それで、今まで見ていた夢がかなうのかな?と思って、不安になったりもしたんですけど。でも結局、夢に向かって進むために、明日のために数時間、数秒を積み重ねていくためにはすごく強さが必要で、その積み重ねが未来と呼べるんじゃないかな?と思って歌詞を書きました。
――遠い未来よりも、まず目の前にある明日を。
U:はい。大きい未来、遠い理想を描くのもいいけれど、明日というものを自分らしく積み重ねていくことも、比べられないぐらい大切だなと思ったので。今の自分たちはそう言えますし、そう思って書いた歌詞です。
――いいフレーズ、いっぱいありますよ。<起こる全てに理由があると今は思えてる>とか。
U:もっと若い時には、理由付けとかいらなかったじゃないですか。理由なんてなくても“夢はかなう”と言い切れて、その頃の自分もうらやましいし、でも嫌なことにもいいことにもちゃんと理由があって起きているんだということが、今はわかっていて、それも大事なことだし。そういうふうに一歩一歩踏みしめている感覚が今はあるということですね。みんなはどうなんですかね? ほとんどの人が、明日を迎えるために今を一生懸命生きようとしていると思うんですけど。
――そっちのほうが、はるかに多いと思いますよ。
MASATO:自分もみんなと同じように、大きな未来と、今置かれている自分たちの現実に葛藤しているので。今もそうですけど昔はもっと葛藤していて、今よりもっとネガティブだった時のことを思い出すと、<起こる全てに理由があると今は思えてる>というのは、自分に対しても言い聞かせていた言葉なので。すごく馴染みのある、入ってきやすい言葉を使ってくれたなという感覚ですね。
REI:ミュージックビデオも、同世代の俳優の方が演じてくださってるんですけど、そういう若い時の葛藤が描かれているんですよ。僕は2番のAメロ、<寝転んで触ってた携帯の画像で少し戻れる気がした過去>のところを歌ってるんですけど、今が充実していたら、そんなことをする時間はないと思うんですよね。葛藤があってダラダラしてるからこそ、寝転んだり昔の画像を見たりしたくなると思うので、そういうところが若い子にも響く気がしてます。
――うん。響くと思う。
REI:より歌に絞り込んで作った曲なので、リリースする上でどういう反応をファンの方々がしてくださるんだろう?と不安も少しはあったんですけど、みなさんの反応がすごく良くて。再生回数もそうですけど、リリイベで各地を回らせてもらってみんなの声を聞くと、“作って良かったな”と思えた1曲ですね。
DJ STORU:リリイベで、もう口ずさんでくれてるんですよ。みんなも歌いやすい曲になってるんだなと思いましたね。
THE BEAT GARDEN / REI 撮影=西槇太一
より歌に絞り込んで作った曲なので、ファンの方々がどういう反応をしてくれるんだろう?と不安もあったけど、“作って良かったな”と思えた1曲です。
――カップリング2曲目の「君は知らない」にも、新しさをすごく感じましたね。R&Bバラードと言ってもいい、歌の表現力がしっかりと伝わる曲になっているので。
U:この曲は、明るいバラードを作りたいというテーマがあって、REIの作ったトラックはエレクトリック・ダンス・ロックではなくて、メロディが立つように考えてくれました。
REI:僕らはDJスタイルなので、ライブでは出来上がっている音を流すじゃないですか。なので、できるだけレコーディングの段階で、打ち込むというよりは“弾く”という要素を多くして作った曲なので、よりメロディアスに聴こえるんじゃないかなと思います。メロディはUさんが作ってくれたんですけど、事務所の屋上で一緒に作っていたんですよ。
――屋上で?
U:メロディを作る時はいつも鼻唄なんですよ。明るいバラードを作ろうと思っても、部屋にこもってやるとどうしても悲しい方向に行くので、形から入ろうと思って、外で太陽を浴びながら作ろうと思ったんですよね。屋上が芝生みたいになっているので、そこの上を歩きながらメロディを作りました。だから、明るい感じがするんじゃないかな。
MASATO:この曲はUさんと一緒にプロットを立てていて、その段階でいいタイトルが浮かんだんです。最初は「君の知らない話」というタイトルだったんですけど、それって何なんだろうね?という話からふくらんでいって、サビの頭の2行が思いついちゃったんですよね。
U:うん。
MASATO:君が知らない話は“僕が君を好きだということだよ”という話にして、そこからストーリーを広げていきました。僕が自分が思う主人公の造形を考えて、Uさんが主人公の気持ちを考えて、それを言葉にしてくれた感じです。なので、僕なりのストーリーがこの曲にはあって、歌う時にもミュージックビデオの中で歌ってる感覚なんですよね。
THE BEAT GARDEN / MASATO 撮影=西槇太一
今よりもっとネガティブだった時のことを思い出すと、<起こる全てに理由があると今は思えてる>という歌詞はすごく馴染みがある。
――これ、いわゆる、友達と恋人の壁を超えたい男の子の歌でしょう。
U:そうですね。友達だったり、友達の姉ちゃんだったり。
――やけに具体的だなあ(笑)。
U:口にしたら、もう会いづらくなっちゃう人なんですけど、でも結ばれてほしいなと思いますね。僕も自分から言えるタイプじゃないんですけど、<いつかの君をさらっていけるくらいの僕で言うから>という歌詞の通り、今の自分が持ってる武器に自信がなくて、もっと強くなってあの子は振り向いてくれるんじゃないかな?とか、いつもそうなってしまうので。主人公の彼は、すべてが僕ではないんですけど、ちゃんと武器を身に付けて……もしかしたら武器なんて必要ないのかもしれないですけど、彼女を振り向かせる武器を手に入れて、結ばれてほしいなと思いますね。この歌詞はMASATOと一緒に書いてるから、それぐらい客観視できたんだと思います。
――ああ、なるほど。
U:一人で書くと、悲しいエンディングになっていたかもしれない。でもMASATOが「その男の子は、そのセリフは言えないんじゃないですか?」とか、舵取りをしてくれたんですよ。
MASATO:「それはこの主人公とは離れてるんじゃないですか?」とか、「もう少し優しい感じのワードは出てこないですか?」とか、それでUさんが書いてくれたものに対して「ああ、そうだと思います」とか、そういうやりとりが多かったですね。プロットがあったので、曲の中で気持ちがブレてないと思います。
――すごい貢献してる。作詞のクレジットもらえばいいのに(笑)。
MASATO:いやいや!(笑) 僕は別に、歌詞は書いていないので。僕はプロットを考えたり、ストーリーを組み立てることはできるんですけど、そのまま書くとたぶんつまんないんですよ。僕はUさんの歌詞の角度がすごく好きで、同じことを伝えるにも、Uさんはストーリーの中で一番面白い角度をみつけてくれるという感覚がすごくあるんですね。だからいろんなパターンを考えて、Uさんに投げたら、角度をつけてくれるので。自分一人では書けないと思います。
――その共同作業って、今回から?
U:「FLOWER」からじゃない?
MASATO:でもあの時は、プロットではなかったですね。
U:「FLOWER」の時に相談に乗ってもらって、それがすごく楽しくて、助けてもらったから、今回は最初から助けてもらおうという甘えが(笑)。
――メンバーだからいいじゃない(笑)。でもその共同作業の話は、すごく大事なエピソードだと思う。
MASATO:それもあって、聴いてくれた人に“1サビと大サビの聴こえ方が違う”って言われたんですよ。同じ歌詞なんですけど。それはたぶんストーリーが出来上がっていて、伝えたいことの気持ちの流れがあるから、同じ歌詞でも違う感情で聴いてもらえるのかな?っていうのは、そう言っていただいて自分たちでも気づきました。
――確かに、後半に行くにつれて、男の子の意思の力がグッと強くなってる気がする。面白いなあ。3曲目の「One hundred」も同じやり方で?
U:これは違うやり方ですね。みんなで合唱できるアンセム曲を作りたいねというイメージがあって、REIがメロディを考えてくれて、作っていきました。歌詞は、「僕がいる未来」を書いてる時に、近しい存在の人と離れるという経験があって、<僕だけに歩んでいける明日を未来と呼ぶのかな>という主人公の気持ちを描いたので、そのあとにどうしていけばいいか?と思った時に、自分に対しても、聴いてくれる人に対しても、何かを言いきりたいと思ったんですね。言い切らない曲に救われることもあるけど、言い切ってほしい時もあって、この曲はみんなで合唱する時に、言い切ってあげたいと思ったので、<幸せになる為の条件/見つけようとする必要もない>というふうに言ってるんですけど。
――確かに、言い切っている。
U:「One hundred」というタイトルは、100点を取ることよりも、100%で生きることが大事だという、100%だと言い切れる自分になれよということです。
THE BEAT GARDEN / SATORU 撮影=西槇太一
ずっとやりたかったようなライブができたなという思いと共に、“もっとこうしたい”というものが増えて、先のことを話すことが多くなりました。
――この曲はライブの画がはっきり見える、EDMっぽいダンスロックチューン。
REI:楽曲は完成したんですけど、ライブでみんなが声を出してくれて、ようやく完成する曲なんじゃないかなと思ってます。もうライブではやっていて、徐々にフレーズを理解してくれて、みんなの声が熱くなってきているので。リリースのタイミングと同時に、みんなと一体感が作れる曲に育てばいいなと思ってます。
DJ SATORU:この曲、僕の声もさりげなく入ってるんですよ。コーラスを一緒にやらせてもらったのは、3回目くらいですけど、全然慣れないですね。みんなよくできるなって思います。
U:SATORUは僕らより発声練習するんですよ。だから「もういいよ」って(笑)。
DJ SATORU:微力でもこの作品に貢献して、ちょっとでもいいものを作ろうという思いでやってたのに、もういいって言われた(笑)。
U:僕がSATORUにオファーしてるのは、粗さみたいなものが欲しいからで、でも意外にきれいに歌うから、「そうじゃなくて」って。“ウォー!”っていう感じのものを求めてるから、「野球やってた頃の感じで」とか言ってたんですけど。
――練習しないほうがいいんじゃないですか(笑)。
DJ SATORU:もう絶対しないです(笑)。
――ファンのみなさんも練習せずに、心のままに叫んでもらえると。
U:アンセム部分は、REIが女声キーにしてくれたので。
REI:女性は声が出しやすいと思います。男性ファンは、ちょっと頑張っていただいて。
DJ SATORU:そこは僕が全力で支えます!
――3曲とも新しい意識と新しい試みを詰め込んだシングルだなって、今話を聞いてよくわかりましたよ。
U:曲を作る以上は、伝わらなければ意味がないと思っているので。それは歌だけじゃなくて、生き方とか、そういうものも大事なんだろうなと思います。今はそういうことを感じ始めているので、制作もすごく楽しいし、つらいし、という感じですね。「僕がいる未来」には二つのタイアップをいただいて、『BREAK OUT』のオープニングトラックと、ハウステンボスの春のキャンペーンのテーマソングにしていただいたんですけど、テレビで流れているのを聴くと本当にうれしいし、ファンのみんなも喜んでくれて。でもすごくストレートに言うと、もっとリアクションがたくさんほしいと思っているので。そういった意味でも、いい曲を作って、それをライブでちゃんと伝えて、僕ら自身がもっと大きくなって、東京ドームに立てる未来があると信じているという感じです。それは遠い未来かもしれないですけど、明日を積み重ねていくことが未来だと信じて、やり続けていこうと思ってます。
取材・文=宮本英夫 撮影=西槇太一
THE BEAT GARDEN 撮影=西槇太一
リリース情報
2018年3月7日(水)発売
【CD収録曲】
1.僕がいる未来
2.君は知らない
3.One hundred
4. 僕がいる未来(Instrumental)
5. 君は知らない(Instrumental)
6. One hundred(Instrumental)
■初回盤A(CD+DVD)UMCK-9937 ¥1,950(tax in)
初回盤A
■初回盤B(CD+DVD+ステッカー)UMCK-9938 ¥1,950(tax in)
初回盤B
Documentary of "僕がいる未来" (Recording, Photo Shoot & Music Video)
*MASATOデザイン特製ステッカー封入
■通常盤(CD)UMCK-5648 ¥1200(tax in)
通常盤
ライブ情報
日程:2018年3月22日(木) 開場 17:00 開演 18:00
会場:福岡BEAT STATION
http://swish-jp.com/
お問い合わせ:キョードー西日本:092-714-0159
OSAKA SWISH 2018
3月23日(金)開場 16:30 開演 17:15
会場:なんばHatch
http://swish-jp.com/
お問い合わせ:夢番地 大阪:06-6341-3525
TOKYO SWISH 2018
3月26日(月)開場 16:30 開演 17:15
会場:EX THEATER ROPPONGI
http://swish-jp.com/
お問い合わせ:ホットスタッフプロモーション:03-5720-9999(平日12:00〜19:00)
2018年4月2日(月)渋谷duo MUSIC EXCHANGE
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イベント情報
2018年3月18日(日)アスナル金山・明日なる広場