久保田利伸、JUJU、YONCEらが荒井由実『ひこうき雲』を再現!一夜限りの“再結成”も 『PERFECT ONE presents SONGS & FRIENDS』
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撮影:上飯坂 一
3月17日(土)、武蔵野の森総合スポーツプラザにて、『PERFECT ONE presents SONGS & FRIENDS』が開催された。
日本の音楽シーンにロック、ポップスが定着してどれくらいたっただろうか? 名盤と言われるアルバムの魅力を改めて知り、その良さを次の世代につなげていくという趣旨で音楽プロデューサー武部聡志が企画立案したイベント『PERFECT ONE presents SONGS & FRIENDS』の記念すべき1回目が行われた。今回の主人公は、荒井由実と彼女の1stアルバム『ひこうき雲』。リリースから45年たった今でも色あせない名盤中の名盤だ。イベント発表と同時に音楽ファンの間で話題となり、
原田知世 撮影:中嶌英雄
YONCE 撮影:中嶌英雄
約8,000人が詰め掛けた会場が暗転すると、ナビゲーターの中井美穂が登場、やさしいメロディーのような語り口に、もう別世界に入り込んだような気分になる。イベントは3部構成で、1部は6名のゲスト・アーティストが『ひこうき雲』に収録されている曲を中心に、思い思いの表現でカバーするというもので、カバーを超えて自分の曲のように歌うアーティストたちの表現力と、ユーミンの楽曲が持つ普遍性を改めて思い知らされた。そして何より、次世代、そのまた次の世代のアーティストのなかに、ユーミンの音楽がきっちりと根を生やし、芽吹き、大きな実をつけている姿が確認できた。
家入レオ 撮影:中嶌英雄
横山剣 撮影:中嶌英雄
JUJU 撮影:中嶌英雄
左から、久保田利伸、JUJU 撮影:中嶌英雄
久保田利伸 撮影:中嶌英雄
2部は、このイベントのメインディッシュともいうべきパート。荒井由実&ティン・パン・アレーにアディショナル・キーボードとして武部聡志が参加して、『ひこうき雲』収録曲のいくつかを披露するパート。「荒井由実が乗り移ったように緊張している(笑)」と言っていたユーミンだが、決して再現ではなく、今のユーミン、ティン・パン・アレーの音を聴けたという点で貴重なライブだった。そしてさらに驚きのセッションが実現。なんと、井上陽水が登場したのだ。井上陽水とユーミン、これまであったようでじつはなかった、初めての歴史的コラボレーションが実現した。彼がアレンジした「空と海の輝きに向けて」は、夢のような時間だった。
撮影:上飯坂 一
最後となる3部は、ゲスト・アーティストが入れ替わり立ち替わり登場し、ユーミンと歌う“その後の荒井由実”。ユーミンの音楽的変遷を豪華セッションで辿れる超贅沢な企画だ。曲間がメドレーのようにつながり、まるでDJがスピンしているようでもあり、最後に全員で歌った「恋のスーパー・パラシューター」は、ワクワクする“土曜の夜”をきらびやかに演出してくれた。まるでベスト盤のような選曲に、思わず45周年ベストアルバム『ユーミンからの、恋のうた。』(4月11日リリース)のツアーの話に。まさにベスト・オブ・ベストな内容になるということで、そちらも楽しみだ。
アンコールは、ユーミン&武部聡志で、「やさしさに包まれたなら」を披露。ふたりだけの歌とピアノが終わり、アナログレコードから針を外して回転が止まるような余韻が会場を包んだ。名盤を探訪し、連綿とつながるアーティストの系譜を感じる旅のようなスペシャル・イベント、レポート冒頭にその場にいた人は「歴史の証人」となったと言ったが、このイベントを体験できる機会が決まった。5月13日(日)、WOWOWのオンエアで、ぜひ体験してほしい。
撮影:上飯坂 一
取材・文:谷岡正浩