伊藤みどりや村上佳菜子が登壇! 『プリンスアイスワールド』開催に向けたトークショー

2018.3.28
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『プリンスアイスワールド誕生40周年記念制作発表&トークショー』が 3月28日、新横浜プリンスホテルで開催された

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プリンスアイスワールド誕生40周年記念制作発表&トークショー』が3月28日(水)に開催された。『プリンスアイスワールド』は1978年にスタートした、日本でもっとも歴史のあるアイスショー。「お客様へのエンターテインメントの提供」、「フィギュアスケートの振興と普及に貢献すること」をモットーに、過去には佐野稔、伊藤みどり、八木沼純子、荒川静香といった、日本フィギュアスケート界のレジェンドたちが出演してきた伝統的なイベントだ。

トークショーでは伊藤、八木沼、本田武史といったレジェンド陣のほか、近年プロスケーターとして活躍の場を広げている村上佳菜子と小塚崇彦、さらにアマチュア選手代表として、先日の世界選手権で銀メダルを獲得した樋口新葉の計6名がゲストとして会場へ駆けつけた。過去のアイスショーのエピソードや裏話も飛び出し、会場は大いに盛り上がった。

レジェンドたちが語る“プリンスアイスワールドの思い出”

トークショーで最初のテーマに選ばれたのは“プリンスアイスワールド”の思い出。会場では出演時の印象的なエピソードだけでなく、子供の頃にショーを見た思い出話も飛び出した。

伊藤「私が初めて観たアイスショーは夢のような世界で、『いつか佐野稔さんや松村充さんたちがいるあの舞台で滑ってみたいな』という憧れをずっともっていました。1992年のアルベールビル五輪が終わってからはアイスショーに出させていただきまして、アマチュアとは違う大変さを実感しながら、諸先輩方にアドバイスをもらってここまで精進してこれました」

八木沼「私が最初にプリンスアイスワールドを観たのは小学校1年生の時でした。私が習っていた福島美和コーチがアイスショーに出ていたこともあり、選手時代から1年に1回はプリンスアイスワールドに出るようになりました。プロスケーターの演技や華やかさはアマチュアのスケーターとしても勉強になる部分が多く、1年に1回プロの技を盗む場となっています。『フィギュアスケートってこんなに素敵なスポーツなんだな』と思わせてくれる場所でもありますね」

2006年からプリンスアイスワールドに出演している本田武史

本田「僕は2004年に引退をしまして、2006年からプリンスアイスワールドで滑らせていただいています。本当にいろんなことを学ばせていただきましたし、いろんなところへ行って美味しいものを食べたり、12年間も楽しく続けてきました。もちろん、今年もがんばりますよ(笑)」

村上「思い出はたくさんあるのですが、特に小さい頃に(伊藤)みどりさんを観に山田真知子先生が連れていってくれた時がすごく印象的でした。私の中では『ふれあいタイム(※)』というのが他のショーにはないものなので、すごくそれが新鮮ですし、私も観に行ったときに出場している選手にプレゼントを渡したりしていました。そうした他のショーにはない良いところが詰まったショーなんじゃないかなと思います」

(※ふれあいタイム:公演終了後にリンクサイドから出演者に花束やプレゼントを直接渡すことができる、『プリンスアイスワールド』ならではのファンサービス)

小塚は子供の頃に観たプリンスアイスワールドで、伊藤や八木沼が羽を付けて滑っていたのが印象的だったとか

小塚「僕も5歳か6歳くらいの時に観に行って、みどりさんや八木沼さんが羽をつけて華々しく滑っていたのを覚えています。実はその後、楽屋の方にもお邪魔させていただいたんですけど、優しく声をかけていただいた記憶があります。最近では2016年に少しスケートから離れていたのですが、昨年のプリンスアイスワールド東京公演からまた元に戻ることができました。このショーは長い歴史がありながらも常に前に進んでいる感じがして、そこに皆さん惹かれているんだと思います」

「今年も自分らしく滑れれば」と話す樋口新葉

樋口「私はプリンスアイスワールドに参加させていただくのが4年目なんですけど、通常の試合後のエキシビジョンと違って、素の皆さんと滑らせてもらうシーンだったりとか、テーマに合わせた演出で滑るのがとても新鮮で、楽しさも感じています。今年も自分らしく滑れればいいかなと思います」

伊藤みどりが樋口新葉へトリプルアクセルを伝授?

そしてテーマは「先輩から後輩へのアドバイス」へ。まずは男子フィギュアの先輩・本田から後輩・小塚へメッセージが送られた。

本田「フィギュアスケート界というのは、大先輩の先生たちから受け継がれてきたものを繋いで繋いで、今のメダル獲得へ繋がっています。それを今度はアイスショーの方に繋いでいってほしいなと思いますね」

小塚「40年も続いている大会なので、自分のところで途切れさせるのではなく、次の世代へ繋いでいけるようにがんばっていきたいです」

八木沼純子は村上佳菜子にプロスケーターとしての演技だけでなく、テレビ出演の仕事についてもアドバイス

続いて、昨年プロスケーターへ転身した村上に対し、大先輩の八木沼からアドバイス。

八木沼「プロになってからどんどん演技の幅が広がってきていると思うんだけど、いろんなパフォーマンスを通じて、村ちゃんならではの明るさをプロスケーターとして出してほしいかな。あとは最近テレビのお仕事をされているじゃないですか。アイスショーとメディアの仕事って実は似ているところがあって、私たちが氷の上に立てるのは、それを支えているスタッフさんたちの力があってこそなわけで、それはテレビの仕事も同じ。みんなで1つのものを作っていく素晴らしさを感じて、もっと輝いてもらえたらなと思います!」

村上「ありがとうございます。本当に私は小さい頃から周りの人に恵まれていて、たくさんの人たちに支えられてここまで来たと思っています。もっともっとそういう方に感謝をして、アイスショーもそうですし、テレビの仕事もすべて120%本気でやっていくことが、支えてくださる方への感謝の表しなのかなと思います」

樋口新葉にトリプルアクセルのコツをアドバイスした伊藤みどり

そして最後に、女子フィギュアのパイオニア・伊藤からプリンスアイスワールドチームと樋口にメッセージが送られた。

伊藤「まずプリンスアイスワールドチームの皆さんは、今とても進化しているんですよね。特にラインダンスなど速い踊りとかは、氷の上でやるのは相当大変だなと思います。でもそれを乗り切ってほしいし、今やラインダンスはプリンスアイスワールドの見せどころですからね。今回のアイスショーでも見せてくれたらなと思います。
(樋口に対しては)まず、銀メダルおめでとうございます!(拍手) すごいことを成し遂げたんだよ?」

樋口「いまだに実感が湧かなくて、本当に自分が世界選手権で銀メダルを取れたのかなと思っています」

伊藤「本当にすばらしい演技でしたもんね。このままシーズンは変わらずやっていくのかな。それとも新しいバージョンで考えようと思ってるのかな?」

樋口「来シーズンはまた新しい表現をするために、新しいプログラムにしようと思っています」

伊藤「その中で、トリプルアクセルとか新しい技に挑戦していくのかな?」

樋口「一応、そのつもりでいます……。」

小塚「何か誘導尋問しているみたい(笑)」

本田「せっかくだからトリプルアクセルのコツを聞いておこうよ」

樋口「自分は飛び上がって軸を移すのが遅くて、回転がどんどん遅くなってしまいます。軸の移し方を教わりたいです」

伊藤「トリプルアクセルってね、どちらかというと物理なんだよね。振り子がうまく切りかわるといいんだけど、多分新葉ちゃんは私と同じでパワフル型だから、力ばかりでいくんでしょうね。力がある人は力で跳んじゃうので、どちらかというとタイミングで跳ぶといいんじゃないかな……と偉そうに言わせていただきます(笑)。ぜひがんばってください!」

樋口「すごく参考になりました。練習に生かしていきたいです!」

今年は全国6ヶ所で開催

八木沼純子にとってプリンスアイスワールドは「フィギュアスケートってこんなに素敵なスポーツなんだな」と思わせてくれる場所

そして最後に、今回の見どころをプリンスアイスワールドの広報大使でもある八木沼が代表して述べた。

八木沼「今回はプリンスアイスワールドの40周年ということで、いろんなスペシャルなコラボレーションであったり、プログラムであったりが用意されています。今まさにプリンスアイスワールドのチームは作り始めたばかりで、多分1日15時間くらい練習していると思います。なので大変な時期だと思うのですが、皆さん体調には気を付けてがんばってください。今シーズンはゴージャス、ライフ、ミュージカル、シングルという4つの大きなテーマを掲げていて、それをどうやって今村ねずみさん(構成・演出)が構成して作っていくのか、私も楽しみです」

プリンスアイスワールド2018』の横浜公演は4月28日から30日、5月3日から5日の6日間12回公演。その後も八戸公演、滋賀大津公演、東京公演、広島公演と続いていく予定だ。40周年を迎えてなお進化を続ける、伝統のアイスショー『プリンスアイスワールド』。今年もフィギュアスケートファンを熱く楽しませてくれそうだ。

『プリンスアイスワールド2018』は横浜公演を皮切りに、八戸や広島など全5会場で開催予定

イベント情報

『プリンスアイスワールド2018

 日時:4月28日~5月5日(横浜公演)
 開催地:KOSE新横浜スケートセンター
 出演者:本田武史、町田樹、安藤美姫、村上佳菜子、小塚崇彦(全公演) 
     織田信成、友野一希、田中刑事、樋口新葉(4/28~4/30) 
     須本光希、村上大介、宇野昌磨(5/3~5/5) 
     (※その他、順次決まり次第発表)