大御所ミュージシャンが集結したスーパーバンドが日本初来日! ギズモドローム大阪公演をレポ―ト

2018.4.13
レポート
音楽

GIZMODROME 撮影=河上良

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GIZMODROME 2018.0408(sun)メルパルクホール大阪

4月8日、大阪・メルパルクホールにて、大御所ミュージシャンたちが集結したスーパー・バンドGIZMODROMEの初来日公演が行われた。どうしてこんな組合せが実現するのかと、思わず目を疑うほど豪華なメンバーのラインナップ。来日のニュースを聞いたときには、多くの洋楽ファンから歓喜の声が寄せられていた。そしてライブ当日、会場に集まった幅広い世代のオーディエンスたちはみな一様に目をキラキラと輝かせ、ロックキッズさながらの嬉々とした表情でその圧巻のステージを楽しんでいた。今回は日本公演初日、大阪公演の模様をお届けしたい。

GIZMODROMEはスチュワート・コープランド(Dr&Vo)、エイドリアン・ブリュー (Gt&Vo)、マーク・キング(B&Vo)、ヴィットリオ・コスマ (Key&Vo)の4人からなるバンド。スチュワートは元ポリスのドラマーであり、彼の卓越したドラムプレイに影響を受けたドラマーは世界中に数え切れないほどいるだろう。エイドリアン・ブリューはフランク・ザッパ、デヴィッド・ボウイ、トーキング・ヘッズなどの作品やライブに参加。さらにキング・クリムゾンの元メンバーでもあり、現在はソロとしても活躍するギタリストだ。そしてマーク・キングはレヴェル42のベーシストであり、彼の類なきベース奏法には多くのファンが今なお魅了され続けている。プログレッシブバンド、プレミアータ・フォルネリア・マルコーニ(PFM)のキーボーディスト、ヴィットリオ・コスマはその緻密に作りこまれたメロディでバンドの要としても大きな存在感を打ち出している。そんな彼らがデビューアルバム『Gizmodorome』をリリースしたのは昨年のこと。メンバー4人の合計年齢は240歳を悠に越えているにも関わらず、その作品は好奇心に満ち溢れたユニークな内容となっており、今回の来日ツアーに大きな期待が寄せられていた。

GIZMODROME 撮影=河上良

ライブ当日、ステージにはドラムセットが2つ。GIZMODROMEではメンバー全員がボーカルを務めるが、メインボーカルがスチュワートということもあり、ライブではサポートドラマーを起用することに(サポートはPFMのピート・ビギン)。観客の中には開演前からステージに近寄り、メンバーそれぞれの楽器のセッティングを写真に収めるファンも多く、彼らのプレイにいかに注目が集まっているのかが伝わってくる。

GIZMODROME 撮影=河上良

そして待ちに待った開演時刻、「こんにちは~」「お~きに~」と日本語でご機嫌に挨拶をしながらメンバーが登場。1曲目「AMAKA PIPA」から、メンバー全員がこれでもかと圧倒的なプレイを見せつけてくる。オーディエンスはもちろん、メンバーもみな一様に満面の笑みを見せ、この日のステージを大いに楽しんでいるのがひしひしと伝わってくる。次曲「MAN ON MOUNTAIN」ではスチュワートがさっそくドラムプレイを披露!  ゆったりとしたミドルナンバーながら、彼がドラムセットに移動した瞬間に会場からは大きな歓声が沸き起こり、ちょっとしたスティックさばきひとつにも注目が集まる。ボーカルはエイドリアンにバトンタッチされ、楽曲もがらりと雰囲気を変えていく。

GIZMODROME 撮影=河上良

「STAY READY」からスチュワートが上昇感の強い絶妙なリズムを叩きだし、観客のテンションを高めたところで次曲へ進むと、会場から「ワッ!」と大きな歓声が沸き立つ。ライブはまだ始まったばかりだというのに、まさかの「MISS GRADENKO」(ポリス)の披露だ。スチュワートが作曲した楽曲だが、メインボーカルはエイドリアンが担当。エイドリアンとマークの掛け合いももちろんのこと、注目はスチュワートのプレイだろう。ステージ前面にセッティングされたドラムは観客に向かってやや斜めを向いた状態(メンバーと向き合う状態)でセッティングされていたため、レジェンドプレイヤーである彼の演奏が遠くからでもよく見える。キレのいいハイハットさばきもばっちりと眺めることができ、彼がドラムを叩くたびに双眼鏡で食い入るように見入る観客もいるほどで、この上ない眼福だ。

GIZMODROME 撮影=河上良

ポリスの楽曲が披露されたとならば、やはり期待するのはキング・クリムゾンのナンバーだ。アルバム『Gizmodorome』の楽曲が続くなか、 マークのメロディアスなプレイから「ELEPHANT TALK」(キング・クリムゾン)へ。原曲の素晴らしさはもちろんのこと、大御所アーティストたちによるプレイはオリジナルとはまた違うカラーを打ち出し、主役級の4人の音が見事に融合する瞬間には思わず鳥肌が立ってしまった。その後も「DOES EVERYONE STARE」(ポリス)や、エイドリアンとスチュワートそれぞれのソロ楽曲なども展開。GIZMODROMEではマークが十八番のスラップ奏法を封印するかも!?と噂されていたが、この日は高速スラップのほか、卓越した手法も次々に見せてくれた。また、ステージ中盤ではヴィットリオの鮮やかなキーボードにも注目が集まった。ドラム、ギター、ベースと主張の強い3人の音を軽やかにまとめあげる音色はさすがとしか言いようがない。

GIZMODROME 撮影=河上良

次々に披露される楽曲はどれも多彩なジャンルばかり。メンバーそれぞれが繰り出す音はロックでパンク、ときにプログレと遊び心くすぐる楽曲陣が続いていく。若いバンドにはない、熟練した技法はもちろんのこと、年を経てなお衰えぬ好奇心とユーモア、そしてエネルギッシュさが見事にステージで表現されている。今年で御年65を迎えるスチュワートは終始テンションが高く、「Funtastic!!!」と集まってくれた観客に感謝の気持ちを伝えながらステージではしゃぎ回る“白髪のおじさん”の姿からは“老い”の気配なんて微塵もない! そんな彼らの姿を見て、オーディエンスも彼らに負けじと大きく手を伸ばし彼らの音に応える。50代を越えるだろうスーツ姿の男性が熱狂のあまりジャケットを脱ぎ棄て、拳を突き上げる姿はなんとも心熱くするものがある。

GIZMODROME 撮影=河上良

本編が終わり、アンコールを迎えるころには会場全員が総立ち状態! アンコールでも「THELA HUN GINGEET」(キング・クリムゾン)などを披露し、全20曲のステージはあっという間に終わりを迎えた。ステージを去る際、メンバーはオーディエンスと熱く握手を交わしながら、感謝の言葉とともに「Beautiful!!!」と、この日の公演に向けて感嘆の言葉を残しステージを後にした。

GIZMODROME 撮影=河上良

余韻がたっぷりと残る、貴重な一夜。“Beautiful”、たったひとつの単語ではあるが、その言葉の意味がこの日の感情を見事に言い当てているに違いない。

取材・文=黒田奈保子 撮影=河上良

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