アニメ『イングレス』スタッフとジョン・ハンケCEOも来た! 『Ingress』リアルイベント「Mission Day Fukuoka」レポート

2018.4.16
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4月7日、福岡にてスマートフォン向けの拡張現実技術を利用したオンライン位置情報ゲーム『Ingress』のリアルイベント「Mission Day Fukuoka」が開催された。Ingressは定期的にリアルイベントを開催しており、福岡での開催は2回目となる。今回行われるMission Dayは、イベントに合わせて特別に作成されたミッションを参加者全員で回ろうというものだ。ミッションはIngressのゲームの中に登場するポータル(拠点)をいくつか順番に回るスタンプラリーのようなもので、実際にその場に移動しないと、クリアができない。

さらに今回のイベントには、ナイアンティックCEOジョン・ハンケ氏や今夏放送予定のアニメ「イングレス」の石井プロデューサーと櫻木監督も訪れており、それぞれにIngressの続編である『Ingress PRIME』やアニメ「イングレス」の話を聞くことができた。

ミッションデイのオープニングイベントやアフターパーティーが行われたのは、福岡城跡地の舞鶴公園

オープニングイベントには、ご当地アイドル「ふくおか官兵衛Girls」が登場し、パフォーマンスを披露した

福岡市交通局の地下鉄のキャラクター「ちかまる」も駆けつけた。今回は特別に黒田官兵衛バージョンで登場

今回のミッションデイ専用に作られたミッション。これを3つ以上クリアすると、参加した証としてメダルが貰える

ジョン・ハンケCEOが語るIngress・ポケモンGOの魅力

まずはジョン・ハンケ氏にIngressの今後についての話を聞いた。

「ナイアンティックはコミュニティを重視しており、Ingressや『ポケモンGO』などのゲームをリリースしているが、基本的には人を外に連れ出し、人と人が出会うことを理念にしている。そのコミュニティのひとつとしてリアルイベントが存在しています」

「ナイアンティックがユニークな企業であるのはやはりコミュニティにあります。復興支援などで開催することもありましたが、どこでも地元の人と一緒にコラボレーションできるようになりました。日本だけでなく世界各国で行っています。AR技術を使うことで、コストをかけずに地元の良さをアピールできるのも利点です。今までだと何か施設を建築し、莫大なコストをかける必要がありましたが、ARではそういったものが必要ではありません」

「昨年行われたポケモンGOのイベント「とっとりGO」では、8万9000人が鳥取に訪れ、18億円の経済効果がありました。IngressポケモンGOも地元の良い場所を見つけられるようにゲームデザインされているからです。今回のミッションデイも福岡の地に根付いている黒田官兵衛の歴史を掘り下げています」

「現在、インターネットではコミュニティがアプリケーションによって乱用され、ネガティブな印象を持たれています。私たちはインターネット上だけでなく、多くの人を集めるテーブルを用意しています。アメリカでもそういった方向で活動している人も増えてきています」(ジョン・ハンケ氏)

ナイアンティックCEOジョン・ハンケ氏

Ingressがこれだけ長い間支持されてきたのはやはり、コミュニティの力が大きく、その力を発揮できる場をナイアンティックが用意しているということなのだろう。

Ingressは近々、バージョンアップ版のIngress PRIMEがリリースされる予定だ。現状ではリリースタイミングや細かい内容については話せないとのことだったが、ストーリーもイベントもゲーム内容も一度リセットした状態でまったく新しいものとして登場するとのことだ。Ingressに興味があるものの、手を出しにくいと思っていた人にとっては、参入するいい機会になることだろう。

そのIngress独特の世界観をストーリー中心に体験できるのが、アニメ版イングレスだ。ミッションデイのイベントが終わった後に開催されたアフターパーティーに、アニメ版イングレスのプロデューサー石井朋彦氏と監督の櫻木優平氏も登場し、アニメ版についての話も飛び出した。

アニメに登場する3人の主要人物。日本人のような名前と容姿のMakoto(マコト)

金髪の美少女のSarah(サラ)

ちょっと厳つい感じのJack(ジャック)

フジテレビで新設されるアニメ枠「+Ultra」のロゴ

アニメイングレスのトレーラーもアフターパーティーでお披露目された

Ingressの続編タイトルであるIngress PRIMEの画面写真も公開された

この秋OAされるアニメ『イングレス』の内容は?

アニメ『イングレス』は、フジテレビがノイタミナの続き、アニメーション放送枠として新設された「+Ultra」枠で放送される。ノイタミナが『ハチクロ』の為に新設された枠であるならば、+Ultraは『イングレス』の為に新設された枠だ。

Ingressはすでにストーリーがあり、世界観も確立しています。そのうえでアニメの表現としての見せ方も考えていきたいですね。既存のユーザーがこれまでIngrressをやってきてよかったなと思えるもので、一方、アニメと言う新しいメディアを使うことでより多くの人に知ってもらいたいとも思っています」(櫻木監督)

「ナイアンティックからは世界中でエージェント(Ingressのプレイヤー)が活躍していることを盛り込んでほしいとありました。今日のイベントでシャード戦を見たんですが、プレイしている人たちの本気度がまざまざと感じることができました。こういった人たちがIngressを支えていると思うと、よりしっかりしないと、と改めて思います。今回のアニメは3Dモデリングを使用しているので、3Dキャラクターを使ってARで舞台挨拶をするなど、新しい試みができます。アニメが放映したらそういった新たな試みをしていきたいですね」(石井プロデューサー)

「アニメの特徴としては世界の美しさが描写されていることです。ジョン(ハンケ氏)も絵から湿度や空気感が伝わってくると言っていました。アニメのストーリーや世界観などはゲームを踏襲しているわけですが、アニメ側からゲームにフィードバックされることもあります。ダークXMの脅威とか。Ingressをプレイしている人も、アニメから入る人も楽しめると思います」(ナイアンティック川島氏)

石井朋彦プロデューサー

櫻木優平監督

ナイアンティック川島氏

日本での次回イベントは7月28日に札幌だ!

リアルイベントを開催することで、リアルタイムで一緒に体験することを示してきただけに、アニメの放送に合わせて何かしらのイベントを行ってくる可能性は高い。たぶんアニメが放送している時にしか味わえない体験があるのであれば、今からゲームをプレイし、アニメが放送すると同時にその時間を共有すべきだろう。

盛りだくさんのイベントとなった今回のミッションデイだが、当然、福岡の地に降り立った以上は、福岡の味を堪能すべきと、夜の街に行くのも忘れない。それも全国から集まったアクティブなエージェントたちの楽しみでもあるのだ。

リアルワールドゲームであるIngressポケモンGOには、全国から人を運ぶ力があり、被災地の復興を始め、地方都市の活性化も実現している。こういった点はアニメの聖地巡礼に通ずるものがある。気になった人は次回のイベントに参加してはどうだろうか。日本で開催予定のIngressイベントは、近々で7月28日に札幌だ。

アフターパーティーで撮影した集合写真。真ん中にアニメイングレスのキャラクターの3人も一緒に映っている。こういったARを使ったイベントを今後も期待できそうな感じだ

博多と言えばもつ鍋

そしてとんこつラーメン。IngressやポケモンGOで遊んだあとは、街にお金を落としていくのが正しいイベントの参加のあり方だ

取材・文・写真=岡安学

©『イングレス』製作委員会

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