フジロック・ブランドが発信するファッションとメッセージ『フジロック・コレクション』再始動

『FUJI ROCK FESTIVAL '18』（以下、フジロック）と言えば、毎年7月の終わりに新潟県の苗場スキー場で開催されている日本最大級の野外ロックフェスティバルである。20年以上継続して開催されてきたこのモンスター・フェスは音楽ファンのみならず、今では世界的にも周知されているほどだ。今年2018年の7月27日（金）、28日（土）、29日（日）に開催される2018年のヘッドライナーには、ファレル・ウィリアムス（Pharrell Williams）率いるN.E.R.D、最新のグラミー賞を受賞したケンドリック・ラマー（KENDRICK LAMAR）、そしてノーベル平和賞受賞者のボブ・ディラン（BOB DYLAN & HIS BAND）がアナウンスされており、つい先日にはステージ別ラインナップ及び出演アーティスト第8弾が発表されたことで大きな話題となっている。

そんな『フジロック』について、今回はその核である音楽にまつわる話ではなく、『フジロック』の発信するファッションについて注目したい。

一流ファッション・ブランドには一流のモデルが起用され、それらのファッションモデルたちがデザイナーの意図した表現を身にまとい、表舞台に立ち、世の評価を受ける。それと同様に、一流の音楽フェスには一流のアーティストが出演するが、アーティストたちはモデルではないが、そのフェスの音楽性がファッション・イメージに直結していると言える。

例えば、若者をメインターゲットにした都市型フェスや、比較的穏やかな森林でのファミリー向けのフェスなどとは違い、『フジロック』には硬派なイメージがある。それは世界の超一流アーティストが多く出演しているフェスであることだけではなく、アーティストの持つ音楽性やメッセージ性に重きが置かれた（＝売れているだけでは出演できない）独自のこだわりあるラインナップと、会場が大自然の中に設定されていることにより時に大変厳しい自然環境下に身を置く必要があるというイメージから派生しているのかもしれない。何にせよ、『フジロック』と書かれたTシャツを着ると「こだわりを持ったちょっと硬派な自分」を演出できるような気がするのである。

これまで、そのファッション性について語られることは多くなかった『フジロック』だが、今年は『フジロック・コレクション』（略称：『フジコレ』）が再始動されるので、改めてフジロック・ブランドが現在発信しているファッション面について観察してみよう。

■『フジロック・コレクション』いよいよ再始動

「もっと一緒になにかを伝えたい」という発想からスタートした『フジロック・コレクション』が、2018年の今年、再始動することが明らかになった。

『フジロック・コレクション』とは、フジロックが2005年に立ち上げたプロジェクトで、「音楽や自然を介して、お互いが人間として触れ合い、助け合い、愛し合える……、というフジロックの魅力をファッションというプロダクトを通してメッセージを表現していく」というコンセプトのもとに、賛同・共感するデザイナー/クリエイターとともに、フジロックスタイルでの”ファッションと音楽のクロスオーバー” を目指して展開してきた。また、このプロジェクトのもうひとつの目的は、フジロックにゆかりのある故ジョー・ストラマー（伝説的なパンクバンド、ザ・クラッシュのメンバー）の遺族と友人が設立した慈善団体『The Joe Strummer Foundation』（ジョー・ストラマー・ファウンデーション）へ売り上げの一部を寄付することだ。

■ジョー・ストラマー・ファウンデーションとは