アイドルが愛と正義の戦士に変身! 乃木坂46版 ミュージカル『美少女戦士セーラームーン』Team STAR ゲネプロレポート
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(C)武内直子・PNP/乃木坂46版 ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」製作委員会
天王洲 銀河劇場にて、乃木坂46版 ミュージカル『美少女戦士セーラームーン』Team STARによるゲネプロ公演が行われた。
(C)武内直子・PNP/乃木坂46版 ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」製作委員会
国内だけでなく、世界中で今も愛され続ける「美少女戦士セーラームーン」。本作の“25周年プロジェクト”の一環として、アイドルの乃木坂46から選抜された10名による乃木坂46版 ミュージカル『美少女戦士セーラームーン』が開幕した。
「Team MOON」「Team STAR」の2チームによって分かれ、Wキャストでセーラー5戦士を演じる豪華さに加え、主人公・月野うさぎ(山下美月/井上小百合)の親友、大坂なる(山内優花)とクラスメイトの海野ぐりお(田上真里奈)が今回から初参戦。さらに、人間の言葉を話す黒猫ルナ(松本美里/若狭博子)がパペットで登場するなど、パワーアップした点も見逃せない。
演出は、ハイパープロジェクション演劇『ハイキュー!!』シリーズを手がけるウォーリー木下。プロジェクションマッピングや音楽を使い、二次元と三次元を融合させる演出方法で、会場を魅了する。今回は、井上小百合、渡辺みり愛、寺田蘭世、梅澤美波、中田花奈による「Team STAR」のゲネプロ公演の模様をお届けしよう。
(C)武内直子・PNP/乃木坂46版 ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」製作委員会
おっちょこちょいで泣き虫の中学2年生、月野うさぎは、ある日人間の言葉を話せる黒猫ルナと出会う。仲間を集めて、“幻の銀水晶”とプリンセスを探し出し、護る使命があると告げられたうさぎは、「美少女戦士セーラームーン」に変身! 無限のパワーを秘める銀水晶を狙い、ダーク・キングダムの復活を企む女王クイン・ベリルや四天王に立ち向かうため、うさぎの仲間探しがはじまった。
それぞれの個性を反映した変身シーンに注目!
舞台前半は、月野うさぎ(井上小百合)が人間の言葉を話す黒猫ルナと出会い、仲間を探すストーリーを中心に進んでいく。ルナとの出会いから始まり、クラスメイトとの何気ない日常シーンでは、あどけない表情を見せていた井上。「美少女戦士セーラームーン」に変身してからは、タキシード仮面(石井美絵子)の助言に従いつつも、一人の女の子としての愛らしさが際立っていた。
(C)武内直子・PNP/乃木坂46版 ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」製作委員会
一方で、シリアスな局面を迎える舞台後半では、悲痛な叫びを上げるシーンや、芯の強い歌声で運命に立ち向かう姿が印象的。その多才な演技に惹かれて、自然と応援したくなる気持ちが沸き起こった。
そんな井上演じるうさぎに寄り添って、優しく支えていたのが水野亜美役の渡辺みり愛。セーラーマーキュリーに変身してからは、癒し系の笑顔を度々見せてくれた。
(C)武内直子・PNP/乃木坂46版 ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」製作委員会
赤いハイヒールの立ち姿がぴったり似合っていたのは、火野レイ役の寺田蘭世。巫女姿からセーラーマーズに変身する際の演出も、音楽と映像が合わさり、格好良く仕上がっている。
(C)武内直子・PNP/乃木坂46版 ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」製作委員会
木野まこと役の梅澤美波は、170cmの高身長を活かして、スレンダー美女な「まこちゃん」を好演。セーラージュピター変身後の、アクロバティックに動き回る姿が印象深い。
(C)武内直子・PNP/乃木坂46版 ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」製作委員会
セーラーヴィーナスこと、愛野美奈子役の中田花奈は、登場シーンから笑顔を振りまいて観客を惹きつける。うさぎと顔を見合わせ手を取り合う場面は、思わずニコニコするような微笑ましさだった。
(C)武内直子・PNP/乃木坂46版 ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」製作委員会
それぞれの個性を反映した変身シーンは、音楽と映像によって高揚感を高める演出になっている。こちらはぜひ、会場で間近に体感してほしい。
また、クイーン・セレニティを演じる白石麻衣は、映像出演で登場。舞台全体をスクリーンにして投影される白石のセレニティ姿には圧倒される。まさに、プロジェクションマッピングを最大限に駆使した、幻想的な世界が楽しめるシーンになっていた。
(C)武内直子・PNP/乃木坂46版 ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」製作委員会
タキシード仮面とのラブロマンスや敵の色気も見どころ
タキシード仮面演じる石井美奈子は、過去のミュージカル『美少女戦士セーラームーン』シリーズで4年間セーラープルート(冥王せつな)を演じていた。男役に転じた本作だが、トレードマークの赤いマントをひるがえす姿は、絵になるようなかっこよさだ。伏し目や流し目の視線には、毎度どきりとさせられる。
(C)武内直子・PNP/乃木坂46版 ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」製作委員会
うさぎとのラブロマンスは、どのシーンも胸がときめくものばかり。少女の夢を詰め込んだような物語の展開も、たっぷり味わってほしい。
(C)武内直子・PNP/乃木坂46版 ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」製作委員会
歌手で女優の玉置成美が演じる女王クイン・ベリルは、セクシーな衣装とパワフルな歌唱力で悪の魅力を放つ。前世から続くタキシード仮面との因縁もあり、切ない恋物語も見逃せない。
(C)武内直子・PNP/乃木坂46版 ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」製作委員会
クイン・ベリルの配下である四天王は、劇中内の曲調に合わせてガラリと変わる演技や歌声に驚かされる。紳士のようにスマートな一面もあれば、魅惑的な男の表情を見せる四天王は、セーラー戦士とは異なる色気が感じられた。
(C)武内直子・PNP/乃木坂46版 ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」製作委員会
パペットのルナと、うさぎの同級生たちが新規参入
武内直子原作の少女漫画「美少女戦士セーラームーン」では、お馴染みのキャラクターである大阪なると海野ぐりお。うさぎの同級生でもあり、劇中では度々ハプニングに巻き込まれる彼らを、山内優花と田上真里奈が息の合ったコンビプレイで魅せている。
(C)武内直子・PNP/乃木坂46版 ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」製作委員会
さらに本作から初登場となるのが、パペットの黒猫ルナ(若狭博子)。巧みな操演によって、劇中内でも違和感なく、チャーミングで頼りがいのあるルナを見事に再現していた。
(C)武内直子・PNP/乃木坂46版 ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」製作委員会
舞台終演後は、毎回スペシャルライブショーも開催される。有名なナンバーがお披露目されると共に、登場キャラクター全員で盛り上がれる時間になっていた。
乃木坂46版 ミュージカル『美少女戦士セーラームーン』は、6月8日より24日まで天王洲 銀河劇場で公演、その後は9月21日よりTBS赤坂ACTシアターで上演予定。仲間と共に成長していくセーラー戦士の姿が、アイドル乃木坂46によって演じられることで、より眩しさを増したような作品になっている。ぜひ、劇場に足を運んで彼女たちの勇姿を見届けてほしい。
取材・文・撮影=田中未来