金属恵比須が伊東潤とコラボしたプログレ新作「武田家滅亡」のPVを公開
金属恵比須『武田家滅亡』アルバムジャケット (アートワーク:小野眞智子)
いまや日本のプログレ(プログレッシブロック)界を牽引するといっても過言ではないロックバンド、金属恵比須のニューアルバム『武田家滅亡』が2018年8月29日(水)に発売される。ヒット作『ハリガネムシ』以来4年ぶりとなる4枚目のフルアルバム。
本作には、歴史小説家・伊東潤の長編小説「武田家滅亡」(角川文庫)を著者公認のもとで音楽化した同名作品が収録されている。戦国大名・武田家の当主・勝頼(信玄の後継者)の、長篠での敗戦から滅亡に到るまでを綴った、七つのパートからなる壮大な組曲だ。原作小説のオリジナルサウンドトラックを想定して作られたとのこと。伊東が大のプログレ好きで、金属恵比須のファンでもあるという縁からこの企画が実現したという。伊東本人も作詞で参加。
アートワークには、東京モード学園のTVCM(2014年)で注目を浴びた画家・法廷画家の小野眞智子を起用。滅びゆく武田家の家紋(武田菱)が瞳の中に映る凛々しい少女(?)の目をクローズアップしたジャケット画が哀愁を誘う。これは同盟国・北条家から勝頼のもとに14歳で嫁いできた桂姫を描いたものなのだろうか。
そしてこのほど、CD発売に先立ち、表題曲「武田家滅亡」のPV(監督:竹本大河)が先行公開された。
【動画】金属恵比須『武田家滅亡』PV
悲劇の顛末が、重厚な演奏に乗り、テンポよく切れ味鋭く“語る”ように歌われる。名作「ハリガネムシ」で鳴らした稲益宏美のラップ風ヴォーカルが今度は講談調に進化したことで、さらに現代的で聴き易いポップな効果をもたらしている。なお、PVで使用されているライブ映像は、SPICEでも紹介した先日の初関西遠征時のもの。
ちなみにその関西遠征からの帰路において撮影されたCMが下記動画である(なんか笑える)。
【動画】金属恵比須 4th Album『武田家滅亡』発売予告CM
スターレス髙嶋こと髙嶋政宏が書いたアルバムの帯もそそられる文章だ。「蘇る70年代のリフ。憎らしいほどプログレ心をくすぐる。だって好きなんだもん! 鎧兜に銘刀引っ提げ、ついに出陣!!」
思えば、リック・ウェイクマン「ヘンリー八世の六人の妻」「アーサー王と円卓の騎士たち」やカーヴド・エア「マリー・アントワネット」をはじめとして、プログレと歴史ものは相性がいい。NHK大河ドラマ「平清盛」ではEL&Pの「タルカス」がオーケストラのために編曲されてBGMとして使われたこともあった。その系譜の新たな傑作といえそうな金属恵比須の『武田家滅亡』は、プログレファンのみならず、歴史好きにとっても一聴に値するものとなるだろう。
なお、今回は異色の<数量限定!!角川文庫「武田家滅亡」付きセット>の販売もおこなわれる。原作の小説世界と共に音楽を味わいたい向きにはうってつけである。
リリース情報
CD(Ryouki-World Records)
定価:2,500円
取扱予定店舗:ディスクユニオン、HMV、タワ―レコードほか
1. 新府城
2. 武田家滅亡
3. 桂
4. 勝頼
5. 内膳
6. 躑躅ヶ崎館
7. 天目山
8. 道連れ
9. 罪つくりなひと
10. 大澤侯爵家の崩壊
11. 月澹荘綺譚
稲益宏美 ヴォーカル
栗谷秀貴 ベース
後藤マスヒロ ドラム(元・頭脳警察、人間椅子)
髙木大地 ギター
宮嶋健一 キーボード
角川文庫「武田家滅亡」(伊東潤)