久本雅美インタビュー！　友人気分で列席したい『マチャミの婚前披露宴』の見どころとは？

テレビでも舞台でも第一線で活躍を続けるマチャミこと久本雅美が、今年還暦を迎える。その年齢がもつイメージを書きかえていくようなチャーミングでエネルギッシュな久本が、独身というプライベート情報をフル活用（乱用？）したライブイベント『マチャミの婚前披露宴　還暦すぎてもヨロちくび～！』に出演する。開催地は、大阪、東京、新潟、京都、広島の全国5都市。9月の公演で”婚前”に何を披露してくれるのか、実際のところ結婚についてどう考えているのか、インタビューでお話しを聞いた。

愛のメモリーがただのメモリーに？！

ーー今年で還暦になられると知り、大変驚きました。

あっという間ですね。10年前、50歳の時にも『マチャミの婚前披露宴 新郎なしでヨロちくび〜！』という公演をさせていただいたんです。その時は「還暦には本当に結婚をして、赤いウェディングドレスでダーリンと登場する」って豪語したのが、60歳でまさかのパート２（笑）。旦那さんがいない中、豪華なゲストの方々が私に祝辞を述べにきてくださる。それを私は「ありがとう！」って受け止める。そんな妄想の結婚披露宴をさせていただきます。

ーー演出は、WAHAHA本舗のすずまささんです。ゲストの方々についてお聞かせください。

司会は、松尾貴史さん（大坂・東京・新潟・広島）とガダルカナル・タカさん（京都）。歌手の方や物まね芸人の方にもお集まりいただき、ドラァグクイーンのナジャ・グランディーバさんは、うちの梅ちゃん（梅垣義明）と組んでエンターテインメントをみせてくださるとか。柴田さん（柴田理恵）は、友人代表で、エピソードとかを語ってくれるんですかね。勝手に泣くと思いますよ！（笑）　そこからだんだん披露宴なのか？　生前葬なのか？　みたいな展開とか（笑）

キャスティングはすべて皆さんにお任せしたのですが、なんと松崎しげるさんですよ！　「愛のメモリー」！結婚式の名曲！！　結婚式で大御所歌手の方に生で歌っていただくのって、結婚披露宴をする人にはリアルな夢ですよね。それを新郎なしの披露宴で、全力で歌っていただこうという。こんな贅沢なことがありますか？　「愛のメモリー」なのか、ただのメモリーなのか、怒られちゃいますよ（笑）

ーー想像するだけでも楽しくなります！ポスターの久本さんも、ハッピーオーラ全開で。

有名な結婚情報誌の表紙をイメージしたらしいです（笑）。一応お断りしておきますが、読んだことはありません！　でもね、もらったことはあるんですよ。一人芝居のネタで「『ゼク○ィ』を読んだことがない」と言ったら、その年の誕生日に後輩から。「私も」「私も」ってバカみたいにみんなから同じ号をもらって、結局30冊！　おまけのキッチンタイマーも30個！

ーー（笑）。会場には、このポスターの新郎の顔を抜いた撮影スポットも用意されるそうですね。スタッフの方々も、楽しんで披露宴準備されているのが伝わってきます。

ビデオレターが届いたり、花嫁である私自身も皆様への感謝の思いを込めて、全力でバカをさせていただきます。お客さまには、私の友人として参列者のつもりで「おめでと～！」の気持ちでお越しいただき、一緒に弾けていただけたら嬉しいですね。私、プライベートの還暦パーティとかはやりませんし、本当の誕生日も4人くらいで祝ってもらうだけなんですよ。だからこの舞台を「私の人生まるごといかがでしょうか？」という気持ちで、全力でやらせていただきます。楽しんでいただいてなんぼです！

ーー「2018年で『60歳』と聞いて驚く有名人ランキング」（gooランキング）でも堂々1位の久本さんですが、そのエネルギーはどこからくるのですか？

昔からずっと変わらないのですが、お客さんの笑顔なんです。どんなに疲れていても、舞台とかバラエティの場に立ってそこにいる皆さんが笑ってくれると、元気になる。血流が良くなるのかな、不思議だよね。楽しんでいただくことって難しいし、舞台のアイデアが出なくて「どうしよう！」ということもしょっちゅうあるけど、やっぱり好きなんですよね。

ーーアイデアが出なくて「どうしよう」ということもあるのですね。

いつも絞り出すようにしてアイデアを出します。ワハハ本舗では、（2017年まで開催していた全体公演の時など）自分のシーンは自分で考えます。毎公演「これ以上は、もう出ない！」となりながら続けていました。そうやって自分のシーンや笑いと向きあい続けて、引き出しが増えていった感じはあります。

それでもせっぱつまると、時々夢にまで見ます。まだ台詞も決まっていないまま、背中を押されてステージに突き出される夢とか、ステージに出ようとしたら衣装が子ども用みたいなサイズで慌てる夢とか。こういう夢をみるのって、役者同士で話していると結構あることなので、やっぱりみんな、ある意味で人生をかけてお芝居や笑いをやっているんですよね。

お客さまは、時間とお金とパワーを使い劇場に来てくださる。それにどこまで応えられるかを考えると、幕が開くまでの緊張感は今でもパンパない。良いものを作りたいという思いもあるから、ウケた時は、最高にうれしい！　その喜びを知っているから、さらに一歩上の喜びのために、また頑張りたいと思う。そのためにも、舞台に立たせていただけることは本当にありがたいことなんです。

60になってもいい意味で暴れたい

ーー独身をネタにされつつも、年齢にも結婚云々にも縛られない久本さんのイメージに憧れを抱く方は多いと思います。実際、結婚についてはどう思われますか？

結婚って何なんでしょうね、永遠のテーマですよ。結婚を否定する主義ではなく、したい気持ちもありますが、それよりもまず「自分が成長したい」「もっと舞台で力をつけたい」の優先順位が上だったのかな。理想のパートナーを訊ねられると「才能があって、話していると触発されて芸が広がっていくような、エネルギーをくれる人」と言っていました。

ーー好みは変わりましたか？

変わりましたね。今は穏やかで温かくて、私がやりたいと思うことを、好きにやらしてくれる人ならそれでいいです。でももし一緒に暮らすなら、生活リズムが一緒の人じゃないと無理ですよね。もちろんヒモは絶対にイヤなので、経済力はあってほしい。年齢は離れすぎていない人。あとね、できれば炊事洗濯。これは大事。やっぱり料理上手な人がいいよね。疲れて家に帰ったら「今おいしいもの作るから、一杯飲んで待ってて」とか言われたら、も～う最高じゃないですか？！

……って、これ家政婦さんの話？（一同、爆笑！）実際、落ち込んでいる時は一人でいいんです。いい仕事をした時や、いいものに触れた時、嬉しいことがあった時に「聞いて聞いて！」って言えて一緒に喜んでくれる。そんな関係が理想ですね！

ーーありがとうございました。9月より始まる『マチャミの婚前披露宴』、楽しみにしています！

新郎なしで披露宴をする女が、素敵なゲストの方々と全力でバカ騒ぎをします。60になっても自分らしく、いい意味で暴れていけたらと思います！

取材・文・撮影＝塚田 史香