朝夏まなと、宝塚退団後、初の舞台出演!『マイ・フェア・レディ』初めての女役に「女心を一から勉強中です」

インタビュー
舞台
2018.7.11

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2017年11月まで、宝塚歌劇団宙組で活躍していた朝夏まなと。2002年、88期生として入団。『風と共に去りぬ』『ベルサイユのばら—フェルゼンとマリーアントワネット編』『王家に捧ぐ歌』『エリザベート』などで名演し、7代目宙組トップスターとして宝塚を牽引した。そんな朝夏が、退団後初めて出演するミュージカルが『マイ・フェア・レディ』。1956年に米国のブロードウェイで初上演され、ロングランヒットを記録。1964年にはオードリー・ヘップバーン主演で映画化もされたこの不朽の名作に、神田沙也加とのダブル主演で挑む。演じる役どころは、言語学者・ヒギンズのレッスンによって、ロンドンの下町の花売り娘から社交界で脚光をあびる貴婦人へ成長していく女性・イライザ。今回はそんな同作にかける気持ちを、大阪での取材会で語ってくれた。

朝夏は宝塚時代、男役を16年務めてきた。舞台上での凛々しい振る舞いで、多くの観客を魅了。そんな朝夏にとってイライザは、初めての“女役”となる。朝夏は「日常生活から女性らしさを意識しています」と自己流で“レッスン”をしているという。

「今、女心を一から勉強しているんです。普段から、座り方ひとつにしても気をつけています。特に今回は繊細な役なので、(仕草の)ニュアンスをたくさん教えていただきながら、自分でも発掘していきたい。イライザと同じように、私も今、男の人から女の人へ“成長途上”。16年間、男の人を研究してきたので、女役になるのも16年かかるのかな。だけど、イライザの変化とともに私も女優として変化していきたいです」

そんな朝夏が思い描く理想の女性像について尋ねると、「宝塚にいたこともあって、品があり、凛とした女性を見ると、やはり美しいと感じます。所作、歩き方、姿勢。それらが美しい人に憧れます。私も、その理想に近づいていきたいです」とあらためて背筋をのばした。『マイ・フェア・レディ』は、まだまだ世間を知らない女性が、男性の巧みなエスコートによって輝きを得ていくシンデレラストーリー。一方で時代の移り変わりとともに、女性、男性の考え方や立場も少しずつ変わってきた。決して、男性から女性が学ぶことばかりではない。朝夏は、そういった今の男女の関係性、社会性もしっかり交えた作品になっているという。

「貧しかった女性が綺麗になっていくところは、女の子は必ず共感ができる。ただ、現代の女性は強くて、自分の道をちゃんと進んでいる。それは今回の演出にもあります。イライザが自立していく姿が素敵なんです」

また、神田沙也加については、「いろんなことを聞いて、勉強したい」とダブル主演が待ち遠しい様子。「でも、神田さんは小さくて可愛い。私と真逆のタイプです。それに、もともと持っているモノが違う。私自身、どういう女優なのか未知数なので、これからどういうものが(演技として)出てくるか分からない」と、神田とはまた違う個性を持ったイライザができあがりそうな予感。

宝塚歌劇団を退団して、約半年。プライベートでも新しい発見が多く、「時間の使い方に慣れてきました。地下鉄が好きなんです。休日、一人で電車に乗っています。携帯にSuicaが入るんですよ。すごくないですか?」と新生活を満喫中。

「(音楽学校時代も含めて)宝塚に18年もいたので、関西には馴染みがあります。伝統ある作品で主演させていただくことを光栄に思っていますし、私の新しい一面を皆様にお届けしたいです」と自身にとって思い出の地での公演が楽しみで仕方がないといった様子だった。

『マイ・フェア・レディ』のイライザ役は、宝塚の大先輩・大地真央も1990年から20年に渡って演じ続け、退団後の代表作の一つとして知られるようになった。同作出演を機に朝夏も女優としてさらにステップアップを遂げ、映画、ドラマなどさまざまなフィールドで活躍する姿を期待せずにはいられない。

取材・文・撮影=田辺ユウキ

公演情報

ミュージカル『マイ・フェア・レディ』
■脚本/作詞:アラン・ジェイ・ラーナー
■音楽:フレデリック・ロウ
■翻訳/訳詞/演出:G2
■製作:東宝
■配役:
イライザ:朝夏まなと / 神田沙也加(Wキャスト)
ヒギンズ教授:寺脇康文 / 別所哲也(Wキャスト)
ピッカリング大佐:相島一之
ドゥーリトル:今井清隆
フレディ:平方元基
ピアス夫人:春風ひとみ
アインスフォードヒル夫人:伊東弘美
ヒギンズの母:前田美波里
 
 
《東京公演》
2018年9月16日(日)~30日(日)
東急シアターオーブ
 
《福岡公演》
2018年10月6日(土)、7日(日)
久留米シティプラザ ザ・グランドホール

《広島公演》
2018年10月10日(水)、11日(木)
上野学園ホール

《大阪公演》
2018年10月19(金)〜21日(日)
梅田芸術劇場メインホール

《愛知公演》
2018年10月24日(水)、25日(木)
日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
 
《大分公演》
2018年10月31日(水)、11月1日(木)
iichiko総合文化センター iichikoグランシアタ
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