安室奈美恵 『namie amuro Final Space』25年間の軌跡を辿る体感型の展覧会をレポート

2018.7.14
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安室奈美恵の25年にわたる音楽活動の軌跡をたどる体感型展覧会『namie amuro Final Space』が東京、大阪、福岡、沖縄の4会場で開催される。

今年9月16日に引退する安室奈美恵。先日、ラストツアー『namie amuro Final Tour 2018~Finally~』での最終公演では日本はもちろん、海外からも数多くのファンが集結し、大きな話題を呼んだばかり。今回の展覧会では各会場で展示内容が異なり、その内容は単なる“アーティスト ヒストリー”の枠を越え、エンタメ感満載の構成となっている。東京は『search for the memory of namie amuro』として、撮り下ろしの特別映像を中心に活動の軌跡を振り返る、アトラクション型のエキシビジョン。大阪と福岡は『storage of namie amuro』としてそれぞれに展示内容を変え、衣装をはじめとする“モノ”など貴重なアーカイヴを目前に楽しめる展示に。そして沖縄は昨年行われた25周年ライブの衣装や「NEVER END」に関連した映像など故郷である沖縄らしい特別展示となっているという。

今回、大阪(グランフロント内ナレッジキャピタル イベントラボ)が他の会場に先駆けて7月14日から開催されるということで、SPICE編集部がひと足早く現場を視察。その一部模様をお伝えしたい。

まず会場に入ると、今回の展覧会の軸となるストーリーの映像からスタート。「namie amuro Final Space」ではひとつの大きなストーリーとして、2009年にリリースされた35枚目のシングル「WILD/Dr.」、その「Dr.」の楽曲の世界観を軸に構成されているとのこと。今回の展覧会のために作られた映像には本人も出演しており、早くもテンションが高まる。

続いて目に入ったのは、これまでにリリースしたシングルやアルバムの中から抜粋された、デビュー初期のCDジャケットやジャケット写真の展示だ。1992年にSUPER MONKEY’Sとしてデビューした頃のものや、初の単独名義となった「太陽のSEASON」などの8cmシングル、今でいう“短冊CD”がずらりと並ぶ。デビューから25年、もしかするとこの作品を直接目にするのが初めてという人もいるかもしれない。

当時のジャケット写真やアーティスト写真が大判パネルも見応えがあるが、歴代のライブツアーやMV、そしてジャケット写真に使用した衣装など、ファン垂涎のアイテムが並ぶコーナーにはぜひとも長い時間をかけて見てほしい。

これから展覧会に行く人のために詳細は控えるが、一部だけ抜粋すると、『NAMIE AMURO TOUR GENIUS 2000』『namie amuro tour 2001 break the rules』、『NAMIE AMURO BEST TOUR “LIVE STYLE 2006”』など、衣装展示にはツアータイトルやツアー日時、そしてスタイリストやデザイナーの名前までも記載。それぞれの展示ブースではその衣装を着用していたライブ映像も上映され、当時の記憶が鮮明に蘇る内容となっている。衣装は実際に手に触れることはできないが、目と鼻の先ほどの至近距離で見ることができるのはファンならずとも思わず感嘆の声を上げてしまうはず。

鮮やかで美しい衣装の数々を眺めたあと、展示ブースの年月は徐々に2018年へと近づいていく。

最後にはラストツアー『namie amuro Final Tour 2018~Finally~』の衣装のほか、同ツアーで話題となったカナダのクリエーター集団「モーメント・ファクトリー」が制作したステージ用映像が特別展示されている。ラストツアーはドームクラスの会場ばかりで、客席によってはスクリーンでも衣装の詳細が分からなかった人も多いはず。緻密に作りこまれた、まるでオートクチュールのような華麗な衣装からは安室奈美恵への音楽に、ライブに懸けるまっすぐな思いの片鱗を感じることができるかもしれない。

 

展示ブースの最後には今回のイベントのためだけに作られたグッズも販売。

「アーカイブパンフレット」や「NAMIE AMURO DOLL」「石垣島アムラー油」のほか、Tシャツやフェイスタオルなど、ライブツアーさながらのバリエ豊富なグッズがそろう。

なかでも注目なのが、会場限定のガチャガチャだ。アクリルスタンドや缶マグネットなど全121種のラインナップは思わずコンプリートしたくなるはず。

展覧会はこれで終わりではない。最後のブースでは安室奈美恵がデビュー以降表紙を飾った、「ViVi」や「GLAMOROUS」などの数々の女性誌の表紙が壁一面に! さらに、彼女が10代からコラボを続けてきた化粧品メーカー・KOSEのイメージポスターが映像とともに展示されている。

最後の最後まで“安室奈美恵”尽くしとなっている大阪会場の展覧会。東京、大阪、福岡、沖縄とそれぞれに展示内容が異なるため、ぜひとも全会場を巡って安室奈美恵が25年に渡って作り上げてきた"最後の空間"を体感してほしい。

取材・文=黒田奈保子 撮影=河上良

イベント情報

namie amuro Final Space
OSAKA storage of namie amuro 
・会場 ナレッジキャピタル(グランフロント大阪内)イベントラボ (大阪府大阪市北区大深町3-1)
・期間 第1期=7/14(土)~7/29(日)/第2期=8/11(土)~9/16(日) 開館時間=10時~20時
 
TOKYO search for the memory of namie amuro 
・会場 渋谷ヒカリエ 9階ヒカリエホール (東京都渋谷区渋谷2-21-1)
・期間 7/26(木)~9/16(日) 開館時間=10時~21時
 
FUKUOKA storage of namie amuro 
・会場 福岡三越・三越ギャラリー (福岡市中央区天神2-1-1)
・期間 8/12(日)~9/16(日) 開館時間=10時~20時 ※初日(8/12のみ 12時開館)
 
OKINAWA homeland of namie amuro 
・会場 沖縄市・プラザハウスショッピングセンター3階 (沖縄県沖縄市久保田3-1-12)
・期間 8/2(木)~9/16(日) 開館時間=11時~19時