【RUSH BALL 2018 クイックレポ】リーガルリリーの歌が、泉大津の大空を包み込む
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リーガルリリー
RUSH BALL 2018【ATMC】 リーガルリリー
東京発スリーピースバンドのリーガルリリーが登場し、音を鳴らした瞬間、風の色と温度が変わった気がした。1曲目「overtrue」から、「僕のリリー」を立て続けに披露。すかさず「リッケンバッカー」へと展開していくにつれ、これまでとは違ったどこか幻想的なムードがATMCを包み込み、たかはしほのか(Vo/G)の力強い歌声がどこまでも伸びていく。さらりとしたMCでは、「イエーイ! イエーイ!」とマイペースに笑みを見せていた彼女。しかし、ゆきやま(Dr)と海(Ba)のタイトなリズムに乗っかって、ギターをこれでもかとかき鳴らす姿は先ほどとは別人のよう。ロックの衝動のままに、音を鳴らしている間は、己を解き放ちきっている3人の気高く勇ましい姿に観客も釘付けとなる。
リーガルリリー
リーガルリリー
それぞれ異なる想いを持って、全く異なる状況で制作された曲であるにも関わらず、いずれも独自の視点で切り取った情景や、気づかないまま忘れてしまいそうな感情の機微をとてもリアルに、大切に綴られていて、たかはしが歌うとまるでひとつの物語のようにスーッと心の中で繋がっていく。おもむろに「20歳最後の夏なので、ここにこれてよかったです。海とか、山とかより楽しい」と、素直に喜びを語るたかはし。隣のステージのサウンドチェックの迫力に驚きながらも、「……負けません! 暑さにも風にも……、音にも!」と切り出し、「ぶらんこ」へ。陽が沈み始め、風も心地よい時間ということもあり、よりセンチメンタルに響きわたっていた。
リーガルリリー
ラストは、「スターノイズ 」を飛び跳ねながらアグレッシブにプレイ。つんざくような残響をステージに残し、観客と余韻を分かち合った。リーガルリリーは、この春に大阪城野外音楽堂で開催された『RUSH BALL☆R』にも出演していたが、あきらかに今日の方が自由自在で、どこまでも広がる空と芝を楽しむようなステージングだった。きっと、ステージが大きくなればなるほど、より開放的になりバンドのポテンシャルが発揮されるのだろう。もっと大きなステージだと、どんなるのだろうかと、彼女たちの今後のステージに期待が膨らむようなライブだった。
文=大西健斗 撮影=森好弘
RUSH BALL 2018 オフィシャルレポ―ト一覧はこちら
セットリスト
1.overtrue
2.僕のリリー
3.リッケンバッカー
4.ぶらんこ
5.スターノイズ