【RUSH BALL 2018 クイックレポ】サカナクション 新旧織り交ぜた最強のセットリストで魅了
サカナクション
RUSH BALL 2018 サカナクション
初日のトリを飾るのは、昨年に引き続きメインステージへの登場となったサカナクション。今年も大型フェスへ多数出演しているフェスモードな彼らが泉大津に降臨。さらにRUSH BALLでは何度もトリを務めてきているとあって、記念すべき20周年のステージでどんな景色を見せてくれるのか。
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すっかり涼しくなり、風もほどよく絶好のシチュエーションの中、会場のあちこちでサカナトライブの△マークが掲げられると、姿を現したメンバーのシルエットが浮かびあがる。山口一郎(Vo/Gt)がバンドを指揮するように後ろ向きに立つオープニングのあとは、懐かしいナンバー「サンプル」から。胸をわしづかみにするようなせつない山口のヴォーカルが夜空に響くとバンドが徐々にテンションをあげ、恍惚感を何段階にも積み重ねていくアレンジがたまらない。
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そして音は止まることなく次の曲のイントロにすべりこみ、歓声があがったのは『RUSH BALL』では2012年ぶりの演奏となった「アルクアラウンド」。前半の《僕は歩くひとり見上げた月は悲しみです》のところで、頭上の月を指差す山口。今夜の月の美しさを予想した選曲? と思わせるほどのフェスマジックに鳥肌が。美しい夜空の中、歌われるアルクアラウンドは最高すぎて、筆者もレポートを忘れて飛び跳ねてしまった。
サカナクション
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そして、さらに音を止めずに鳴らされたイントロで「ワー!」と歓声があがったのは、フェスの鉄板曲「夜の踊り子」。照明を組み合わせた演出とともにモニターには踊り子のVJが流れ、サビ前のジリジリ感にアドレナリンが出っぱなしに。しかし、まだまだといわんばかりに次に「『RUSH BALL』のツワモノたちよーー!」と投下されたのは、「アイデンティティ」だ。完璧なシチュエーションとオーディエンスの盛り上がりに応えるかのように、Aメロにいつにも増してこぶしをきかせる。腕が後ろまでぎっしりと振られる光景に思わず「すごい!ありがとう!」と感嘆の声を漏らす山口。後半に「ルーキー」のループを重ね、グリーンのライトがステージと会場に放たれ、フロアタムを鳴らす岩寺基晴(Gt)と草刈愛美(Ba)がビートを強めていく。そして、再びレーザー光線が放たれ、物語をつなぐように展開。「『RUSH BALL』20周年おめでとう!」さらに音はとまることなく、モニターには「新宝島」の文字が。ギラギラとはげしい照明の中、スケール感を増していくサウンドに圧倒される。
サカナクション
ここまでノンストップでひとつの曲のようにショーアップされた流れは圧巻だった。そして、「あともう1曲だけやっていい? まだまだ踊れるか!?」と最後は新曲「陽炎」でハンドマイクの山口がステージを自由に動き周りダンシング。サカナクションと『RUSH BALL』の歴史を振り返るようなキラーチューンオンリーのセットリストで歓喜の渦に巻き込み、『RUSH BALL』の初日を締めくくった。
文=岡田あさみ 撮影=渡邉一生
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セットリスト
1.サンプル
2.アルクアラウンド
3.夜の踊り子
4.アイデンティティ
5.ルーキー
6.新宝島
7.陽炎