しゃべる機械たちが紡ぎ出すファンタジー、少年社中「機械城奇譚」開幕
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「少年社中20周年記念第三弾 第35回公演『機械城奇譚』」ゲネプロより。
「少年社中20周年記念第三弾 第35回公演『機械城奇譚』」が、本日8月30日に東京のザ・ポケットで開幕。これに先駆けて同日、同劇場で公開ゲネプロが行われた。
1998年に旗揚げされた少年社中は、今年2018年に20周年を迎えた。20周年記念公演の第3弾となる今回は、10年2月に東京・劇場MOMOで上演した「機械城奇譚」を再演する。脚本・演出を主宰の毛利亘宏が担当し、出演者には劇団員の井俣太良、大竹えり、岩田有民、堀池直毅、加藤良子、廿浦裕介、長谷川太郎、杉山未央、山川ありそ、内山智絵、竹内尚文、川本裕之が名を連ねている。なお少年社中が劇団員のみの公演を行うのは11年ぶりとなる。
本作の舞台は、壊れた不思議な機械だけを扱うとある店、通称“機械城”。ある日の深夜に店長(井俣)が店で1人過ごしていると、彼に呼ばれたと言う女(大竹)が訪ねてくる。どこか噛み合わない会話に困惑する彼らをよそに、店には午前0時の鐘と共に人の言葉を操る“機械”たちが姿を現す。彼らは「誰が一番素敵な機械かを決めてほしい」と言い……。
スモークが立ち込める中で暖色の電球に照らされた舞台上には、無数のメモ用紙が貼られた木製の棚や机、箱が設置され、ノスタルジックな雰囲気を醸し出している。ファンタジックな本作のストーリーは、登場人物たちの掛け合いに乗ってテンポよく展開。機械たちは自分の魅力をアピールするために劇中劇を演じ、店長と女を引き込みながらにぎやかにパフォーマンスする。戦隊ヒーローをイメージした劇中劇の一場面では客席を巻き込んだ演出もあるので、ぜひ参加してみては。
優しい笑顔を浮かべながらもシリアスな場面では激しく感情をあらわにする店長を、井俣は緩急のある演技で表現して観客を引きつける。大竹は、初めは機械たちに困惑しつつも劇中劇のシーンでは元気いっぱいに声を張り上げる女を、全身で表現した。
また個性豊かな機械たちも、本作の見どころの1つ。機械たちのまとめ役“映写機”、「宇宙は自分のもの」と豪語する“天球儀”、寡黙でミステリアスな“時計”、物語を作るのが得意で天真爛漫な“タイプライター”、眠ってばかりの“スタイリングチェア”など、陽気な機械らが繰り広げるアクションやダンスなどのパフォーマンスにも注目だ。二転三転する物語の結末は劇場で確かめよう。
上演時間は休憩なしの約2時間。本編終了後には“スペシャルカーテンコールショー”と称したパフォーマンスが行われ、こちらは撮影可能となっている。公演は9月9日まで。
なおステージナタリーでは、少年社中の20周年を記念した特集を展開中。第1弾では劇団にゆかりのある48名からのお祝いコメント、第2弾では劇団員12名による座談会を掲載している。
「少年社中20周年記念第三弾 第35回公演『機械城奇譚』」
2018年8月30日(木)~9月9日(日)
東京都 ザ・ポケット
脚本・演出:毛利亘宏
出演:井俣太良、大竹えり、岩田有民、堀池直毅、加藤良子、廿浦裕介、長谷川太郎、杉山未央、山川ありそ、内山智絵、竹内尚文、川本裕之