ニューロティカ × グループ魂 深い仲の2組によるレアで笑顔に満ちた夜
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ニューロティカ 撮影=中島たくみ
『Way to 2000 2 MAN SHOW』ニューロティカ×グループ魂 2018.9.19 渋谷TSUTAYA O-WEST
10月20日(土)東京・ZEPP TOKYOにて行われる、通算2000本目のライブ『Zepp de NEW ROTE'KA ~祝2000本達成ライブ~』を控え、2000本を目前としたカウントダウン・ライブシリーズ『Way to 2000 2 MAN SHOW』を開催中のニューロティカ。通算1997本目のライブであり、ツーマンシリーズ3本目となるグループ魂とのツーマンライブが、9月19日(水)渋谷O-Westにて行われた。
グループ魂 撮影=中島たくみ
グループ魂とは、暴動(Gt)がニューロティカの大ファンを公言しており、宮藤官九郎選曲のベスト盤『ベスト・オブ・ニューロティカ』を発売。同じく大ファンを公言している石鹸(Dr)は、自身の名前が冠につく「石鹸ロックフェスティバル」にニューロティカを招聘。さらにグループ魂にあっちゃんをフューチャリングした「I was PUNK!!~グループ魂にあっちゃん(NEW ROTE'KA)は?~」をリリースするほど、ずぶずぶに深い仲。そんな仲とはいえ、メンバーが多忙を極めて活動もなかなか難しいグループ魂とのツーマンは、かなり貴重だったといえる。
ニューロティカ・ブラックアツシ 撮影=中島たくみ
開演前、「よく来たなブタ野郎ども!」の叫びと怪しげなBGMで登場し、突如ステージを占拠したのは、全身真っ黒な衣装に身を包んだ“ブラックロティカ”。アツシの悪の化身だと語るブラックアツシは「なんだよ、ババァばっかじゃねぇか!」と毒づくと、「楽屋でニューロティカのアツシを半殺しにしてきたよ」と語り、「地獄のショーの始まりだ、この世を黒く染めてやる!」と高笑い。かといってこの日、ブラックロティカは何か悪行を働くわけでも、演奏をするわけでもなかったが、「ZEPPで会おうぜ」とZEPPワンマンへの再襲来を予告してステージを去っていった。
グループ魂・破壊 / 港カヲル 撮影=中島たくみ
グループ魂・暴動 撮影=中島たくみ
先行はグループ魂。歓声に迎えられて登場した港カヲル(46歳)は「ニューロティカとは女である。なぜなら、ジェームスだったらギリヤレるから」と、決して上手くはない謎掛けを披露すると、「ライブ通算2000本だって。凄いよね? 何が凄いって数えていたのが凄い!」とロティカについて語る。「でも気持ち悪くない? だって、結婚34年目の旦那が、これまでやった回数を数えてたら引くでしょ?」という例えに妙に納得する中、メンバーがステージに登場。石鹸の軽快なドラムに破壊(Vo)が登場し、「行きましょうか~!」と「津川雅彦」でライブスタート。「チャーのフェンダー」ではバイト君が高いジャンプを見せ、港カヲルがエアギターを見せると、破壊を加えた3人でセンターに立ちポーズを決める。可愛いおじさんたちだなぁ!
グループ魂・小園 撮影=中島たくみ
グループ魂・遅刻 撮影=中島たくみ
前半戦を終えると、なぜか興奮状態の破壊。スリッパをめちゃくちゃに投げ、「オッオッオッ」と吠えながら地団駄を踏む破壊に、メンバーから「ブロディ! ブロディ!」とブロディコールが上がったり、キャップにTシャツ、ビーチサンダルと、グループ魂グッズをポップにコーディネートした女子高生スタイルで登場した港カヲルが後ろを向いて、「見納め、見納め!」とメンバーにち〇こをちら見せしたりと、フザケっぱなしの7人。MCに続いて、暴動のギターがリードして始まった曲は、新曲「もうすっかりNO FUTURE!」。正統派パンクサウンドに、キャッチーなサビと破壊のトークを乗せた“トーキング・パンク”と呼ばれるこの曲。悲しいリアルを受け止めて笑い飛ばす反逆の姿勢は、最高にロック!
グループ魂 撮影=中島たくみ
中村屋華左右衛門の大向うで再び、たっぷり悪ふざけした後、「君にジュースを買ってあげる▼」「押忍! てまん部」と人気のナンバーが続いて会場を沸かせると、「Over 30 do The 魂」では港カヲルと手を繋いだナボ(ニューロティカ/Dr)がステージに登場。二人でいちゃいちゃしたり、いらないコーラスを入れたりとさんざん邪魔をして、何をしに来たのかと思っていたら、石鹸がドラムから降りてくる。ナボがドラムを叩き、始まった曲は石鹸主役のナンバー「男は泣く」。いつもとは異なるビートで楽しそうに演奏する楽器隊、気持ちよさそうに歌い上げる石鹸。代わりのドラムがいないと演奏出来ない曲なので、このステージはファンにとっても貴重だったはず。ラストは会場中が拳を突き上げた「ペニスJAPAN」、「モテる努力をしないでモテたい節」でグループ魂のステージが終了。容赦ない全力の歌と演奏とパフォーマンス、そして遠慮のない悪ふざけにニューロティカへの強い愛を感じた。
グループ魂 撮影=中島たくみ
ニューロティカ・アツシ 撮影=中島たくみ
楽器隊がグループ魂に寄せた、黒の革ジャンスタイルで登場したニューロティカは「八王子生まれ、ニューロティカ育ち!」と、緑の全身タイツにスイカのかぶりもの、そして“八王子観光PR特使”と書かれたタスキをかけたスイカマンスタイルであっちゃん登場。「スイカマン」で♪パッパラッパパーと、スイカマンが陽気にステージを跳ね回って、こちらも遠慮のない悪ふざけでライブがスタート。さらに「Fuckin’Boys~ガンツタレナガシの術~」であっちゃんが疾走感ある演奏に乗せて派手なパフォーマンスを見せると、「ア・イ・キ・タ」ではナボのキレキレのビートにジェームス(Gt)が攻撃的なギターを放ち、カタル(Ba)が無意味にぐるぐる回り続けて――と、容赦ないステージでグループ魂への愛を表現。前半戦でグループ魂ファンの心をしっかり掴む。
ニューロティカ・アツシ 撮影=中島たくみ
「みなさんのご機嫌を伺いながら、老体にムチ打って頑張っていきたいと思います。通算ライブ2000回って、記録には残らないかも知れないけど、記憶と仲間が僕の財産です」と、マジと笑いを交えたMCで始まった「OH! 忙し」では、曲の途中であっちゃんが革ジャンを背負い、グループ魂「もうすっかりNO FUTURE!」のカバーを披露。トークパートでは、<やだね、中年は あ、オレ初老です>などと歌詞まで変えて、曲をすっかり自分のものにしていたあっちゃん。完成度の高いカバーに会場中から笑いと拍手が起きる中、再び「OH! 忙し」に戻ると、「SHIBI DE BABI DE BOO!」「ラッキーライフ」と駆け抜ける。
ニューロティカ・ジェームス 撮影=中島たくみ
ご機嫌を伺いながら、“老体にムチ打った”ここまでのステージで、グループ魂ファンの心をしっかり掴んだと思いきや、ここでやらかすのもあっちゃん。「ロックンロール風俗 part2」で「八王子の伝統芸能です」と卑猥な艶歌を披露すると、お客さんはどん引き。「おかしいなぁ? なんで魂のときとリアクションが違うの!?」と焦るあっちゃん、懲りずに続けるも引かせるばかりで「オレの方が恥ずかしいよ!」と白塗りの顔が真っ赤に見えるほど照れる。汚名返上とばかりに披露した八王子を歌った曲「オレンジの快速に乗って」はたっぷり気持ちのこもった歌で聴かせ、なんとかペースを取り戻す。
ニューロティカ・カタル 撮影=中島たくみ
ニューロティカ・ナボ 撮影=中島たくみ
ミラーボールが回る中、力強い歌声と演奏で聴かせた「俺達の世界」で始まった後半戦は、「…to be HARLEM」、「憧れのRock’n Roll航路」「飾らないままに」と観客も歌って踊らせて、聴かせるところはしっかり聴かせてと緩急つけた楽曲で心を揺さぶり、悪ふざけとマジが抜群のバランスで交錯するニューロティカの魅力や振り幅を見せつける。MCで目前に控えたZEPPを語り、「お約束しましょう、見たことのない世界をお見せします」と自信満々に語っていたあっちゃん。ZEPPに向けて着々と仕上がっている感のあるこの日のライブを見てたら、その言葉にはちゃんと裏付けがあるし、嘘がないと思った。
ニューロティカ・アツシ/ジェームス 撮影=中島たくみ
ニューロティカ 撮影=中島たくみ
本編ラスト「チョイスで会おうぜ」の曲中には再び革ジャンを着て、グループ魂「君にジュースを買ってあげる▼」のカバーを披露して、会場を沸かす。中村屋華左右衛門を真似た大向う、「藤屋!」「八王子本町●-●!」「042-●●●-●●●●」と実家のお菓子屋の住所や電話番号まで暴露する身を切ったネタでグループ魂に対抗。あっちゃん、偉い!
「せっかくだから、友達呼んでやりますか~!」と始まったアンコールでは、グループ魂のメンバーがステージに登場すろと、石鹸がドラムを入れ替わりって暴動がギターを背負い、11人の大所帯で「I was PUNK!!~グループ魂にあっちゃん(NEW ROTE’KA)は?~」を披露。「ロックンロールクレイジーラン」で暴動が愛情をたっぷり込めた痛快なギターで魅せると、小園(Ba)がフロアに飛び込むほどの盛り上がりを生んでライブは終演。たくさん笑ってたくさん興奮した、最高に楽しい一夜となった。
9月24日(月)のvs氣志團で5本のツーマンショーを終えた『Way to 2000 2 MAN SHOW』を経て、10月13日(土)開催のGAUZE主催『消毒GIG VOL.170』に出演し、いよいよ10月20日(土)東京・Zepp Tokyoにて『Zepp de NEW ROTE'KA ~祝2000本達成ライブ~』を行う。ZEPP TOKYOワンマンの
取材・文=フジジュン 撮影=中島たくみ
ライブ情報
2018年10月20日 Zepp Tokyo
開場 18:00 開演 19:00