ミュージカル『刀剣乱舞』 トライアル公演最速レポート

ミュージカル『刀剣乱舞』 トライアル公演最速レポート

超人気ゲームのまさかの舞台化として話題沸騰の『ミュージカル『刀剣乱舞』 トライアル公演』10月30日の初日、マスコミ・関係者向けに公開ゲネプロが行われた。ゲネプロにかかわらず会場内は満席状態であり、『ミュージカル『刀剣乱舞』 トライアル公演』に対する期待の高さが伺えた。

舞台上には炎が燃え上がっている、大量の兵士たちと戦う源 義経とその部下である武蔵坊弁慶。戦いに敗れた二人はが今、まさに自刀しようとする場面から始まる。彼らは歴史上では源頼朝に疎まれて都を追われ、平泉にて藤原泰衡の裏切りにより戦に敗れた末、自刀して果てるのである。しかしそれはあくまで歴史上の話。舞台上ではここから思わぬ方向に話が展開して行く。
 

悲しい歴史の一場面を見せた後、舞台上には三日月宗近役・黒羽麻璃央、小狐丸役・北園 涼、石切丸役・崎山つばさ、岩融役・佐伯大地、今剣役・大平峻也、加州清光役・佐藤流司の6人の刀剣男士が颯爽と登場し、声高らかに6人の特徴を表すナンバー『刀剣乱舞』が歌われる。

迫力のあるライブシーンの後、日常の風景を思わせる場面に切り替わり、「歴史の転換の舞台である阿津賀志山の様子がおかしい」との司令を受け偵察のために加州清光、三日月宗近、小狐丸、石切丸、岩融役、今剣という個性がバラバラなメンバーで出陣することになる…という導入から始まる物語は原作であるオンラインゲーム「刀剣乱舞-ONLINE-」（DMMゲームス/Nitroplus）の設定を活かしつつ展開。
 

畑の場面では三日月宗近役の黒羽麻璃央と小狐丸役の北園 涼が登場し、のんびりと農作業をするなどファン垂涎のシーンが挿入されたり、キャラクターの雰囲気をビジュアルだけでなく活かした物語となっていた。
 

舞台が源義経を巡る展開ということで、義経の守刀である今剣役の大平峻也と武蔵坊弁慶の薙刀である岩融役の佐伯大地の兄弟のような友情と心の動きが秀逸。
 

曲者揃いの部隊をまとめるため苦悩する加州清光役の佐藤流司と石切丸役の崎山つばさがぶつかり、分かり合う場面や、三日月宗近役・黒羽麻璃央が「舞を一差し」と語ってから歌い上げる『返歌 名残月』や、小狐丸役・北園 涼の激しいアクションなど見どころ満載。

脚本も歴史上の悲劇と原作の世界観を華麗にマッチングさせ、モノとして生まれた刀剣男士達の心の動きを見事に表現していた。また特筆すべきは舞台美術であり、プロジェクションマッピングを大胆に使い、様々にその姿を変えるSTAGEは圧巻。
 

 

全てが終わった後で、6人の刀剣男士達は優しいメロディが印象的なナンバー『キミの詩』を歌い上げる、話題先行だけではなく内容と演者の熱量、そしてそれを包み込む観客の期待、全てが一つになったエンターテイメント空間が生まれた、そう思わせてくれる優しさと力強さが溢れ出る舞台だった。

撮影は不可だったが2部のライブは予想外の衣装や展開、激しい楽曲が満載！まるでアイドルのような衣装に身を包んだ刀剣男士はキャラのイメージを損なうことなく、しかし大胆なアレンジで関係者で埋め尽くされた劇場を興奮のるつぼに落としていた。2部はペンライト使用OKなのでどんどん声を出して盛り上がれそうだ。

ミュージカル『刀剣乱舞』 トライアル公演は2015年10月30日（金）から11月8日（日）までAiiA 2.5 Theatre Tokyoにて。また、千秋楽公演のライブ・ビューイングも決定している。

©2015 ミュージカル『刀剣乱舞』製作委員会