DDT男色ディーノ、“最後の役目”を果たすため両国国技館のメインに立つ「いっそアイコンとしての最期を」

2018.10.11
インタビュー
スポーツ

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DDTプロレスリングは今、20年以上の歴史の中で初めての局面に対峙している――。昨年9月にサイバーエージェントの子会社化したことで、「AbemaTV」を始め露出の場は増えたものの、プロレス団体として新しいフェーズに入ったことにより、手探りの時代にも突入してしまった。そこで立ち上がったのが、DDTのアイコンである“ゲイレスラー”男色ディーノ。10月21日(日)に東京・両国国技館にて開催されるビッグマッチ『両国ピーターパン2018~秋のプロレス文化祭~』のメインイベントのリングに、KO-D無差別級王者として立つ彼が、変化の時にあるDDTの今、そして自身に課した“最後の役目”について語った。

――試合に向けて何か特訓していることなどがあったら、言える範囲で教えてください。

いつものように食っちゃ寝、食っちゃ寝の繰り返し。あとは、夜のスパーリングを入念に。

――対戦する佐々木大輔選手は、ヒールユニット・DAMNATION を率いるカリスマとして観客人気が高いのに加えて、プロレス技術やインサイドワークにも定評があります。警戒している部分はどこでしょうか?

佐々木も、普通を嫌うプロレスラー。私とは手が合うかもしれないし、合わないかもしれない。警戒している部分は、普通を嫌うがゆえのトリッキーな攻撃ね。基本がしっかりしているから基本で来るかと思いきやの予想外の攻撃、これに注意。あとは、性癖ね。意外と快楽主義なので、私の“ゲイ殺法”が受け入れられてしまう恐れも……。

竹下幸之助、CIMA

――DDTの若きエースである竹下幸之介選手と、DRAGON GATEのCIMA選手がぶつかるセミファイナルを楽しみにしているプロレスファンも多いようです。メインに立つ王者として、「食われるまい」と意識している部分はありますか?

他の試合を食う、食わないの次元は超越したわ。というのも、元々賛否両論ある試合をしようと思っているので、同じ軸にない。結果、眼中にない。セミが一番面白かったと思う人も出てくるでしょう。それは特に気にならない。ただ、普通の団体のメインイベントのような試合にはならないでしょうね。DDTでしか見られないモノ。そこにこだわっているもんで。

――ディーノ選手が『両国ピーターパン』で注目している試合と、その理由を教えてください。

注目カードはズバリ、スーパー・ササダンゴ・マシン(試合前に自身の勝機を解説する“煽りパワポ”で人気のマスクマン)とアンドレザ・ジャイアントパンダ(北海道根室市のプロレス団体・新根室プロレスに所属する身長3メートルのパンダ)になるでしょう。パッと見だけでもインパクトある試合になるのは間違いない。さらに言うなら、他の団体では見られないササダンゴならではのDDT流味付けに期待。

スーパー・ササダンゴ・マシン、アンドレザ・ジャイアントパンダ

私は今の自分のことを“DDTのアイコン”だと思っていない

――ディーノ選手がKO-D無差別級王座を戴冠した9月の東京・後楽園ホール大会について聞かせてください。試合前の煽りVTRでは、「DDT激動の時代」や「みんなが手探り」といった言葉が出てきました。どういった現状を受けて出てきた言葉なのでしょうか?

単純に「サイバーエージェントの子会社となって運営基盤が変わった変化の時」って意味ね。さらに突っ込んで言えば、「AbemaTV」で無料で試合が見られるようになったことで、初めてDDTやプロレスを見る人が増える中でどういう試合を提供するべきか。初心者と常連が混在する中、自分がどういう商品を提供するか。その部分が手探りの年だったと。

――煽りVTRの中で、ディーノ選手は「みんなが手探りなら、先陣を切るのが私の“最後の役目”かな」とも発言していました。8月に団体のプロデューサーを辞任していますが、“最後の役目”というのは、プロデューサーとして最後ということでしょうか? プロレスラーとして第一線を離れることも視野に入れているのかと不安になりましたが……。

んー。あらゆる意味で、かな。実は私は今の自分のことを“DDTのアイコン”だと思っていないんだけど、周りはそうではない部分もある。だったら、もういっそアイコンとしての最期を、というのが一番強い想い。

男色ディーノ、佐々木大輔

おそらく私のキャリア最後の両国メインだから

――なかなか含みのある答えですね……。今夏は、当時王者だった入江茂弘選手(9月末でDDTを退団。『両国ピーターパン』で壮行試合が行われる)が「今のDDTには熱がない。すべての責任は男色ディーノにある」とディーノ選手を真っ向批判して、2人のやり取りに注目が集まりました。ディーノ選手は冷静な態度を貫いていましたが、当時考えていたことを教えてください。

「全ての責任は私にある」それはプロデューサーをやってた以上、間違いではないわ。そこは受け入れる。プロデューサーなんて、責任を取る役目だからね。ただ、「私が全責任を取るとして、選手自身そこが甘えになるならば責任取る意味あんまりないなあ」とは思ってた。選手1人1人が商品の自覚がないのは良くない傾向だ、と。ただ、その状況も引っくるめて私への批判なのかなという理解だったので、その点にはあまり触れず受けて立ちましょう、と当時は考えていたわ。

――入江選手だけでなく、CIMA選手も「DDTには熱がまだまだ足りない」と発言しています。ディーノ選手としては、自身がメインで戦う姿を通して、お客さんだけでなく選手にも何かメッセージを伝えたいと考えていますか? もしその通りでしたら、どんなメッセージを伝えたいでしょうか?

外から来た人、外を見た人が「熱が足りない」と感じるならば、そこは事実なんでしょう。ただ、根本的に「熱って何?」っていう疑問もある。あくまで私はだけど、この熱というのは「選手が持つ熱い気持ち」だと解釈しているの。そういう意味では、おそらく私のキャリア最後の両国メインだから、私の存在証明をしたい。男色ディーノという色物レスラーが団体のチャンピオンなんだよ、DDTってそういう団体なんだよっていうのを伝えたいわね。

――とくにどんな方に今回の『両国ピーターパン』、そしてご自身のプロレスを観てもらいたいでしょうか?

プロレスやDDTに限らず、こういうイベントごとって、映像で見るのと現場の空気を味わうのでは全然体験として違うから、なんとなく気になるなら会場来てみたらいいと思うよ。花火も映像で見るのと生で見るのでは感じ方違うでしょ? 気軽な気持ちで、なーんも考えず。お祭りなんで。「プロレスってどんなんだろ?」ってちょっと気になってる人に見に来てもらいたいわ。

 

取材・文/原田イチボ@HEW

 

イベント情報


【大会名】両国ピーターパン2018~秋のプロレス文化祭~
【日時】2018年10月21日(日) 開場13:30 開始15:00
【会場】東京・両国国技館
【席種】ドラマティック・ドリーム・シート完売、アリーナ席完売、マス席A 10,500円(当日11,500円)※残りわずか、マス席B 7,500円(当日8,500円)※残りわずか、マス席C 5,500円(当日6,500円)※残りわずか、2Fイス席A 5,500円(当日6,500円)、2Fイス席B 4,500円(当日5,500円)、2Fイス席C 3,500円(当日4,500円)
※マス席は1マス単位での販売ではなく、お一人様につき1枚の販売。基本的に1マス2名様でのご利用となります。
 
 
出演: <メインイベント~KO-D無差別級選手権試合> 
[王者]男色ディーノ vs 佐々木大輔[挑戦者] 
 
<セミファイナル~ドラマティック・ドリームマッチ> 
竹下幸之介 vs CIMA 
 
<入江茂弘壮行試合> 
HARASHIMA&坂口征夫 vs 入江茂弘&石井慧介 
 
<ALL OUT vs #STRONGHEARTS!スペシャル6人タッグマッチ> 
彰人&勝俣瞬馬&飯野雄貴 vs T-Hawk&エル・リンダマン&トアン・イーナン 
 
<スーパー女子プロ大戦2018> 
赤井沙希&伊藤麻希 vs 里村明衣子&カサンドラ宮城 
 
<KO-D6人タッグ選手権試合> 
<王者組>高尾蒼馬&遠藤哲哉&マッド・ポーリー vs 大鷲透&平田一喜&上野勇希<挑戦者組> 
 
<総研ホールディングス presents 食うか食われるか!? ジャイアント・スペシャルシングルマッチ 
スーパー・ササダンゴ・マシン vs アンドレザ・ジャイアントパンダ 
 
<年の差27歳! 代表取締役社長(48歳)と所属選手(21歳)による血で血を洗う抗争劇・最終決着ウェポンランブル!> 
高木三四郎 vs MAO 
 
<The Worlds Crazy Couple決定戦 
大石真翔&大畠美咲 vs ジョーイ・ライアン&ローラ・ジェームス 
 
<ガントレットタッグマッチ> 
[出場チーム]マイク・ベイリー&アントーニオ本多、渡瀬瑞基&ジェイソン“ザ・ギフト”キンケイド、樋口和貞&梅田公太、 
KUDO&高梨将弘、タノムサク鳥羽&奥田啓介、松永智充&中澤マイケル 
 
<アンダーマッチ~白川未奈DDT初参戦!女子プロレス6人タッグマッチ> 
山下実優&上福ゆき&白川未奈 vs 坂崎ユカ&瑞希&中島翔子 
 
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