福田一雄(指揮)バレエの真髄を知る楽団ならではのコンサートを!
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福田一雄
バレエの真髄を知る楽団ならではのコンサートを!
日本唯一の“バレエのための管弦楽団”として、熊川哲也が芸術監督を務めるK バレエ カンパニーを支え続ける「シアター オーケストラ トーキョー」が、創立10周年記念演奏会を行う。音楽監督・福田一雄は、言わずと知れたバレエ指揮の第一人者。その活動は60年にも及ぶ。
「貝谷バレエ団の『シンデレラ』日本初演で稽古ピアノを弾いた時から数えれば60年以上でしょうか。最初は各バレエ団から稽古ピアノの声がかかり、本番を振る指揮者の横で助言している内に、『福田さんが振った方が踊りやすい』と言われて指揮を始めました。以来多くの舞台に関わり、例えば『白鳥の湖』の演奏は3000回を超えています。ただ、即興的なところは、ジャズやシャンソン、ミュージカルに携わった経験も大いに役立っていますね」
バレエ音楽には「3種類ある」という。
「1つ目は序曲のような“音楽100パーセント”、2つ目は“踊りの伴奏”、3つ目は芝居の後ワルツになる…といった“音楽50+舞台50”のケース。このうち3つ目がシンフォニー指揮者にはできない。稽古ピアノの経験などを通した“あうんの呼吸”が必要です。それにバレエは、衣裳、照明、装置を含めた総合芸術であり、なおかつオペラとの違いは、舞台上にいるのが演奏家ではないこと。だからこそオーケストラが重要なポジションを占めていると思っています」
シアターオケは「音楽に色があり、情景を表現できる日本唯一のオーケストラ」とも語る。
「『劇場音楽の延長線上にあるのがシンフォニー』との観点から演奏するオーケストラは他にないでしょう。今回もその特徴を生かしたオール・チャイコフスキー・プログラムに。『イタリア奇想曲』はイタリアの空に触発された色のある作品、交響曲第5番も歌やワルツなど彼の特色が最も出ている作品ですから、シアターオケだからこそ可能な交響音楽をお聴かせできます」
これら2曲は、「オペラの下稽古など、日本人としては稀な勉強をしている」と福田からの信頼厚い、同楽団の指揮者・井田勝大が振る。そして福田は自身編纂した『チャイコフスキー・スウィート』を世界初演する。
「『白鳥の湖』の序奏、同じく黒鳥の場面のヴァイオリン独奏、『眠れる森の美女』の序奏、ハープのカデンツァ、パ・ダクシオンのチェロ独奏、『くるみ割り人形』の序曲、中国やこんぺい糖の踊り、数あるチャイコフスキーのワルツの中で私が一番好きな『くるみ〜』の最後のワルツ、『白鳥〜』のナポリの踊りのトランペット独奏等を経て、交響詩的な『白鳥〜』のフィナーレに至る35分強の音楽になる予定です。通常の組曲とは違った視点による構成と、同楽団が誇る各楽器の名手のソロを楽しんでいただけます」
他では聴けないチャイコフスキーの妙味を、ぜひ体験したい。
取材・文:柴田克彦
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年11月号から)
■日時:11/15(日)14:00
■会場:Bunkamuraオーチャードホール
■出演:
指揮:福田一雄(シアター オーケストラ トーキョー音楽監督)
指揮:井田勝大(シアター オーケストラ トーキョー指揮者)
■曲目:~オール・チャイコフスキー・プログラム~
イタリア奇想曲 Op.45
チャイコフスキー・スウィート(福田一雄セレクトによる新バレエ組曲)
交響曲第5番 ホ短調 Op.64
■問合せ:
■公式サイト:http://www.theater-orchestra-tokyo.com/
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