ジョンB & ザ・ドーナッツ! セルフレポ企画第3弾、今回筆をとったのはジョンBではなく……!?
-
ポスト -
シェア - 送る
ジョンB & ザ・ドーナッツ!
ツール・ド・ドーナッツ! 2018 秋 ~靴下屋のナナメちゃん~ 2018.10.13 表参道 CAY
こんにちは、菅原龍平です。ジョンB & ザ・ドーナッツ!では作曲、ギターなどを担当しております。
今年、春夏秋冬と季節ごとに表参道CAYで開催されるドーナッツ!のライブ。新曲とともにお送りしているこのシリーズ、春・夏と来て今回は『ツール・ド・ドーナッツ! 2018 秋 ~靴下屋のナナメちゃん~』。ジョンBさん自身によるセルフライブレポートもセットだったように思うのですが、終演後、急にバトンが来たので(QBK)今回はわたくし菅原が書かせていただきます。よろしくお願いします。
この日、5分遅れで会場入りするとすでにジョンBさんは到着済み。「菅原くん、遅いで」といきなり凄まれ、このあと到着したノーナ・リーヴス小松さん、トライセラトップス林さんにも同じように「遅いで」とジョンBさん。今日のバンマスはひと味違う。気合いが漲っている。と書くと、ピリピリした現場のように勘違いされてしまいそうなのでいちおう断っておくと、これは冗談めかしつつ先輩らしく振る舞ういつものジョンBさんの姿です。リハも本番も楽しいのがドーナッツ!の基本。とはいえ、久々に演奏する曲があり、新曲もあり……と盛りだくさんの内容だったので緊張感がなかったわけではないでしょうが。そういえば真城さんと中森さんにも同じことを言ったのだろうか?
サウンドチェックの時間を長めに取ってのリハーサル。会場のドラム椅子の高さ調節が出来ず、小松さんとスタッフがどうしたものかと一瞬アタマを悩ませましたが、なんと代わりにピアノ椅子に座って叩くというアイデアが。小松さんも座ってみて「まったく問題ない」ということだったので本番もそれでいくことに(これは小松さんのスキルに依るところが大きい)。トラブルといえばそのくらいで、あとは新曲で披露するダンス(?)がうまくいくかどうか、お客さんが喜んでくれるか?とジョンBさんと真城さんは時間ギリギリまでダンスの練習をしている。いや、ダンスというか、なんというか……パントマイムとダンスの中間くらいでしょうか。
さて本番。最初はいつものドーナッツ!(ジョンB・真城・中森・菅原のフォーメーションA)で「LOVE」「恋は桃色(細野晴臣さんのカバー)」の2曲を。
「今日はいろんなイベントがあるなかで……この秋の土曜日、もっと楽しいこともあるでしょうに、みなさんどうしたんですか」と演奏が終わって最初のMCからいきなりジョンB節が全開。「今日は面白おかしいこと、一切せえへんから」と言いつつ、もうすでにお客さんからは笑いが漏れている。
ジョンB & ザ・ドーナッツ!
小松さんを呼び込み、春のCAYで初めて披露した5人(フォーメーションB)に移行。まずは真城さんが歌う未発表曲「キャラメル」、そして「北くんと南ちゃん」に続く。音数は少なめに歌を引き立てるジョンBさんのベースに、シンプルなプレイで応える小松さんのドラム。渋くなりがちなこの2曲でもポップに響く、ということはこの2人の相性は意外といい、というか、かなりいいのではないかという確信をあらためて感じたり。特に「キャラメル」では、より真城さんの歌がきらりとする印象。
ジョンB & ザ・ドーナッツ!
続いての「バスに揺られ」からはトライセラトップス林さんが呼び込まれる(フォーメーションC)。小松さんと林さんのリズムセクションは都会的。かといってクレバー過ぎず、どこかロック的なイディオムも感じられるのが素晴らしいと思う。ドーナッツ!に吹き込まれる新しいグルーヴは、一緒に演奏していてもわくわくしてしまいます。間をあまり置かず「クラウド」を演奏し終わって再び長めのMC。林さんのベースプレイについてジョンBさんが執拗に絡んでいく流れから話が脱線に次ぐ脱線。「小松くんはドーナッツ!楽しくやってるの? 」「中森さん急に先輩ぽく入ってこないでください」と次々炸裂するジョンB節に真城さんが思わず「今日あらためてめんどくさい人だなと……本当に(笑)」
ジョンB & ザ・ドーナッツ!
ジョンB & ザ・ドーナッツ!
結局このあと“面白おかしいこと”は全面解禁となり「真夜中のキッチン」「Yo-Say!」で前半は終了。「Yo-Say!」は、実は初めてのバンドバージョン。僕はキーボードを担当し、久しぶりに丸太も登場した(この曲では丸太を抱えてジョンBさんが歌うのが定番だったが、なぜそうなったか、なぜやめたのかについて書き出すと大変長くなるので割愛します)。
後半はふたたびフォーメーションAで、荒木経惟の写真集からインスパイアされた佳曲「バルコニー」、カウントでいつもさんざんモメる「アスナロ」の2曲からスタート。そしてフォーメーションCに移行して今回のタイトルにもなっている新曲「靴下屋のナナメちゃん」。このタイトル。はじめは冗談みたいな曲になるような気もしていましたが、試行錯誤を経て出てきたアイデアからアダルト・コンテンポラリー的な方向に進みました。僕がキーボードで弾いているソプラノ・サックスのフレーズを今回ジョンBさんは吹き真似(という言葉はないと思うけど)で対応しましたが、いずれは楽器を購入して実際に吹けるように練習するようです。冬には当然間に合わないと思いますが……首を長くして待ちましょう。ここから中森さんのギターカッティングが冴えるジョンB&真城デュエット曲「サイドストーリー」へつながり、来年結成10周年の話へ。
真城「こんなスタンスで10年って……すばらしいですよね」
ジョンB「でも来年の話でしょ?来年があると思ったら大間違いですよ」
菅原「この6人でツアーやりましょうよ」
真城「今日の(ここに集まっている)皆さんがそのまま全国一緒に着いてきてくれたらツアー出来るから」
ジョンB「あとは林くんと小松くんの事務所の許可が下りれば」
なんともドーナッツ!ぽいやりとりのあとは「ベンチ」「白い星」で聴かせるところを聴かせ、夏の新曲「いいなぁ」で会場をハッピーな空気に染めたあと、かなり二枚目な未発表曲「瞬間」で本編は終了。
ジョンB & ザ・ドーナッツ!
アンコールはジョンBさんのはからいでNorthern Boysで1曲演奏させていただきました。Northern Boysは僕と林さんのユニットで、ちょうど全国ツアーが始まる直前のタイミング。さらに小松さんにドラムを叩いてもらい、なんともレアな演奏。「Oh Silly Love Song」という曲を歌いました。思えばこのユニット結成もドーナッツ!がなかったら決して実現しなかったでしょうから、ジョンBさんには感謝しかありません。
そして最後は全員揃って「スマイル」で大団円。楽しい時間はあっという間に過ぎてしまいます。9月末に大阪で開催されたウルフルズの『ヤッサ!』が終わってから日もなく、ジョンBさんはかなり忙しいなかでの本番だったと思われますが、それでも「まずはお客さんに喜んでもらえるように」というテーマを忘れず、二枚目から二枚目半までを演じきるジョンBさんのその姿勢にはいつもアタマが上がりません。そしていつもありがとうございます。そんなことを言っているうちに、春夏秋冬シリーズの締めくくり、冬のCAY『ゾンビ!ゾンビ!ゾンビ!』があっという間に迫っております。新曲も作らねば。これもいったいどういう曲になるのか……John B Only Knows(ジョンBのみぞ知る)。楽しいことは間違いないと思いますので、ぜひとも皆さん遊びに来てください。
ジョンB & ザ・ドーナッツ!
あー、セルフライブレポートって難しい! 自分(たち)のことを書くって距離感が難しいですね。次は再びバトンをジョンBさんに託して、あのフニャフニャの刀で殺陣をやるような文章が読みたいです。というわけで、長々ありがとうございました。菅原龍平でした。
文=菅原龍平
出演:ジョンB & ザ・ドーナッツ!(ジョンB[Vo,Gt,Ba] / 菅原龍平[Gt,Cho] / 真城めぐみ(ヒックスヴィル/ましまろ)[Cho,Per] / 中森泰弘(ヒックスヴィル/ましまろ)[Gt,Cho])
ゲスト:小松シゲル(NONA REEVES)[Dr] / 林幸治(TRICERATOPS)[Ba,Cho]
ライブ情報
12月1日(土)
東京・表参道 Restaurant bar CAY
OPEN 17:00 / START 18:00
*自由席または立ち見。整理番号順のご入場となります。
*3歳以下入場不可。4歳以上のお子様から
*当日はご飲食もできますので、是非ご利用ください。