行定勲×三上博史の舞台「タンゴ・冬の終わりに」WOWOWで放送
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舞台「タンゴ・冬の終わりに」
初演から30年…鮮やかに蘇る名作をお茶の間で
劇作家・清水邦夫が、1984年に東京・PARCO西武劇場(現パルコ劇場)公演のために書き下ろした舞台「タンゴ・冬の終わりに」が、2015年9月、同劇場で約30年ぶりに上演された。この模様が12月5日(土)WOWOWで放送される。
本作は初演の後、1986年にパルコ劇場で、1991年にはイギリスで、そして2006年の東京・Bunkamuraシアターコクーン公演といずれも蜷川幸雄の演出で披露され、蜷川独自の世界が花開き、国内外で高い評価を得てきた。
3年前に舞台俳優を引退した清村盛(三上博史)は、妻のぎん(神野三鈴)と一緒に故郷の町に戻っていた。実家はうらぶれた映画館で、弟の重夫(岡田義徳)がひとりで家業を守っていたが、近々取り壊されることが決まっている。そんな中、華やかな俳優時代を忘れられない盛は精神状態が日々悪化。少年時代に盗んだクジャクの剥製の幻影に取り付かれた上、妻のことを30年前に死んだ姉だと思い込むようになる。
ある日、女優の名和水尾(倉科カナ)とその夫、連(ユースケ・サンタマリア)が盛を訪ねてくる。盛と水尾はかつて恋愛関係にあったようだが、そんな彼女を盛の名を使って呼び出したのはぎんだった。水尾と再会すれば、盛が正気を取り戻すと思ったのだ。だが、盛は水尾のことを思い出せないそぶりを見せる。現実とも幻想ともつかない盛との会話の中で、確かに愛されていたことを悟った水尾。やがて二人は情熱的にタンゴを踊り始める――。
演劇史に残る名作を今回演出することになったのは映画監督の行定勲。行定は映画以外にも映像作家として活躍する一方、「パレード」「ブエノスアイレス午前零時」など、舞台の演出にも精力的に取り組んでいる。この戯曲について「1980年代の空気が余すことなく描かれており、スタンダードとして生き続ける可能性を感じる」と語る行定は、原作に忠実に沿いながらも新たな演出を施していく。
主人公の、引退した舞台俳優を演じるのは三上博史。初演を鑑賞した際、狂気と幻想の中に住むこの役をぜひ演じてみたいと思ったという三上が、30年の時を経て満を持して挑む。
放送日:12月5日(土)夜 8:30
放送局:WOWOWライブ
作:清水邦夫
演出:行定勲
出演:三上博史 倉科カナ 神野三鈴 岡田義徳 有福正志 有川マコト 小椋毅 河井青葉 青山美郷 三浦翔哉 梅沢昌代 ユースケ・サンタマリア ほか