風間俊介が、宮崎駿原作・内野聖陽主演の舞台『最貧前線』に出演決定
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水戸芸術館ACM劇場は、2019年夏、最貧前線(『宮崎駿の雑想ノート』より)を舞台作品として上演する。宮崎駿のオリジナル作品が国内で舞台化されることは、これが初めて。水戸芸術館のほか、東京では世田谷パブリックシアター、ほか国内6か所の公共劇場を巡演予定だ。すでに決定していた主演の内野聖陽に加え、風間俊介の出演が本日明らかとなった。
『最貧前線』は、宮崎駿が模型雑誌「月刊モデルグラフィックス」に1980~90年代に不定期に連載した『宮崎駿の雑想ノート』に基づく。同作は、戦争の時代に兵器と人間が織りなしたドラマを描いた、連作絵物語&漫画。そこからは、長編アニメとなった『紅の豚』が生まれたが、この『最貧前線』はその中の11番目の物語。わずか5ページの小品ながら、宮崎らしいユーモアとスペクタクルを併せ持った内容となっている。また、最後のコマにある「平和が何よりだノオ…」に込められた平和へのメッセージはかぎりなく重く、内容的には長編に劣らない読み応えのある作品だ。宮崎はこの自作について、原作単行本巻末のインタビューで、当時、次のように語っている。「これはね、描き終わってもまだ終わってないんです、気持ちの中で。(中略)つまり“絶対に死なないぞ!”と、なんとか犬死をしないで、“また魚をとるんだ!”っていうね、そういう人達が出てきて、それを全うする話をね、僕はやってみたいと前から思ってたんです……」
太平洋戦争末期、小さな漁船・吉祥丸に徴用の知らせが届く。ほとんどの軍艦を沈められた日本海軍は、来襲するアメリカ軍の動静をなんとか探ろうと、漁船を海に駆り出して、海上で見張りをさせようとした。特設監視艇となった吉祥丸に乗り込んだのは、元々の漁船の船長(内野聖陽)と漁師たち、そして艇長(風間俊介)とその副官などの将兵たち。航海経験に乏しい軍人たちは、鯨を敵潜水艦と間違えたり、嵐の予兆を察知できなかったり、海の職人である漁師たちとことあるごとに対立してしまう。やがて軍人たちは、漁師たちの知識や行動力に一目置くようになり、徐々にお互いに信頼感を芽生えさせていく。しかし、戦況は厳しく吉祥丸は海の最前線ともいうべき南方の海域に、わずかな武器を携えて急きょ派遣されることになってしまう。果たして、吉祥丸は帰って来られるのだろうか……。
このほど発表された主要キャストは、内野聖陽・風間俊介・溝端淳平/佐藤誓・加藤啓・蕨野友也・福山康平・塩谷亮・前田旺志郎/ベンガル ほか。本日、風間俊介よりコメントが届いたので紹介する。
出演:風間俊介(かざましゅんすけ)
この舞台が始まる頃には、新しい『 時代 』が始まっていると思います。新時代を生きる全ての人に、伝えたいこと、伝えていかなくてはいけないこと、その両方を届けられるよう、全力で演じようと思います。是非、劇場に観に来てください。
風間俊介
[プロフィール] 1997年ジャニーズ事務所に入所。99年『3年B組金八先生』で日刊スポーツドラマ グランプリ最優秀新人賞を受賞。ドラマ・映画・バラエティや舞台で幅広く活躍。『ZIP!』ではメインパーソナリティーも務めている。近年の出演作に、ドラマ『それでも、生きてゆく』『純と愛』『陸王』『サバイバル・ウェディング』『記憶捜査』『やすらぎの刻〜道〜』、映画『コクリコ坂から』『鈴木先生』『猫なんかよんでもこない。』『後妻業の女』、舞台『蒲田行進曲』『ベター・ハーフ』など。
原作:宮崎駿(みやざき・はやお)
[プロフィール] 1941年東京都生れ。学習院大学卒業後、東映動画(現・東映アニメーション)入社。日本アニメーションなどを経て、1985年にスタジオジブリ設立に参加。作品に『風の谷のナウシカ』『天空の城ラピュタ』『となりのトトロ』『魔女の宅急便』『紅の豚』『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』『ハウルの動く城』『崖の上のポニョ』『風立ちぬ』など。著作に『シュナの旅』『出発点』『折り返し点』『半藤一利と宮崎駿の腰抜け愛国談義』『宮崎駿の雑想ノート』『トトロが生まれたところ』などがある。
脚本:井上桂(いのうえ・かつら)
[プロフィール] 2017年4月、水戸芸術館ACM劇場芸術監督に就任。1996年、新国立劇場開場時から演劇部門のプロデューサーとして活動。日本芸術文化振興会プログラム・オフィーサーなどを経て現在に至る。台本化にあたっては、原作のエピソードを踏まえ、様々な文献から当時のエピソードを掘り起し、新たな物語展開や登場人物の性格付けを行った。
演出:一色隆司(いっしき・たかし)
[プロフィール] NHKエンタープライズ制作本部ドラマ番組エグゼブティブ・ディレクター。時代劇『茂七の事件簿』『アフリカの蹄』『坂の上の雲・留学生』『そこをなんとか1・2』『紙の月』『精霊の守り人』シリーズ第三部、NHK正月時代劇『家康、江戸を建てる』など監督。2016年に『令嬢と召使』で舞台初演出。18年5月には『人形の家』を演出した。
公演情報
『宮崎駿の雑想ノート』より
『最貧前線』
■脚本:井上桂 水戸芸術館ACM劇場芸術監督
■演出:一色隆司 NHKエンタープライズ エグゼブティブディレクター
■原作掲載:月刊モデルグラフィックス
■協力:スタジオジブリ
■出演:
内野聖陽
風間俊介
溝端淳平
佐藤誓 加藤啓 蕨野友也 福山康平 塩谷亮 前田旺志郎
ベンガル ほか
■日程:2019年8月末~10月
■公演会場:水戸芸術館ACM劇場 世田谷パブリックシアターのほか神奈川、愛知、新潟、長野、兵庫の全国8会場で上演
※詳細は後日発表