クルト・ヨース振付の歴史的傑作バレエ「緑のテーブル」をスターダンサーズ・バレエ団が再演~ピーター・ライト&西島数博よりコメント到着
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スターダンサーズ・バレエ団は、「ダンスは何を語るのか」というテーマのもと、国内では同バレエ団のみがレパートリーに有する現代バレエ2作品による、身体表現の幅を堪能できる珠玉のダブル・ビルを2019年3月30日、31日に東京芸術劇場にて上演する。タイトルは『Dance Speaks』。上演演目のひとつは「緑のテーブル」。「反戦」をテーマに創作されたクルト・ヨースによる歴史的傑作であり、同バレエ団では2005年以来久々の再演となる。
「緑のテーブル」とは、“緑のテーブル”が置かれた架空の国の国際会議が舞台。戦争について話し合う身勝手な指導者たちの衝突と、戦争を利用する者の暗躍、それに振り回される兵士やその家族の葛藤を描く風刺劇である。シンプルなステージながら、2台のピアノによる迫力の生演奏と、細部までこだわり抜いた構成が見どころとなっている。振付を手がけたのは、ドイツ表現主義舞踊の草分け的存在クルト・ヨース。あのピナ・バウシュの師匠でもあったヨースの代表作こそ、この「緑のテーブル」なのである。
本作上演に際し、英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団の芸術監督を長く務め、スターダンサーズ・バレエ団の芸術顧問でもある、サー・ピーター・ライト(ヨースのカンパニーで「緑のテーブル」を踊った経験あり)と、バレエダンサー、俳優、振付家の西島数博から、コメントが到着したので紹介する。
サー・ピーター・ライト コメント
クルト・ヨースの偉大な作品「緑のテーブル」を上演するスターダンサーズ・バレエ団を、心より賞賛します。私自身、1939~45年の世界大戦中、クルト・ヨース率いるヨース・カンパニーにおいて本作に登場する「旗手」を踊ったこともあり、当時の記憶は今でも鮮やかに蘇ります。指導者たちの議論はやむことがなく、被害者たちは死に誘われ、語られるのは戦争の無益さです。そしてその議論は、今日もなお続いているのです。
サー・ピーター・ライト
西島数博 コメント
この作品に初めて出会った時、驚きに心を弾かれたことを今でも覚えています。1932年パリで初演された『緑のテーブル』は、第1次世界大戦後、まだ世界中が不安な空気に染まっていた頃に創作されて、反戦というテーマを持つこの作品を、今を生きるダンサー達がどのような感性で演じ、どのようにお客様へ伝えることになるのか、とても興味深く感じています。ピアノが持つ繊細な旋律のなかで、舞台中央にある緑のテーブルと怪しげな仮面の男たちの身体表現は、かなり衝撃度が高く強いインパクトを与えます。平和会議という緑のテーブルですが、とても恐ろしい企みに見えるこの作品、スターダンサーズ・バレエ団が伝える強烈なメッセージを受け取り感じてほしいと思います。平成が終わり新たな時代が来る年にまたひとつ考え深い上演になると期待しています。
西島数博
公演情報
※各日開場 13:15 / 開演 14:00 / 終演予定 15:40
※13:40から総監督 小山久美によるプレトークあり
■会場:東京芸術劇場プレイハウス
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※学生券は25歳までの学生対象(要学生証)/バレエ団のでみ取り扱い
■台本&振付:クルト・ヨース
■作曲:フリッツ.A.コーヘン
■美術:ハイン・ヘックロス
■マスク&照明:ハーマン・マーカード
■舞台指導:ジャネット・ヴォンデルサール
■舞台指導助手:クラウディオ・シェリーノ
■照明再構成:ベリー・クラーセン
■ピアノ:小池ちとせ 山内佑太
■振付:ジョージ・バランシン
■音楽:ハーシー・ケイ
■振付指導:ベン・ヒューズ
※特別録音による音源を使用いたします