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「もっともっとお客様の近くに行きたい」フルートとピアノの女性デュオ「あいのね」がサンデー・ブランチ・クラシックに再登場!

2019.1.29
レポート
クラシック

あいのね

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2018年12月16日のサンデー・ブランチ・クラシックでは、フルートとピアノの女性デュオ「あいのね」のミニライブが行われた。

あいのね」は共に国立音楽大学出身の林愛実(フルート)と兵頭愛美(ピアノ)による女性デュオ。2016年7月に結成され、以降コンサートはもちろん、TV番組などでもエンターテイメント性の高いパフォーマンスを見せている。

サンデー・ブランチ・クラシック当日、まずステージに登場したのは兵頭。林はどこへ……と思うなか、何事もないように兵頭がピアノを弾き始める。するとどこからかフルートの音色が聴こえ、林が客席から登場!一瞬ステージ上に上がるが、すぐまた客席に下りた林は、フルートを吹きながら、時には踊るように、観客の間近で接していく。観客の中には小さなオーディエンスもおり、林は子どもたちの目の高さまでかがみ、演奏の手を止めずに笑顔を見せていた。

そんな嬉しい演出で、グノーのオペラ《ロミオとジュリエット》より「私は夢に生きたいの」を演奏し終えると、「改めて、こんにちは。『あいのね』です」と挨拶する林と兵頭。

兵頭愛美

この日はカジュアルなミニライブということで、比較的認知度の高い楽曲をセレクトした二人。以下この日のセットリストをご紹介。

・オペラ《ロミオとジュリエット》より「私は夢に生きたいの」/グノー
・オペラ《トゥーランドット》より「誰も寝てはならぬ」/プッチーニ
・ミュージカル《キャンディード》より「煌びやかに着飾って」/バーンスタイン
・パガニーニの主題による狂詩曲」第18変奏曲/ラフマニノフ
・リベルタンゴ/ピアソラ
・バレエ音楽《白鳥の湖》より「情景」/チャイコフスキー
・アンコール「Have Yourself A Merry Little Christmas」「We Wish You a Merry Christmas」


「誰も寝てはならぬ」はご存知、フィギュアスケートの荒川静香さんがトリノオリンピックで金メダルに輝いた時の使用曲。オペラでは男性歌手が歌い上げる曲だがこれまでも様々なアレンジで多くの方が演奏してきた名曲。

2曲目の「煌びやかに着飾って」は、日本では2010年に井上芳雄さん主演で上演されたミュージカル『キャンディード』の劇中歌。新妻聖子さんがクネゴンデ役として超絶技巧が求められるこの楽曲を歌い上げ話題となっている。

「リベルタンゴ」はこちらもフィギュアスケートの鈴木明子さんの代表曲の一つ。大人の色気溢れる世界感が魅力。

この3曲を演奏する合間に、林が曲の説明などをするのだが、その間、兵頭はBGMのようにずっとある曲を静かに弾き続けていた。その曲こそがこの日のメイン曲《白鳥の湖》より「情景」。観客は「もしかして……」と内心感じていたかもしれないが、最後に林の口からその答えを聴くと「やっぱり!」「そうだったのか!」と嬉しそうな笑顔を見せていた。

林愛実

「《白鳥の湖》のラストには2通りあり、恋人たち二人ともが命を落とし、天国で結ばれる悲劇のバージョンと、恋人たちが悪魔に打ち勝ってハッピーエンドとなるバージョンがあって、今日はその両方を感じられるようなアレンジにしてみました」と林。兵頭が構成した光り輝くようなメロディーと普段我々がよく耳にする悲しげなメロディーの両方をアレンジした演奏を披露し、最後まで観客を魅了したひと時となった。

もちろん最後も林が客席を巡り、フルートを響かせながら観客に笑顔を振りまいていた。

ミニライブ後、二人にインタビューを行った。

ーー今日の感想から。まずは本日全く喋っていない(笑)兵頭さんからお願いします。

兵頭:(笑)。今回はあえて一言も喋らずにずっと弾くという「あいのね」のコンサートとしても初めての試みをしてみたんです。最初からずっとメイン曲を少しずつ弾いている事がお客様にも伝わるだろうかと思っていましたが、会場にいた子どもたちも「白鳥の曲がすごく良かった。途中で少しずつ弾いていて……最後に全部きたー!」と気が付いてくれていたようで、嬉しかったですね。

サンデー・ブランチ・クラシックはクラシックのコンサートとしては、会場も時間帯もカジュアル。お客様もお子様やカップル、若い方もいらっしゃるので、あまりかしこまった形ではなく、私たちのショーも馴染みやすいようカジュアルにお届けできたら、と思って取り組みました。お客様の笑顔も沢山見る事ができたので成功だったんじゃないかな?

ーー今回のライブ、冒頭から驚かされました。林さんが出てこないので、裏で何か緊急事態が起きたのかと。そうしたらまさかの客席登場ですから! またあんなにお客様の近くで演奏するフルーティストもみたことがなかったので、二度びっくりでした。あの演出はどんなきっかけで思いついたのですか?

:以前とあるステージでお客様との間に凄く距離感を感じた事があって。これではせっかくお越しいただいたお客様に楽しんでいただけないのでは?と思い、試しにお客様の目を見て演奏しながら近くまで行ってみました。驚く方、緊張される方…でも皆さん最後には笑顔になって、リズムやメロディーに反応してくださる様になりました。その反応があってはじめて、あいのねのステージが成立すると気付きました。お客様の反応が私たちの活力になるのです(笑)

あいのね」のスタンスはその時から「笑顔」と「ステージ上でもお客様を近くに感じる事」なんです。

ーー今回のセットリストについてのこだわりどころは?

:過去に「あいのね」で演奏した事があったのは『キャンディード』と『リベルタンゴ』のみ。お客様に楽しんでいただけるクラシックって何だろうね、しかもフルートとピアノのアレンジで作品の良さが出る曲は……と二人でこれでもか、と考えに考えて出てきたのが今回のセットリストでした。お客様の耳にやさしく、かつ私たちの気持ちが伝わりやすい曲。テーマにするつもりはなかったのですが、愛や恋を軸とした作品が多くなりましたね(笑)。

あと、少し脱線しますが『キャンディード』の「煌びやかに着飾って」は様々な方が演奏されていますが、多分私のテンポに勝てる人はそうそういないと思います(笑)。歌手の方からは「あんなに速い『キャンディード』は歌えないのでやめてほしい」と言われていますけれど(笑)。でもフルートで演奏するならあれくらいが面白い。オリジナルではできない事を率先してやるのがクロスオーバーの醍醐味だと思っています。

ーーこういったライブができるレストランで演奏することについてはどう思っていますか?

:むしろこういう場所を求めていたので、願ったり叶ったりです。今日もお子様が沢山いらしていましたが、これが例えばライブハウスになると「子供を連れて行きにくい……」となり、ホールになったら会場側が「お子様のご入場は……」となりがちで。でもこのeplus LIVING ROOM CAFE&DININGは渋谷駅直結で、ご飯を食べながらライブを楽しめるので、もちろんご家族でいらっしゃる方も大歓迎!ですよね。私たちがやりたい形のライブの1つが出来る場所です。

兵頭:クラシックは敷居が高いと思われたくない、もっとお客様の近くで一緒に音楽を感じていきたい。その思いが強い私たち「あいのね」だからこそ出来るステージがあると思うんです。この会場はそれが実現しやすい。今後もあいのねのステージを突き詰めながら、こちらにもまた出演できたらと思っております。

ーーでも、あれだけ林さんがお客様の近くまで動いていくのを見ていると、ピアノの兵頭さんも動きたくなりませんか?

兵頭:そうなんですよ! ローラーとか付けて動けませんかね? 動きたいんですよ! 普段はステージの正面に座るお客様と弾いている時に前の方にいるお客様しか見えなくて、無理に自分の後ろを見ようとすると逆に「何かあった?」と思われてしまうくらいなんです。(笑)。以前ディズニーランドで自転車にアップライトピアノを乗せて演奏しているのを見た時に「これ、すごくいい!」って思ったんですが、でもそれでも林のように客席は通れないですよね。なんとかお客様をより近くに感じられるよう策を考え続けていきたいですね(笑)。

あいのね

取材・文・撮影=こむらさき

公演情報

サンデー・ブランチ・クラシック
 
2月3日(日)
鈴木玲奈/ソプラノ
13:00~13:30
MUSIC CHARGE: 500円
 
2月10日(日)
鈴木舞/ヴァイオリン&安達真理/ヴィオラ
13:00~13:30
MUSIC CHARGE: 500円
 
■会場:eplus LIVING ROOM CAFE & DINING
東京都渋谷区道玄坂2-29-5 渋谷プライム5F
■お問い合わせ:03-6452-5424
■営業時間 11:30~24:00(LO 23:00)、日祝日 11:30~22:00(LO 21:00)
※祝前日は通常営業
■YouTube LIVE 生配信チャンネル:https://www.youtube.com/channel/UCT3afaDcZT0WAV1VQyJUWgw/live
■公式サイト:http://eplus.jp/sys/web/s/sbc/index.html