古川雄大&大野拓朗、どちらのロミオが好き? ジュリエット3人の答えは ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』初日前囲み取材レポート
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小池修一郎、木下晴香、大野拓朗、古川雄大、葵わかな、生田絵梨花(前列左から)、廣瀬友祐、黒羽麻璃央、木村達成、三浦涼介、平間壮一、渡辺大輔(後列左から)
シェイクスピアの名作を原作にしたフランス発のミュージカル『ロミオ&ジュリエット』。スイス、ロンドン、ウィーンなど世界各国で上演され、500万人以上動員したメガヒットミュージカルだ。小池修一郎が潤色・演出する日本オリジナルバージョンの舞台が2019年2月23日から東京国際フォーラムホールCほかで待望の再演を果たす。開幕を直前に控えた、20日、出演者らの囲み取材が行われた。
ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』2019の囲み取材の様子
1ヶ月半に及ぶ稽古の感想を問われた古川雄大(ロミオ役)は「徐々にチームワークも良くなりました。みんな主役をはれる人が揃っていると思うので、みんな光り輝くものがあって。キャストの組み合わせが色々と違うので、決め事はありながらも、なるべく自由に動こう自由に動こうという意識で稽古をして、その日生まれるものが明確に見えた日もあったし、着々と前に進んでいる実感がありました。なので、本番を迎えるのがすごく楽しみです」と話す。
そして、「(前回よりも)パワーアップしていると思います。小池先生もお芝居のことを中心にダメ出しをしていただいたので、内容の詰まった『ロミオ&ジュリエット』が見られると思います」と語った。
葵わかな
今回が初舞台となる葵わかな(ジュリエット役)。これまでの映像作品での芝居の経験とは「全く違った経験」だったと話し、「同じ役の人が他にいることもないですし、前にやった話をまたやるということもないですし、稽古場の雰囲気も私としてはすごく新鮮でした」と振り返る。稽古場に持っていくべき持ち物や、劇場入り後の持ち物などまで、ジュリエット役の先輩である生田絵梨花や木下晴香に教わったことを明かした。
生田も木下の2人も刺激を受けたようで、生田は「このセリフはこういう言い方をするんだ、こういう捉え方をするんだと、見ていても話していても新しい刺激をいただいた」、木下は「トリプルキャストなので、単純に3分の2は見て勉強する時間。わかなちゃんは女優さんとしては大先輩。役のことを話していても、私の考えが足りなかったと思うぐらい、新しい刺激を本当にたくさんいただいて。この3人でジュリエットができてよかったと思います」と語った。
ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』2019の囲み取材の様子
ちなみに、「どちらのロミオが好き?」という問いかけに対して、ジュリエット役の3人は……。
木下晴香:古川さんは陽の表現というか明るいところ、少年らしさが前回よりも増えている気がしていて、一緒に演じていても、気持ちが上がるスピードが上がっています。本番を重ねながらどんな風に愛を築いていけるかが楽しみ。大野さんは普段からロミオらしい方で、本当に優しくて、お芝居モードに入るという感覚が少ない。自然とお芝居に入っていける関係性を築いてくださっているのがすごく有難いです。
葵わかな:雄大さんロミオは、お芝居の感覚として、攻めなロミオ。大野さんロミオは、受けなロミオ。なので、雄大さんとお芝居するときはドンと来いという気持ちで、何が来ても返そうと思ってやっています。大野さんとお芝居するときはかまして行こうと思うし、何をしても受け止めてくださる気がしています。
生田絵梨花:失礼だったらごめんなさい。古川さんとやっているときはお兄さんについていくという気がしていて、大野さんとやっているときは弟くんというか……(笑)。その中にもいろんな変化があるんですけど……。
最後に、キャストと演出の小池修一郎のコメントをご紹介する。
古川雄大(中央)
■ロミオ役(ダブルキャスト) 古川雄大
まもなく初日を迎えるのですが、前回、新演出になった『ロミオ&ジュリエット』は大好評いただいたので、今回、皆様の期待値というのはとても高まっていると思います。なので、その期待に応えるべく、小池先生ご指導のもと、1ヶ月半稽古してきました。
キャストが違うので、違うものが出来上がるとは思うのですが、それだけではなく、より深いものを目指して、より壮大で、よりリアリティのあるものが出来上がったのではないかなと思っています。今までのポップさをいい意味で排除していって、よりシリアスに悲劇性を強くして、その中でロミオとジュリエット2人があがいていく様子がしっかりと描かれていると思います。
この作品はロミオとジュリエット2人の愛が希望を残すという話ですが、ベンヴォーリオ、ティボルト、マーキューシオ、乳母、神父、全員のキャストがそれぞれ愛を抱えていて、その愛がきっかけとなって、2人の愛が希望を残すというより深い部分を小池先生が演出してくださったと思います。ぜひご期待ください。
この作品の魅力を存分にみなさんにお伝えするべく、キャスト・スタッフ一丸となって、千秋楽まで思い切り毎公演毎公演全力で取り組んでいきたいと思います。ぜひ劇場に足をお運びください。よろしくお願いします。
大野拓朗(中央)
■ロミオ役(ダブルキャスト) 大野拓朗
もうほぼほぼ今、雄大さん(※古川雄大)に全てをお話していただいた感じなのですが、同じ思いです。2017年から続投でやらせていただきますが、演出が変わらないといっても、一人ひとりが抱えている心の中がもっと成長したところで今回のお話が進みます。雄大さんが仰ったように、より悲劇性が高くなったし、真実の愛はどういうことだったんだろうという、ロミオとジュリエットの愛情もとても大きくなっていると思います。
新キャストの皆さんが新しい風を入れてくださっていて、また雰囲気の違う、新しい『ロミオ&ジュリエット』が生まれ変わるのかなと思います。そして、ベテラン勢の大人チームの皆様が安定した圧倒的な力で僕らを支えてくださっています。大人チームの皆様を土台にして、その上を必死に駆けずりまわって、日々成長していける舞台にしたいと思います。よろしくお願いします。
葵わかな
■ジュリエット役(トリプルキャスト) 葵わかな
再演ではあると思うんですが、私としては初舞台、初ミュージカルなので、すごく緊張しています。稽古場では同じジュリエット役の2人にはすごくお世話になりました。それ以外の皆さんも歌やお芝居、ダンス、いろんな動きを見て、日々新しい発見ばかりですごく刺激的な毎日でした。それを舞台に還元して、お客様に届けられるように、これからの公演期間も精一杯頑張っていけたらなと思います。どうぞよろしくお願いします。
木下晴香
■ジュリエット役(トリプルキャスト) 木下晴香
私は今回、ジュリエット役に挑戦させていただくのは2度目なのですが、再演だからこその難しさにもぶち当たりつつ、でも、本当に二度目だからこそできることを探しながら、新しいキャストの皆様から新しい刺激をいただきながら、すごくたくさんのものをしみじみ感じながら過ごした稽古期間でした。最後までより素晴らしい舞台をお客様に届けられるように、精一杯日々進歩していけるように、頑張っていきたいと思います。よろしくお願いします。
生田絵梨花
■ジュリエット役(トリプルキャスト) 生田絵梨花
今回は2017年度版の再演ということではあるのですが、稽古場から、また新しく捉えよう、さらに深めようという雰囲気がとても大きく感じられました。前回観にきてくださったお客様でも、どこか違うように感じていただけるのではないかなと思っております。私は参加できるのは少しなのですが、悔いなくジュリエットを生きられたらいいなと思っています。よろしくお願いします。
三浦涼介
■ベンヴォーリオ役(Wキャスト) 三浦涼介
約1ヶ月のお稽古期間で、本当に毎日お稽古場に行くのがすごく楽しみでした。キャストの皆さんとスタッフの皆さんと過ごす日々をとても大切に、生活してきました。本番が始まってもさらにさらに上を目指して、小池先生の少しでも多くの笑顔が見られるよう、日々精進していきたいなと思っております。よろしくお願いします。
木村達成
■ベンヴォーリオ役(Wキャスト) 木村達成
今回、僕はWキャストが初めてで、稽古場でりょん君(※三浦涼介)が演じるベンヴォーリオを見るのが本当に好きで。彼が通している時は僕はずっと見ているのですが、ロミジュリの音楽が本当に格好良くて、素敵で。夜な夜な頭の中に『ロミジュリ』の音楽が流れるぐらい、作品にのめり込み、好きになりました。
今回ベンヴォーリオとして舞台上に立てること、本当に嬉しく思います。この座組みとして一丸となって頑張っていく『ロミジュリ』をよろしくお願いします。
平間壮一
■マーキューシオ役(Wキャスト) 平間壮一
激しい舞台なので、みんなで、誰一人欠けることなく、怪我なく頑張っていきたいと思います。よろしくお願いします。
渡辺大輔
■ティボルト役(Wキャスト) 渡辺大輔
廣瀬君(※廣瀬友祐)同様、前回に引き続き、ティボルト役を演じます。皆さん仰ったことはもちろんですが、ここにいる以外の方、本当に大先輩方、素晴らしいキャストの方が揃っています。そしてダンサーの皆さんもすごく激しい中、めちゃめちゃ頑張っています。自分たち以外でも注目するべきところはたくさんあるので、そこに注目して見ていただけると幸いです。ありがとうございます。
黒羽麻璃央
■マーキューシオ役(Wキャスト) 黒羽麻璃央
今回、初参加という形でこの座組みで入らせていただいたのですが、本当に学ぶことが多い稽古期間でした。Wキャストということで、同じ役でも他の人の芝居、歌やダンスを見ることができるのですが、それが初めてだったので、すごく勉強になりました。若い力を今回舞台上で思う存分発揮できたらいいなと思っています。散らかして帰ろうと思っています。よろしくお願いします。
廣瀬友祐
■ティボルト役(Wキャスト) 廣瀬友祐
前回に引き続きティボルト役で出演します。
再演にあたって改めてこの作品の魅力を感じていて、見ての通りWキャストだったり、トリプルキャストだったり、この作品の楽曲の素晴らしさだったり、本当に楽しめる要素がいっぱい詰まった作品だと思います。稽古している間は、失ってから気付けなかった人間の愚かさというか、罪深さをすごく考えさせられる日々でした。エンターテインメントとしてはもちろんなのですが、よりディープなメッセージを伝えられるように、今回は挑めたらいいなと思っております。よろしくお願いします。
小池修一郎
■潤色・演出 小池修一郎
みんなが言ってくれましたが、再演の魅力として、前にやった人は、前にできなかったことあるいは前は無我夢中で分からなかったことをもう1度やることで、自覚というか覚醒していくという魅力や面白さが舞台に溢れていると思います。そして新しいメンバーは4人いますが、本当に大変この作品に新たなエネルギーを注いでくれていると思います。
中でも葵わかなさんのジュリエットは、今までと違う、ある種演技のコアがしっかりとしたジュリエットが出ているので、とても初舞台とは思えない力を発揮しています。これに、ジュリエットに関しては先輩の生田絵梨花さん、木下晴香さんが逆に刺激されて、もともと持っていたミュージカル女優としての経験や素質が、いい意味で火がついたなと思うので、大変、ジュリエットのあり方が刷新された感じだと思います。ここが一番面白いところかもしれません。
それぞれみんな、前やった人は自分ありの役のあり方というものをすごく追求していると思うし、新しい人たちは新鮮に取り組んでいると思います。
例えば三浦涼介君のベンヴォーリオとか、単純に言うと、あまりキャラじゃないんですよ。けど、この役をやることでまた新たな三浦涼介が出てくるかなと思うし、それは同じく木村達成であり、黒羽麻璃央であり、それぞれが今までやってきた自分のうりのキャラとちょっと違う。本人もファンの方も、初めて彼らの舞台を見る人たちにも、大変新鮮なのではないかと思います。そこが複数キャストの面白さ。全員キャストが変わるのではなくて、部分的に変わることで刺激のあり方が違いますし、面白い化学反応が起きると思います。
公演情報
■原作:ウィリアム・シェイクスピア
■作:ジェラール・プレスギュルヴィック
■潤色・演出:小池修一郎
■出演:
ロミオ:古川雄大 大野拓朗
ジュリエット:葵 わかな 木下晴香 生田絵梨花 ※生田絵梨花は愛知公演に出演いたしません。
マーキューシオ:平間壮一 黒羽麻璃央
ティボルト:渡辺大輔 廣瀬友祐
キャピュレット夫人:春野寿美礼
乳母:シルビア・グラブ
ロレンス神父:岸 祐二
モンタギュー卿:宮川 浩
モンタギュー夫人:秋園美緒
パリス:姜 暢雄
ヴェローナ大公:石井一孝
キャピュレット卿:岡 幸二郎
R&Jダンサー
飯田一徳 祝 陽平 大場陽介 岡田治己 小南竜平 小山銀次郎 酒井 航 鮫島拓馬 鈴木凌平 高木勇次朗 仲田祥司 渡辺崇人 伊藤香音 おごせいくこ 織 里織 小松芙美子 齊藤恕茉 Sarry 島田友愛 杉浦小百合 鈴木百花 平井琴望 深瀬友梨 松島 蘭
【東京公演】
■日時:2019年2月23日(土)~3月10日(日)
■会場:東京国際フォーラム ホールC
◆アフタートーク
2月27日(水) 13:30/大野拓朗、三浦涼介、黒羽麻璃央、渡辺大輔
2月28日(木) 13:30/古川雄大、木村達成、平間壮一、廣瀬友祐
■お問い合わせ:ホリプロ
(平日10:00~18:00 土10:00~13:00 日祝・休)
■主催:TBS/ホリプロ/東宝/梅田芸術劇場
【愛知公演】
■日時:2019年3月22日(金)~24(日)
■会場:刈谷市総合文化センター
◆アフタートーク
3月23日(土)16:30/古川雄大、木村達成、黒羽麻璃央、廣瀬友祐
■お問い合わせ:中京テレビ事業 052-588-4477(平日10:00~17:00)
■主催:中京テレビ放送
【大阪公演】
■日時:2019年3月30日(土)~4月14日(日)
■会場:梅田芸術劇場 メインホール
◆アフタートーク
4月2日(火) 13:30/大野拓朗、三浦涼介、黒羽麻璃央、渡辺大輔
4月3日(水) 13:30/古川雄大、木村達成、平間壮一、廣瀬友祐
4月5日(金) 13:30/古川雄大、大野拓朗
4月9日(火) 13:30/ 春野寿美礼、シルビア・グラブ、岸祐二、石井一孝、岡幸二郎
◆上演200回記念イベント
◆4月12日(金)13:30
『ロミオ&ジュリエット』2019キャストが総出演いたします。
※生田絵梨花は出演いたしません。
■お問い合わせ:梅田芸術劇場 06-6377-3800(10:00~18:00)
■主催:TBS/ホリプロ/東宝/ABCテレビ/梅田芸術劇場
■企画制作:TBS/ホリプロ/梅田芸術劇場