満島ひかり、MONGOL800キヨサクらとリハなし“朗読セッション”　仲村颯悟監督の卒業イベントで涙を流す観客も

2月24日（日）、渋谷のユーロライブにて『卒業記念イベント やぎと人魚とりゅうご 〜沖縄の中学生カントク、こんなに大きくなりました〜。』が開催。仲村颯悟（なかむらりゅうご）監督のほか、満島ひかり、 UKULELE GYPSYことMONGOL800のキヨサクが登壇した。

同イベントは、小学生の頃から映画を撮り続け、日本最年少監督（13歳）で『やぎの冒険』（2010）を世に送り出した沖縄出身の仲村監督が主催したイベント。当日は、仲村監督の『やぎの冒険』と『人魚に会える日。』を上映し、それぞれの上映後に監督とゲストとのトークが行われた。

『やぎの冒険』上映後、MCの呼び込みで仲村監督と満島ひかりが登壇。突然監督からメールでゲスト登壇の依頼を受けたという満島は、仲村監督を「中学校の後輩です」と紹介した。イベント開催の主旨について、仲村監督は「小学生から大学生までずっと映画を撮ってきて、学生が終わる節目で皆さんにイベントを通して感謝の気持ちを伝えたかった」と説明。満島もときおり自らを「ひかりー」と呼ぶなど、沖縄弁全開のアットホームな雰囲気で地元トークが繰り広げられた。

『やぎの冒険』の感想を聞かれた満島は「すごく面白かった。中学生が撮ったからもっと恥ずかしい感じかと思ったけど、役者さんもナチュラルで」と興奮気味に話す。さらに、故郷沖縄の好きなところについて聞かれると、「いろんな人がいて、みんながそれぞれの考えを持っていて、答えがずっとないところが好きです。あと、空が広いところ」とコメント。一方の仲村監督は「沖縄は好きでも嫌いでもなく、ホーム。帰る場所だからこそ、外からの姿も見たいなと思う」と答えている。

『人魚に会える日。』上映後には、仲村監督と主題歌「henoko blue」を作曲したUKULELE GYPSYこと、MONGOL800のキヨサクが登壇。キヨサクは数日後にMONGOL800としての武道館ライブを控えていたが、監督の熱いラブコールに答え登壇したという。

キヨサクは、楽曲を提供することになった経緯を説明。「沖縄の道でりゅうご（仲村監督）に声をかけられて、初対面だったが『やぎの冒険』のDVDを渡され、その後本作の企画の段階で楽曲の提供を依頼されて、「なんてガッツのある子」だろう、と感心した記憶がある」と語った。その後、作品を初鑑賞した際のこと「なんという暴力的な映像をまた作って（笑）」と振り返る。また、仲村監督の映画に対するアツイメッセージを感じ取り、「この作品に歌詞はいらない」と判断してインスト楽曲を提供したことも明かした。一方の仲村監督は、歌詞のある主題歌を欲しがっていたそう。しかし、キヨサクがあげてきた「henoko blue」を聞き、すんなりとキヨサクの想いを感じ取り、そのまま採用したそう。

また、キヨサクの発案により、急遽満島ひかりも再登壇。三人での登壇に、仲村監督も「夢みたいです」と感動。会場からも、大きな拍手が沸き起こった。キヨサクと満島ひかりは本日が初対面とのことで、キヨサクは「りゅうごと会うよりも、ひかりちゃんに会いたかったんだよ」と冗談めかしながらコメントした。さらに、キヨサクが数日前から仲村監督にこっそりと打診していた”朗読セッション”も実現。キヨサクのマンドリンに合わせ、リハーサル無しで、未発表の詩を３人が朗読した。「henoko blue」の曲に見事にのったセッションの後、3人は満面の笑みを浮かべ、会場には感動して涙を流す観客も。一体が感動の余韻に包まれつつ、イベントは幕を下ろした。

『卒業イベント　やぎと人魚とりゅうご　〜沖縄の中学生カントク、こんなに大きくなりました。〜』は、3月9日(土)に沖縄 桜坂劇場でもイベントを開催予定。ゲストに沖縄を代表する映画人たちを招き、学生監督としての最後のイベントを盛り上げるという。詳細は、公式サイトを確認しよう。