音楽と映画とインタラクティブの全米最大規模の見本市『サウス・バイ・サウスウエスト(SXSW)』開幕

2019.3.12
コラム
音楽

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※大手レコード会社の洋楽部門での豊富な経験を持つ筆者によるブログ「洋楽天国」提供記事をお届けします。

サウス・バイ・サウスウエスト(SXSW)が始まった

写真は事務局のHPより


先週の8日から始まった『サウス・バイ・サウスウエスト(SXSW)』。テキサス州オースティンで開催される音楽と映画とインタラクティブの見本市。アーティストやクリエイターに加え、ビジネスを目論む投資家も参加する。10日間で8万人を超える有料入場者がある。今日(3月11日)から音楽の「ミュージック・フェスティバル」がスタートする。

見本市は1987年から始まった。最初は音楽だけだったが、その後映画とIT系のインタラクティブを加えた全米で最大規模の見本市になっている。

テキサス州オースティンにはマンモス大学のテキサス大学オースティン校と東にはテキサスA&M大学がある。両校ともに学生と大学院生が5万人を超える、公立校としては規模が全米で5本指の中に入る。そんな背景から当初『SXSW』は若いミュージシャン達が集まってショーケースでライブを披露し、映画業界を目指す若者が自作の作品を持ち寄った。事務局によると第1回目は700人程の参加者だった。

その後年々規模が大きくなり、海外からの参加者も増えた。無名なミュージシャンのライブをチェックする為に大手のレコード会社も参加するようになった。ジョン・メイヤーやジェームス・ブラントが演奏してレコード契約にいたったケースもあり、『SXSW』は注目を集める。当ブログの筆者も4回目の2000年に参加した事がある。当時は昼間のパネル・デスカッションは数も少なく、会場のスタンドも寂しいものだった。しかし夜のライブは会場(小さいが)も多く大変な熱気があった。

1999年、『SXSW』のマルチメディア部門がインタラクティブに名称変更してから様相が変わった。今やIT関連の巨大イベントだ。背景にはオースティンにIT企業大手デルの本社やサムスン電子の半導体工場やインテルの拠点があるからかもしれない。市としてはIT企業の誘致で町を活性化したい。学生にとっては魅力的な町にうつる。2006年に始まったTwitterのサービスが、2007年の『サウス・バイ・サウスウェスト』でWeb賞を受賞し、一躍有名になった。 最近はこの見本市に、日本からも多くのIT関連の若者が参加するようになった。会場のコンベンション・センター等で商談に励む。

主催者によると、最近のミュージック・フェスティバルのショーケースに参加するアーティストは2000組にも達するという。交通費やホテル代が自前でもライブを披露し、業界関係者の注目を集めたい。

>>2019年3月11日「洋楽天国」より

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