TK from 凛として時雨、新曲「P.S. RED I」も披露したTOKYO DOME CITY HALLワンマンをレポート
TK from 凛として時雨
TK from 凛として時雨 katharsis Tour 2019
2019.3.9(Sat) 東京 TOKYO DOME CITY HALL
3月9日、TK from 凛として時雨が『katharsis Tour 2019』のツアーファイナルをTOKYO DOME CITY HALLで開催した。ストリーミングサービスによって海外でも数多くの人に聴かれた「unravel」に続き、再びアニメ『東京喰種』シリーズのテーマ曲となったシングル『katharsis』のリリースに伴う今回のツアーは、2月9日から一か月に渡り、5公演が行われ、ソロとしての、バンドとしての充実した今を見せつけるものとなった。
開演時刻を過ぎ、場内が暗転すると、サポートメンバーのbobo(ドラム)、吉田一郎(ベース)、大古晴菜(ピアノ)、佐藤帆乃佳(ヴァイオリン)に続いて、赤いシャツを纏ったTKが登場し、一曲目の「unravel」からライブがスタート。この日のステージには大きな雲のような形状の紗幕が吊るされていて、そこに幻想的な映像が映し出されると、バンドの強烈な演奏とも相まって、すぐにTK独自の世界観が作り上げられていった。
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「Wonder Palette」を終えると、一旦紗幕が上がり、「Abnormal trick」や「Crazy Tampern」など、アッパーなナンバーでよりバンドのダイナミズムそのものを押し出していく。前回のツアーからサポートに加わった吉田もboboと硬質なリズムを構築し、ディレイを効かせたギターが印象的な「Dramatic Slow Motion」をはじめ、全員がそれぞれのプレイに没入することによって生まれる高揚感は、やはりTKのライブならではのものだ。
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再び紗幕が下ろされた中盤では、アコースティックな色合いのある楽曲を中心に、映像演出も交えてステージを進行。アコギを用いつつ、激しいパートではそれを歪ませてエレキのように弾き倒す「subliminal」、ピアノの速弾きフレーズがスリリングな「phase to phrase」、ヴァイオリンをフィーチャーしたクラシカルな「haze」と続き、ピアノと歌から始まる重厚な未発表のバラード曲によって、このパートは感動的に締め括られた。
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「contrast」から始まった後半戦では再びギアを上げ、浮遊感のある音像とパンキッシュなリズムの対比が鮮やかな「invalid phrase」から、後半のカオスな展開が強烈な「Shandy」へ。バラードの「memento」では再び映像と照明の演出が加わって、スケールの大きな世界観を展開すると、ラストはツアーのメインテーマである「katharsis」。ドラマチックなイントロに始まり、様々な展開が盛り込まれたこの曲は、文字通り一曲の中で何度もカタルシスが押し寄せるかのようで、見事にオーディエンスを圧倒して本編を終えた。
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アンコールでメンバーがステージに姿を現し、会場中から大歓声が送られる中、本編ではほとんどしゃべらなかったTKがオーディエンスに感謝を伝えると、「もう2曲だけぶちかますので、最後まで一音も聴き逃さず楽しんでください」と話して、「Fantastic Magic」へ。吉田のスラップベースが印象的なこの曲では、メンバー全員これまでになくエモーショナルに演奏し、テンションの高まりを体で表現していく。
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「『スパイダーマン』、アカデミー賞おめでとうございます」と言って、この日最後に届けられたのは、映画『スパイダーマン:スパイダーバース』日本語吹替版主題歌としてリリースされたばかりの最新曲「P.S. RED I」。紗幕には蜘蛛の巣を連想させる網目が映し出される中、boboの叩き出す手数の多いトライバルなビートに嫌が応にも体が動く。さらに、キャッチーなコーラスも加わることによって、フロアはこの日最大の盛り上がりを見せ、新たなライブアンセムの誕生をはっきりと感じさせた。TKは最後までシャウトを繰り返し、ギターを弾き倒すと、やり切った表情で一人ステージを後に。残った4人のメンバーが再度オーディエンスに挨拶をして、場内は温かな歓声に包まれた。
Text by 金子厚武 Photo by 中野敬久
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