封印は解かれた! 安彦良和『ヴイナス戦記』公開30周年プロジェクトがはじまる
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『ヴイナス戦記』キービジュアル (C)学研・松竹・バンダイ
高密度作画の劇場用アニメ映画が席捲する1989年に公開され、それらの作品と肩を並べるほどのクオリティながらも、その後30年に渡って“封印”されていた安彦良和監督の名作『ヴイナス戦記』。
その作品が安彦良和の“封印”解除宣言によって上映より一度も封を開けられることがなかったネガフィルムを開封。“封印”で最高に近い状態で保存されていたネガフィルムは、HDスキャンをかけるとより鮮明な形のデジタルリマスターに成功。公開30周年を記念し、Blu-ray発売が決定した。
『ヴイナス戦記』Blu-rayジャケット (C)学研・松竹・バンダイ
さらに、今回制作したHDリマスター版による上映・配信・原作コミックの電子書籍化といったマルチ展開を実施予定とのことだ(※詳細は決定次第公式HPで告知される)。
『ヴイナス戦記』場面写 (C)学研・松竹・バンダイ
安彦良和コメント
30年前、僕は敗者でした。その屈辱と自分への苛立ちで、僕は本作を封印したのです。それは、昭和が終る、さまざまな意味での節目の年でした。30年が経ち、今、平成という次の時代も終ろうとしています。
デジタル配信の時代になり、「封印」という古びた手法ではもう作品を隠せないことを教えられ、僕は本作と再会しました。
なつかしかったです。どの画面も、そして、字幕で見るスタッフの、あの名前も、この名前も。
今は、作品と、みなさんに詫びたい気持です。そして、観てやってほしいと切に思っています。
タイムカプセルから出た本作を、現在(いま)の時代の目で。
『ヴイナス戦記』場面写 (C)学研・松竹・バンダイ
30年の時を経て、輝きを増した『ヴイナス戦記』が今、甦る。一日もはやくその映像を観てみたいファンも多いはずだが、マルチメディア展開もあわせて楽しみに待ちたい。
リリース情報
2019.7.26 ON SALE
BCXA-1449/7,800円(税抜)/100分(予)[本編100分+特典3分]/
リニアPCM(ドルビーサラウンド)/AVC/BD50G/16:9<1080p high definition>
発売・販売元:バンダイナムコアーツ
※特装限定版は予告なく生産を終了する場合がございます。
●安彦良和描き下ろし収納BOX
●特製ブックレット(32P予定)
●縮刷パンフレット(32P予定・抜粋版)
●特報
<STORY>
巨大な氷惑星の衝突をきっかけに、人類の移住が可能となった金星=ヴイナス。移住から70年が経過した惑星では、大陸を二分するアフロディアとイシュタルという自治州同士によって戦争状態にあった。その一方で、惑星自体がかつての金星の姿を取り戻すかのように温暖化も進み、ヴイナスは政治と環境の両面において先の見えない状況に置かれていた。
アフロディアに住む少年・ヒロはそんな閉ざされた未来に対する不満を、危険なバイクレース「ローリング・ゲーム」にぶつけて過ごしていた。そんな中、アフロディアの首都にイシュタル軍が電撃的に侵攻を開始し、ヒロたちの日常は戦火によって失われてしまう。レースという自分たちの楽しみさえ奪われ、その鬱憤を晴らすため、ヒロとその仲間たちは、街を襲撃するイシュタル軍の巨大戦車・タコを襲撃する計画を実行する。しかし、自分たちから飛び込んだ戦場は、圧倒的な力の差という非情かつ残酷な真実を突きつける。そしてこの戦いをきっかけに、ヒロはアフロディア軍と出会い、戦闘用のモノ・バイクに乗り込む兵士として、さらなる戦争の現実を体験していくことになる……。
原作:安彦良和(学研「NORA」掲載)/監督:安彦良和/脚本:笹本祐一・安彦良和/作画監督:神村幸子/メカニック作画監督:佐野浩敏/メカニックデザイン:小林 誠・横山 宏/キャラクターデザイン:安彦良和/美術監督:小林七郎/撮影監督:玉川芳行/音響監督:千葉耕市/音楽監督:久石 譲/制作協力:トライアングルスタッフ/アニメーション制作:九月社/製作:ヴイナス戦記製作委員会/配給:松竹
<CAST>
ヒロ:植草克秀(少年隊)/マギー:水谷優子/スウ:原 えりこ/ミランダ:佐々木優子/ガリー:納谷悟朗/ウィル:大塚芳忠/キャッシー:吉田古奈美(現:吉田小南美)/ロブ:菊池正美/ジャック:梁田淸之/タオ:河口 宏/カーツ:池田秀一/ドナー:塩沢兼人/将軍:藤本 譲/シムス:玄田哲章