おっちゃん&ミンジュの怪しいK-Pop喫茶[第18話] JYPの隠し玉
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からんころ~ん
おっちゃん「お、いらっしゃい」
ミンジュ「わ~い、久しぶりー! …ん?」
【動画】Yerin Baek(ペク・イェリン) 『それはたぶん私たちの過ちじゃない(Maybe It's Not Our Fault)』
ミンジュ「なんやらえらいコジャレたBGMかかってるやん」
おっちゃん「ええやろ? ペク・イェリンゆう歌手やねん」
ミンジュ「イェリンゆうたらウチの後輩やないの。どうりで雰囲気ええと思うたわ」
おっちゃん「自分の後輩やて?」
ミンジュ「ウチがJYP出身の歌手ゆうこと忘れたんかいな? ウチが2006年入社でイェリンが2007年やねん。当時あの娘はまだ10歳で天才少女ゆわれてたわ」
おっちゃん「へー。ほな一緒に仲良く練習してたんやな」
ミンジュ「どおやったっけ? 歳も離れとったし、あっちは半分アメリカ住んどったから、そこまで仲良しって程でもなかったよおな」
おっちゃん「(かくん)なんやねん、ペク・イェリンのこと、いろいろ教えて貰お思うたのに」
ミンジュ「そんでもデビューした頃のことはある程度知ってるで。あれは確か2012年のことやった…(ぽよよ~ん)」
おっちゃん「唐突な回想モード(驚)」
ミンジュ「その年はSBSのオーディション番組『K-POPスター』のシーズン1が始まった年やねんけど、そこで優勝したんがパク・ジミンちゅう女の子やった。当時まだ15歳やったんやで」
おっちゃん「ぴゃー、天才やん」
ミンジュ「そおゆう評判やった。で、各社争奪戦の結果、なんとJYPが獲得することになったんやけど、パク・ジニョンのおっちゃん舞い上がってもうて、“ふたりの天才少女、しかも同い年”ってだけでイェリンと組ませたら絶対売れると思い込んだに違いない。パク・ジミンとペク・イェリンをコンビにして、いきなりデビューさせたんや」
おっちゃん「安易やなぁ」
ミンジュ「パク・ジニョンのおっちゃんはちょっとそおゆうとこあんねん。『K-POPスター』で3位やったペク・アヨンも入社と同時にデビューさせられたし、ウチも早過ぎるデビューのせいで苦労したもん。この二人の場合、15歳やから15&ちゅう適当な名前までつけられて、端から見てても可哀想やったわ」
おっちゃん「にゃるほど~。そんで、売れたの?」
ミンジュ「売れる訳あるかいな、なんの策もないんやもん」
【動画】15&『I Dream』
おっちゃん「鳴り物入りの割には地味な歌やな」
ミンジュ「そやねん。ウチがゆうのもなんやけど、そもそもこのふたりには華がない。変なアイドル売りするより、じっくり実力を活かすよおな作戦をとるべきやったと思うで」
おっちゃん「そおはゆうてもJYPはアイドル主体の事務所やからね」
ミンジュ「こんな顔でアイドルになれるかー!(うきーっ)」
おっちゃん「わぁ、ゆうてはならんことを」
ミンジュ「あの事務所にはデビューさせるだけデビューさせて、あとは放っておくっちゅう悪癖があって、ウチもアヨンもこの娘らもそれで辛酸を舐めてきたんや」(※個人の意見です)
おっちゃん「古巣批判が止まらんなぁ(呆)」
ミンジュ「結局会社に頼らず、オノレで道を切り開くしかない訳よ、あの会社では」
おっちゃん「なるほど。ペク・アヨンは自分の道を見つけて売れたし、自分は見つけられなくて未だに売れてない訳ね」
ミンジュ「ウチのことはどーでもええねん! ペク・イェリンも15&に見切りをつけてソロ活動を始めたら上手くいったゆうことや」
おっちゃん「そやなぁ。ソロデビュー曲の『宇宙を渡って』は名曲やったもんなぁ」
【動画】Yerin Baek『宇宙を渡って(Across the universe)』
ミンジュ「この曲はけっこう売れたね」
おっちゃん「ワシも買うたで。アルバム全曲よかった。彼女の個性的な声を活かした曲作りやったと思う」
ミンジュ「ちょっと儚げな独特の歌い方やもんね」
おっちゃん「うん。その次に出したシングルも同じ路線で、完全に自分らしさを掴んだ感じ」
【動画】Yerin Baek『Bye bye my blue』
ミンジュ「それにしても、ここに至るまでデビューから4年かかっとる。元が若いからええけど、並の新人なら20代半ばになってるとこやで」
おっちゃん「『Bye bye my blue』の時点でまだ19歳か。そお考えるとやっぱり天才やな」
ミンジュ「いくら天才ゆうてもひとりの力でこんだけの歌を作れる訳がない。彼女の躍進の陰にはとあるプロデューサーの力が大きいとみた」
おっちゃん「とあるプロデューサー?」
ミンジュ「イェリンの彼氏や」
おっちゃん「えーっ? マジで?」
ミンジュ「彼女がソロデビューした当時、熱愛報道が出たの知らんけ?」
おっちゃん「いや、じぇんじぇん」
ミンジュ「弘大(ホンデ)の周囲で男と歩いてるゆう目撃情報が相次いで、けっこう話題になったもんやけどな」
おっちゃん「弘大ゆうたらインディーズバンドのメッカやんか」
ミンジュ「そお。そしてイェリンと一緒に歩いておった男こそ、インディーズ界の注目株コ・ヒョンソクやねん」
おっちゃん「(かくん)誰やねん」
ミンジュ「コ・ヒョンソクは作曲家、プロデューサー、キーボード奏者、そして歌手。その頃参加しとったバンドはBye Bye BadmanおよびCHEEZE(チーズ)」
おっちゃん「チ、CHEEZEやてーーー!?」
ミンジュ「おや、CHEEZEはご存じで?」
おっちゃん「知ってるもなにも、ワシ大ファンやんか。CDも音源も全部持ってるで」
ミンジュ「へー」
おっちゃん「ダルチョンの澄んだボーカルが実に心地ええのよねぇ」
【動画】CHEEZE『なにを思って(How Do You Think?)』
ミンジュ「この女の子がダルチョン?」
おっちゃん「いや、この娘はチョン・ソニゆう女優さんや。ダルチョンは出演してないけど、こんな顔。左ね」
ミンジュ「あら、美人さんやないの」
おっちゃん「そうやねん。そんで声がきれいで作詞作曲も出来る」
ミンジュ「まるでウチみたい」
おっちゃん「(無視)これ、ええ曲やろ? ワシ、スマホの着信音にしてるくらいお気に入りやねん」
ミンジュ「きもっ」
おっちゃん「なんやと、コラ?」
ミンジュ「いや、さすがに大ファンゆうだけあるなぁ思うて(てへへ) ウチ、CHEEZEのことはそんな詳しゅうないから」
おっちゃん「知らざあゆうて聞かせやしょう。CHEEZEはもともと東亜放送芸術大学の仲間4人で結成されたバンドやねんけど、方向性の違いですぐひとり抜けて、その後ラッパーのヤスっちゅうのが入隊してもおたんで、結局ダルチョンとクラウドのふたりでずっと活動してきたんや。ダルチョンが作詞とメインボーカル。クラウドが作編曲とサブボーカルみたいなスタイルで、インディーズとしてはけっこうな人気やったんやで」
ミンジュ「へ~」
おっちゃん「さらにダルチョンとクラウドは結成当時から付き合ってて、つまりカップルバンドってことやな」
ミンジュ「ほなこの写真の右の男がクラウドってこと?」
おっちゃん「そや。それが2016年に突然クラウドが抜けて、ダルチョンひとりでCHEEZEとして活動することになったんや。当然私生活でのカップルも解消したらしい」
ミンジュ「そおやろな」
おっちゃん「その結果、本名イム・ヘジョンはステージ名がダルチョンでバンド名はCHEEZEゆうややこしい状況になってもおた」
ミンジュ「なるほど。おっちゃんはダルチョンには詳しいけど、クラウドの方はそんなでもないらしい」
おっちゃん「男に興味持つほどヒマやないもん」
ミンジュ「さっきゆうたイェリンの彼氏な」
おっちゃん「あー、コ・ヒョンソクゆうたっけ」
ミンジュ「それ、この写真でダルチョンの隣におる奴やで」
おっちゃん「えーーーーーっ!?」
ミンジュ「つまりコ・ヒョンソク=クラウドってことらしい」
おっちゃん「ぴゃー、驚いた。『悪魔の手毬唄』でアイツとアイツとアイツが同一人物って知った時くらい驚いた」
ミンジュ「ネタバレ注意やで」
おっちゃん「つまりクラウドはダルチョンちゅうパートナーがおるのに、10代の女の子に浮気したゆうことやな」
ミンジュ「私生活でも仕事の上でもね」
おっちゃん「な、なんてゲスい奴や。ゲスすぎてうらやましい(涎)」
ミンジュ「サイテー」
おっちゃん「そらぁCHEEZE抜けるしかないわな」
ミンジュ「イェリンのソロデビューが2015年で、その時からコ・ヒョンソクが曲作ってたからCHEEZEやめるまで1年かかったことになるね」
おっちゃん「よおそんな修羅場抱えて創作活動出来るのぉ(呆)」
ミンジュ「そんだけ才能あるんでしょーよ」
おっちゃん「(ポン)なるほど、それで合点がいった」
ミンジュ「と言いますと?」
おっちゃん「ワシがなんでペク・イェリンが好きになったかとゆうと、今にして思えば初期のCHEEZEに雰囲気が似てたからや。気だるい歌い方や、サウンドがまさにワシ好みやったんやけど、同じ奴がプロデュースしとったんやからそれも当然」
ミンジュ「そらそおやね」
おっちゃん「一方でひとりCHEEZEとなったダルチョンはより明朗な方向を目指してるよおにも思えるな。メジャー指向とでもゆうか、歌い方も変わってきたし」
【動画】CHEEZE『Be There』
ミンジュ「これは日本の大橋トリオのカバー? 確かに以前とはだいぶ方向性が違うね」
おっちゃん「浮気云々以前に音楽性の違いから別れたのかも知れん」
ミンジュ「そうそう。確証もないのにゲス扱いしちゃあかん。ある意味コ・ヒョンソクの好みが一貫しとったちゅうだけのことかも」
おっちゃん「そうやな。今じゃペク・イェリンの方がよりCHEEZEって気がしてきたわ。とにかく彼女とクラウドのコンビは上手くいってるみたいで、ソロデビュー曲の『宇宙を渡って』や『Bye bye my blue』はヒットしたし、最新曲の『それはたぶん私たちの過ちじゃない』に至っては音楽番組で何度か1位になったほど売れたもんな」
ミンジュ「それも地上波の番組だからすごいよね」
おっちゃん「クラウドにとってはCHEEZE時代も含めて初めての1位ちゃうか? TWICEが1位になるのはもはや当然て気がするけど、ド新人のITZYに加えてアイドル路線じゃないイェリンまで1位を獲得するなんて最近のJYPはすごすぎる。こんな隠し玉を持ってるなんて、おとろしい事務所や」
ミンジュ「なんかむかつく(憮然)」
おっちゃん「これでJYPが今の芸能界を揺さぶっとる妙なスキャンダルに巻き込まれなければ万々歳やろう」
ミンジュ「ところが、イェリンがいつまでもJYPにおるとは限らんのよ」
おっちゃん「は?」
ミンジュ「実はコ・ヒョンソクは今The Volunteers(ザ・ボランティアーズ)ちゅうバンドを結成してて、イェリンもそのメンバーなのよ」
おっちゃん「わ、なんじゃこりゃ?」
ミンジュ「今ではこのバンドでさまざまな公演活動もしてて、イェリンとJYPの契約が満了する今年10月を機に正式に音源デビューするんやないかって噂なんよ」
おっちゃん「ちゅうことは移籍するっとこと?」
ミンジュ「コ・ヒョンソクが所属するストロベリーサウンドにね」
おっちゃん「ひゃー、せっかくの隠し玉が、まさにお隠れになってしまうんかい」
ミンジュ「まだ噂の段階やけどね。アメリカ育ちのイェリンは英語の曲とかも幅広くやりたいやろうし、今までJYPがなんかやってくれた訳でもないよって、大切なのは事務所よりコ・ヒョンソクでしょう」
おっちゃん「事務所より男をとるってことやな」
ミンジュ「表現がゲスいねん(呆)」
おっちゃん「そやけどクラウドがまた別の女に手を出したら大事務所を辞めたこと後悔することにならんかな」
ミンジュ「そん時はひとりThe Volunteersになってソロ活動するんやないの?」
おっちゃん「CHEEZEの二の舞かっちゅうの(呆)」