有澤樟太郎×北村諒インタビュー「先駆けとして恥じないような作品に」 TXT vol.1 『SLANG』

2019.6.11
インタビュー
舞台

(左から)有澤樟太郎、北村諒

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2019年6月20日(木)より東京・よみうり大手町ホールにて高橋悠也×東映シアタープロジェクト TXT (テキスト)vol.1 『SLANG』が上演される。夢を世界中に配信できる世界で、さまざまなジャンルの夢を公開する“夢人(ユメジン)”たちのストーリー。キャストには各方面で活躍中の俳優陣が集結し、登場人物それぞれの”虚構”と”現実”をどう演じるかも見どころとなる。演劇シーンに新たな風を吹き込む本作へ抱く今の思いを、バク役の有澤樟太郎とゴズを演じる北村諒に語ってもらった。

ーーお二人の共演は久しぶりでしょうか?

北村:舞台『七つの大罪 The STAGE』(2018年)以来かな?

有澤:ですね。今回、共演経験のある諒くんと(赤澤)燈くんがいてくれることが心強くて。

北村:ホント?

有澤:もう、弟のようにかわいがっていただいて……ゲームしたり、あとゲームしたり。

北村:(笑)。あのね、樟太郎は本当にかわいいんですよ。年下なのに年下っぽくない瞬間がある。ポケ~っとしているように見えてしっかりしてるし、役に入ったらガラッと切り替わる。尊敬できる部分もあるから、“ザ・年下”っていう感覚はあまりないかもしれないですね。

ーー撮影時からまるで兄弟のような雰囲気でしたね。では、今回のお話をいただいたときの感想をお聞かせください。

有澤:高橋(悠也)さんと東映さんが組んではじめる本当に大きなプロジェクト。第一弾に出演できるということだけでうれしかったです。

(左から)有澤樟太郎北村諒

北村:高橋さんの作品、演出は初めてなのでワクワクしています。オリジナルストーリーということで、一から作っていけることが楽しみです。

ーー夢を配信するチャンネルを持つ“夢人(ユメジン)”たちの物語。ストーリーへの印象は?

有澤:最初に資料をいただいた段階では、自分にとって難しい挑戦になるんだろうなと思っていましたが、ビジュアル撮影を経て今はそこまで固く考えないようになりました。“夢人”は、現代でいうYoutuberに近い存在。あらすじや設定の段階でお客様にも興味を持っていただけると思います。“夢チャンネル”のなかにもいろいろとジャンルがあるんですよ。

北村:僕が演じるゴズは『悪夢ブラザーズ』というコンビを組んでいて、危ない動画を上げてしまうキャラクター……ビジュアルを見ていただけるとそのヤバさがわかると思います(笑)

有澤:衣装が細かいですよね。バクは頭に目玉焼きがついてるんです。

北村:きっと”夢チャンネル”でグルメリポートとかをするからでしょ? キャラクターに合った装飾品がビジュアルに反映されてて、本当にすごい! そして、このビジュアルみて、どういうお芝居するんだろうとお客さんは思うよね(笑)

ーー今回、2つのビジュアルがあって、それぞれのビジュアルのインパクトはすごくありました。

有澤:(この取材時点では)まだ稽古前なので未知な部分が多いんですけど、ビジュアル撮影のときは全く別人を演じたような感覚でした。

有澤樟太郎

北村:時間もかなりかけて撮影して。出来上がりまでがなかなか大変な道のりでしたね(笑)

ーー撮影を経て、役柄について何かヒントは得られましたか?

北村:撮影自体は結構好きにやらせてもらいました。「イタズラっぽい感じで」や「Sっ気」っていう指示をいただきつつ、そのなかから出てきた表情です。正直、ビジュアル撮影をしたことによって、ますます役がわからなくなった(笑)

有澤:最初に公開されたメインビジュアルはアートな雰囲気じゃないですか。それが……。

北村:(キャラクターは)めっちゃポップやんけ! っていう(笑)

有澤:「こう来るか!」っていう動揺から入りましたよね。

有澤樟太郎 ソロビジュアル

北村諒 ソロビジュアル

ーー役者すらも予想外の展開、という。

北村:そう、まず迷子になるところからスタートして(笑)

有澤:本番はどうなるんだろうっていう気持ちでいっぱいに。

北村:ビジュアル撮影からすでに本当にいろんなスタッフさんのこだわりが詰め込まれた状態でした。この時点で世界観がすでに表現されているなと。このビジュアルが解禁されたときのお客さんの反応も楽しみですし。「どうなってるの?」っていう気持ちをいい意味で裏切ることができたらいいですね。

(左から)有澤樟太郎、北村諒

ーーそして、本作は有澤さんにとって初主演作品となります。

有澤:最初は気負うだろうなと思っていたんですけど、座長を経験してる方がたくさんいらっしゃってとても頼もしいです。僕は「引っ張るぞ!」という感じでもないので、ただただいい作品を作りたいです。“vol.1”と銘打たれているので、先駆けとして恥じないように。

北村:「樟太郎、初座長なんだ?」って思った。もうすでに経験してるかと思ったもん。

有澤:諒さんが初座長のときはどんな感じだったんですか?

北村:舞台『屋上ワンダーランド』(2013年)っていう作品だったんだけど、当時は役者としてのキャリアも浅かったし……怖かったなぁ。

有澤:それは主演をやることに対して?

北村:そう。ただただ「怖いな」って。

有澤:正直、僕も怖いんです。

北村:でも、知っているキャストもいるし、これだけの方々がいらっしゃるわけだから安心していいんじゃないかな。もともと気負うタイプじゃなくない?

有澤:……じゃないです(笑)

北村:でしょ(笑)? だから心配はしてないよ。

有澤:逆にどうすればいいのかわからなくて。

北村:ないよ、ないない! やらなきゃいけないことなんてないよ。いつも通り、ちゃんとやれば大丈夫だよ。

北村諒

ーー作中、 “夢”が大きなキーワードとなりますが、寝ているとき夢を見るタイプですか?

北村:夢は見ないんですけど、睡眠中の癖があるっぽくて。この前、ハッと夜中に目覚めたら両腕を天井に向かって上げてた(笑)

有澤:え、怖い怖い! それ今まで気づかなかったんですか? ちょっと腕疲れちゃってるなとか。

北村:それがないんだよね(笑)

有澤:僕はあるバラエティー番組に出ることになった夢。大御所芸人の方の楽屋にご挨拶しに行って緊張のあまり声が出なかったんですけど、笑いながらツッコんでもらったっていう幸せな内容……寝る前にその番組を見ていた影響ですね。

北村:おもろい(笑)

有澤:現実では見たことも会ったこともない知らない人と、夢の中でめっちゃ盛り上がってるときってありません?

北村:え? ないよ。あるの?

有澤:最近見た夢なんですけど、全然知らないのに僕の部屋で喋ってるんですよ。あまりにも仲いいから、現実でも出会うんじゃないかって駅とか人が多いところでキョロキョロしちゃいますもん。

北村:それ、本当に現実で出会っちゃったらすごいね(笑)

(左から)有澤樟太郎北村諒

ーー睡眠といえば、昼公演と夜公演の間に眠って体力回復する役者さんも多いですが、お二人は?

北村:前は寝てたんですけど、体が完全に休まってしまうので最近はゲームして過ごしてます。もしかしたら、一回リセットしたい気持ちがあるのかもしれない。

有澤:僕もあんまり寝ないですね。発声練習してます。でも、最近15分くらいの短時間睡眠のすごさに気づいたんですよ。

北村:わかる! がっつり寝ないけど、それはやるもん。

有澤:めちゃくちゃ回復しますよね。

北村:背中を床につけている状態だけでも体が休まるんだって。そういうのはやったりしてますね。

有澤:いや~、諒さんと燈くんが楽屋にいたら寝ないですね。絶対ゲームやりますもん。

北村:間違いないね(笑)

有澤:今回、それが一つの楽しみでもあります(笑)。『七つの大罪~』のとき、男子楽屋に僕らだけになってましたもんね。

北村:結構人数いるはずなのに、気づいたらみんないなくなってた(笑)

ーー今回も賑やかな楽屋になりそうですね(笑)。最後に、読者の皆様へメッセージをお願いします。

北村:きっとビジュアルをご覧になって驚いたり戸惑ったりされているかもしれませんが(笑)、楽しみにしてください! 演劇で勝負できる面白い作品を作りたいと思っています。オリジナルの、ストレートのお芝居ですし、今の世の中をリンクするような設定にも何か感じてもらえることがあると思います。

有澤:初主演となりますが、稽古に入るとそのことを考えられないくらい、良い作品を作ることに集中していくと思います。キャストだけでなく、携わるスタッフ全員が全力を尽くしているプロジェクト。あとは僕たちが板の上でどう表現するかにかかっています。ビジュアルにもたくさんヒントがあるので本番までにたくさん探して、その楽しみを持って劇場に足を運んでいただけたらうれしいです。

(左から)有澤樟太郎、北村諒

ヘアメイク=古橋加奈子(LaRME)
スタイリング=ヨシダミホ

取材・文=潮田茗 撮影=岩間辰徳

公演情報

高橋悠也×東映 シアタープロジェクト   
TXT vol.1 『SLANG』 
作・演出:高橋悠也 
出演:有澤樟太郎 井上小百合 (乃木坂46) 和田琢磨  / 
北村諒  赤澤燈 岩永徹也 谷口賢志 
黒川一樹 勝亦利恵 的場祐太 
 
会場:よみうり大手町ホール(東京都千代田区大手町1-7-1)   
日程:2019年6月20日(木)~30日(日)

<全席指定>前売・当日:7,800円(税込)   
※未就学児入場不可   
 
特設HP:https://www.txt-theater.jp/ 

企画・プロデュース:東映 
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