西川貴教、本名名義での初のツアー全14公演を完走 満員のZepp Tokyoを熱狂の渦に巻き込んだツアーファイナルの公式レポが到着
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西川貴教 Photo by CHIE KATO (CAPS)
西川貴教が4月から行ってきた全国ツアー「Takanori Nishikawa LIVE TOUR 001 [SINGularity]」のファイナルとなる追加公演が6月20日、東京・Zepp Tokyoで行われた。
西川貴教 Photo by CHIE KATO (CAPS)
西川貴教 Photo by CHIE KATO (CAPS)
西川は2018年、西川貴教名義での活動を本格的にスタート。本名で活動することについて西川は、「自分の声や表現力を使ってどういうことができるのかを模索する」と話す。シングルCDや配信リリースを重ね、2019年3月に待望のファーストアルバム『SINGularity』リリース。今回が初の全国ツアーとなる。
西川貴教 Photo by CHIE KATO (CAPS)
アルバムタイトルでツアータイトルでもある『SINGularity』は、「技術的特異点(=人工知能(AI)が人類の知性を越える時点)」という意味でも使われる言葉。今回のツアーはこの言葉とリンクするように、ステージ後方のLEDが「F.L.E.I.(フレイ)」と名付けられたAIであるとして物語がすすむ。ストーリーの監修には「攻殻機動隊S.A.C」シリーズの神山健治監督、そして同じく「攻殻機動隊S.A.C」のオープニング映像などを手がけ、西川とはT.M.Revolutionでタッグを組んだこともある映像ディレクターのA.T.(エーティー)も参加している。
西川貴教 Photo by CHIE KATO (CAPS)
西川貴教 Photo by CHIE KATO (CAPS)
ライブ前半は、芝居仕立てで進行。西川は、「F.L.E.I.」と会話しながら「人間とAIの共存」を模索する。一方「F.L.E.I.」は、人間の心という概念を理解すべく様々な角度からヒトを分析していくが、ヒトの感情を深く知ると「共存できそうもない」と西川を突き放す。ライブが進むにつれ、西川の存在は何なのか、そして何を表しているのかが明らかになる。そして最後には、大どんでん返しとも言える結末が待っている。この複雑な物語とアルバム曲を中心としたナンバーが絶妙にリンクして、「ライブ」という言葉で一括りにできない、壮大な世界が繰り広げられた。
西川貴教 Photo by CHIE KATO (CAPS)
後半は、それまでの物語に対する「西川の答えここにあり」とも言えるリアルなライブを展開。「夢を持てとは決して言わない。その代わり俺がお前の夢になってやる。西川貴教、俺がSINGularityだ」と叫び、前半にプレイした楽曲数曲を含む8曲をリミックスバージョンでプレイした。圧倒的な西川の歌声とパワフルなパフォーマンスは、決してAIにはできないであろう「人の心」がむき出しになったものだった。
西川貴教 Photo by CHIE KATO (CAPS)
ライブ中のMCで西川は、「一生の中でそんなにあるはずないのに、何度か経験している気がする(笑)。でも正真正銘、生まれて初めて『西川貴教』としてのツアー」と、自らの音楽活動で4度目の「初ツアー」であると話した。未発表の今後のスケジュールがたくさんあるようで「言いたいことだらけ!」とだけ伝えると、客席からは大きな期待の歓声が上がった。また「この歳、このキャリアにして、全く失敗を恐れず、もう一度ゼロから全てのことに挑み続ける」とファンに誓い、「西川貴教、俺がSINGularityだ」という言葉通り、自らで自らを超えていくことを宣言した。
西川貴教 Photo by CHIE KATO (CAPS)
このライブの模様は、7月28日(日)午後5時からWOWOWで放送予定。西川がパフォーマンスに込めたメッセージを、物語や歌詞、その表情からじっくりと読み解いてほしい。