岡本信彦さんが考える、アニメともナレーションとも朗読劇とも違う「絵本」の読み方とは?--絵本読み聞かせ新番組『きみへ読む絵本』インタビュー
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岡本信彦さんが考える、朗読劇とも違う「絵本」の読み方とは?
スマートフォン向け放送局「NOTTV」とアニメ専門チャンネル「アニマックス」は、11月21日(土)より人気男性声優3人(岡本信彦さん、安元洋貴さん、森川智之さん)が「絵本」を読み聞かせる番組『きみへ読む絵本』を放送します。
この番組のユニークなところは、NOTTV版とアニマックス版の2種類が制作されたところ。NOTTV版では番組のために作られたオリジナル絵本を朗読し、アニマックス版では有名絵本を朗読。出演者は同じだが、絵本が異なるので番組の雰囲気が若干違うのが特徴です。
また、映像の美しさにも注目で、10月某日に行われた撮影を見学すると豪華な機材がズラリと並んでいました。主に映画撮影に使用されるRED Digital Cinemaの「EPIC」やデジタル一眼レフカメラ「Canon 5D mk3」などが複数台用意され、何人ものスタッフが機材を操っていました。明かりのほとんどない暗いスタジオはアダルトな空間を演出し、一般的な声優番組とはひと味違う雰囲気だった。声優ファンはもちろん、デジタル機器に興味のある人も要チェックです!
■絵本朗読番組に出演した感想を岡本信彦さんに聞いてきました!
──『きみへ読む絵本』に出演した感想をお聞かせください。
岡本信彦さん:(以下、岡本):まずお仕事のオファーをいただいたとき、「絵本を読む番組」ということに驚きました。今回のメンバーのなかで一番若手の僕がやらせていただくのにあたり、「ここをこうしよう」とかまったくなく、ごく普通にやりました。
──他のお仕事の場合と違いましたか?
岡本:そうですね。普段、オーディションを受ける時などは「ここはこうやろう!」とか自分なりに解釈して演じるのですが、朗読に関しては「伝わればいいかな?」といった感じでのぞみました。僕にもし子供がいて読み聞かせるとしたら、言葉が伝わればそれでいいと思います。「僕流はコレでしょ」みたいな主張はしていません。
──絵本にもさまざまなキャラクターが登場しますが、演じ分けはされましたか?
岡本:特に演じ分けないで読んだ絵本もありましたが、演じ分けたとしても多少雰囲気を変えた程度です。小さい子供が聞いたとき、「ちょっと変わったかも」とだけ分かってもらえればいいかなと思いました。なので、明確にはキャラクターは作っていません。
──アニメやナレーションのお仕事と、絵本の朗読でもっとも異なる部分はどこでしたか?
岡本:絵本を読むときに気をつけたのは、「伝わればいい」というところです。おそらくご自身のお子さんに絵本を読んでいるお父さんとかお母さんたちも、自分流の読み方やイントネーションがあると思います。子どもたちに絵本の内容が伝われば、それが正解だと思います。
──朗読劇と絵本は違いますか?
岡本:朗読劇とはぜんぜん違いました。朗読劇はダブルキャストの場合もあるので、どれだけ自分を出せるかというところに気を配ることもあります。絵本は「物語のおもしろさを伝える」のとも違うんです。お話の内容を「耳に届けるだけ」と言いますか、本当に最低限のことしかしませんでした。
──アニメと絵本の朗読、どちらが難しいですか?
岡本:絵本を読むことはとても奥が深いと思います。ですが今回僕がやったのは「伝わればいい」という根源的なことだけです。絵の朗読は、誰しもが正解になれると思います。
──スタジオには多数のカメラがありましたが、読みにくくありませんでしたか?
岡本:やりにくかったです(笑)。僕がなぜ声優になったかと言うと、顔を出さずにお芝居ができるというのがあったので、今回のようにカメラがたくさんあると緊張しますね。
──岡本さんにとって、絵本の思い出はありますか?
岡本:『長靴をはいた猫』や『人魚姫』、『桃太郎』などは見ていましたが、まだ幼くてそれほど文字が読めなかったころなので、読んでなかったと思います。自分で絵本は見ていましたが、親に読んでもらった記憶がないんです。だからなんとなく絵だけ眺めて、お話の内容を想像しながら楽しんでたんだと思います。そういう遊びができるのも、絵本のよさだと思います。僕の母親はボランティアで朗読の仕事をしていたので、僕に朗読する時間よりも仕事を優先していたんでしょうね(笑)。
──お仕事をしていたのに、読んでもらえなかったのですか?
岡本:母親は仕事で疲れていたのでしょうか?(笑) 1回くらいは読んでくれたことがあったかもしれませんが、記憶にないですね。
──番組で4冊の絵本を読まれましたが、感想をお聞かせください。
岡本:『ぼくのかえりみち』(BL出版)のストーリーは「あるある」でしたが、僕が持っている絵本のイメージは真逆なんです。動物たちが会話していたり二足歩行していたり、ファンタジーの世界です。僕が子供だった当時の絵本は「不可思議な空間」として認識していたので、ちょっと怖い存在でした。「なんで桃太郎からもらったきびだんごを食べたんだろう?」とか「なんで鬼をこらしめたのに笑顔なんだろう?」とか「鬼はキジなんかにやられないんじゃないか?」とか、考え始めるときりがありません。絵本は怖かったです。
──なるほど……考えだしたらきりがないんですね。
岡本:絵本を見ていると、子供ながらに思うところがたくさんありました。僕は子供のころから妄想するのがすごく好きで、よく「ぼーっとしている」と言われていましたが、ただぼーっとしているのではなくて、ずっと妄想していたんだと思います。親に聞かないで、自分のなかで延々と考えている子供でした。
──妄想がお好きでしたら、NOTTV版の創作絵本は共感できたのではないでしょうか?
岡本:僕はNOTTV版のほうがしっくりきました。『浦島太郎』を子供のころに読んだとき、本当に怖かったんです。例えば僕が友達と遊んだとき、誕生日プレゼントをもらったお返しに「絶対あけちゃダメ」なお返しなんかしません。しかも、確実に害のある贈り物です。そんな物語を知ってから、僕はいろいろ考えた上に「乙姫様は怖い人なんじゃないか?」と思うようになりました。なので、NOTTV版の『浦島太郎』のストーリーは納得です。
──想像力豊かなお子さんでしたね(笑)。
岡本:そして『かぐや姫』もそうです。なんで月の住民が地球に来るんですか?
一同:(笑)
──それを言われてしまうと絵本にならないです(笑)。
岡本:この疑問は親にも聞いたんです。でも明確な答えを得られず……。親を困らせてしまうので「じゃぁ聞かないでおくか」という結論に至りました。
──本当に妄想が大好きなんですね。
岡本:そうですね(笑)。いろいろ考えちゃうんです。たしか中学生くらいのころに読んだ『グリム童話』はしっくりきました。「普通はこれくらい怖い物語だよね!」と思いました。僕にとって絵本は『世にも奇妙な物語』と同じ感覚です。
──最後にオンエアを楽しみにしているファンのみなさんにメッセージをお願いします。
岡本:今回のお仕事では、絵本のおもしろさを伝えようとは思っておらず、「伝えること」だけに注意しました。それはなぜかと言うと、先ほども言ったとおり絵本は「伝わればそれが正解」だと思うからです。この記事を読んでくださっている方のなかにも、誰かに絵本を読む機会がある方がいると思います。もし絵本を読む機会があったら、肩に力をいれずに自分流の読み方をしてほしいです。
番組で僕ら声優の読み方を見たとき、「私だったらこうやって読もう」などと考えながら見てくださると嬉しいです。ぜひ自分流の絵本の読み方を楽しんでください。
──有難うございました!
岡本信彦さん出演の「きみへ読む絵本の」は11月21日からNOTTVとアニマックスで放送します!お楽しみに!
■番組概要
大人気男性声優3人があなたに絵本を読み聞かせる新番組『きみへ読む絵本』NOTTVとアニマックスで放送! 森川智之さん、安元洋貴さん、岡本信彦さんの人気声優3名が、それぞれ様々な絵本の朗読を通して、絵本の言葉・絵の美しさと共に、男性声優に癒される特別
な時間をお届けします。
本番組はアニマックスとNOTTVの共同企画番組となっており全4話を制作。アニマックスで2話、NOTTVで2話を放送いたします。
アニマックス版では第1話で”思い出の絵本”、第2話で”おすすめの絵本”を朗読します。朗読を担当する森川さん、安元さん、岡本さんと絵本との出会いに関する意外なエピソードや、絵本に対する思いを交えながらお届けします。
NOTTV版では、森川さん、安元さん、岡本さんが第1話・第2話ともに番組オリジナルの「思い出に残らざるを得ない絵本」を朗読します。一癖あるストーリーに笑いあり、戸惑いあり、朗読を担当する森川さん、安元さん、岡本さんの素顔の部分をお届けいたします。”
このように両方合わせて楽しめる番組展開になっていますので是非NOTTVパックに加入して両方の番組をお楽しみ下さい。
■放送情報
アニマックス第1話:「思い出の絵本」11/21(土)23:30~24:00
NOTTV第1話:「思い出に残らざるを得ない絵本Ⅰ」11/22(日)23:00~23:30
アニマックス第2話:「おすすめの絵本」11/28(土)23:30~24:00
NOTTV第2話:「思い出に残らざるを得ない絵本Ⅱ」11/29(日)23:00~23:30
■視聴者プレゼントのお知らせ
出演者の岡本信彦さん、安元洋貴さん、森川智之さんの直筆サイン入り番組オリジナルクリアファイルをプレゼントします。
応募方法は、NOTTV第2話「「思い出に残らざるを得ない絵本Ⅱ」11/29(日)23:00~23:30にてお知らせいたします。ぜひ全4話楽しんでいただき、どしどしご応募してください。
■関連サイト
>>公式サイト(NOTTV)
>>公式サイト(アニマックス)
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>>※NOTTVパックについて